2005-11-30から1日間の記事一覧

米朝・枝雀師弟の奇跡のような一対を成す『はてなの茶碗』及び『鴻池の犬』

だからこそ、米朝・枝雀の師弟が演じた(といっても、DVDで観ただけなのだけれど)『はてなの茶碗』『鴻池の犬』はそれぞれ、奇跡のような一対の物語だと思える。米朝が見せる茶金の度量と、枝雀が描く油屋の必死さ。師の語るクロの鷹揚と、愛弟子によるシロ…

さん喬、権太楼、志の輔、三者各々の『井戸の茶碗』

また、『井戸の茶碗』という噺を巡る、さん喬、権太楼、志の輔という実力者三人の演出の違いは、その対照が実に鮮やかで興味深かった。 権太楼の屑屋・清兵衛に焦点を当てた庶民の強かな生活力と武士のタテマエへの抗議、志の輔の中間・良助に力点を置いた現…

桂枝雀七回忌・歌舞伎座での小三治『一眼国』

特に、枝雀七回忌歌舞伎座での『一眼国』(旅人を枝雀、小屋の興行主を自らに擬し、その時限りの追悼の一席とした)や今日の『千早振る』で見せた、小三治の機知と粋。そして、さん喬が『柳田格之進』『井戸の茶碗』でみせた、"あえて"現代人の視点、近代的…

小三治・米朝二人会(相模原市民会館)〜米朝の情、小三治の粋

・・・・・・・・・・・・ 吉弥「河豚鍋」 三三「短命」 米朝「鹿政談」 (仲入り) 小米朝「七段目」 小三治「千早振る」 ・・・・・・・・・・・・米朝の「鹿政談」のサゲ(豆腐屋⇒豆腐=切らず)にあわせ、「千早振る」を語る(「からくれなゐ」⇒豆腐カス…