小川未明『心の芽』

自信はあまりないのだけれど、「空飛ぶ馬」の童話談義で触れられたのは、この作品ではないかと思われる。
そして、その話の展開は、《私》が覚えていたものとはかなり異なる。
確かに少年は一生、不具のまま生きることになるが、その後の展開は……。


フロベール『聖ジュリヤン伝』と同じく、《間違って《私》が覚えている》というその間違い方が、《私》というキャラクターの一つの描き方となっている。


なお、この童話談義は、他の童話も実に興味深く三人のキャラクターと結びついているので、詳しくみていけばみていくほど面白いところだといえる。