2006-02-12から1日間の記事一覧

北村薫を《読む》ことについて〜二月大歌舞伎の感想の流れから

……ちなみに、私が最も愛する作家・北村薫の作品世界は、正に受け継ぎ、広げていける形で、《そうして《大きなもの》を前にした《個人》がどのようにそれに挑み、何を為すことができるのか》を示してくれるものでもあると思う。大体、歌舞伎を観るようになっ…

玉三郎の舞踊の特徴〜熱狂的な受容か、拒絶かの二択になる理由

玉三郎の舞踊はこの演目に限らず、その世界にとことん引き込まれるか、位相が合わず、ずれたままで釈然とせず終わってしまうか、両極端に分かれがちだと思う。例えば、私であれば『京鹿子二人娘道成寺』『藤娘』が前者の、『船弁慶』が後者の代表例だ。 ……な…

歌舞伎座二月公演(昼夜)〜玉三郎の舞踊と歌舞伎の《型》、ほか。

歌舞伎座でほぼ丸一日を過ごす。 昼:一階四列十*番。夜:一階五列*番(花道内側)。十一時から二十一時までぶっつづけで観劇。 ……先月十五日の昼夜に続いて、正直言って、金銭的にも、時間的にも、体力的にも、分不相応に文字通り身を削って観に行っている…