2006-02-08から1日間の記事一覧
あと、秋山瑞人を引き合いに出したので、ついでなのでその傑作『猫の地球儀』について少し。 あの作品って、つまりは「大審問官」だろう? そして、《原罪》、《神の正義の大きさと人の子の思いの小ささ》といった、キリスト教世界に骨の髄まで染み込んでい…
とにもかくにも、「砂糖菓子の弾丸」という比喩に集約された力が、忘れられない印象を残す。ただ、その象徴的な印象だけ残って、後は綺麗さっぱり消えてしまう気もするし、それでいい作品だとも思う。また、手垢がついた初歩の初歩であるトリックや概念の数…
『戦中派虫けら日記(滅失への青春)』(昭和十七年〜十九年)と重なり、昭和二十年一月一日から始まる、あの『戦中派不戦日記』への橋渡しになる書簡集。 十七歳〜二十三歳の、続く《日記》とは随分違う荒削りの生き生きした書きっぷりには嬉しくなる。はっ…
有本倶子・編『山田風太郎疾風迅雷書簡集―昭和14年〜昭和20年』読了。 桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』読了。 以下、上記二作についての簡単な感想。 加えて、その感想の流れから、秋山瑞人の傑作『猫の地球儀』について少し。 また、冬目景「もも…