小三治・米朝二人会(相模原市民会館)〜米朝の情、小三治の粋

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吉弥「河豚鍋
三三「短命」
米朝「鹿政談」
(仲入り)
小米朝「七段目」
小三治「千早振る」
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米朝の「鹿政談」のサゲ(豆腐屋⇒豆腐=切らず)にあわせ、「千早振る」を語る(「からくれなゐ」⇒豆腐カス=”おから”をくれない⇒「からくれない」)小三治

米朝の体現する上方の情に、小三治が盟友・入船亭扇橋と共に楽しむ連歌のような、江戸の粋で応じた、「二人会」のお手本のような見事な二席。
山を歩む鹿と川を散り染める紅葉が連なり、晩秋の錦を織る。

それに、彼らの自慢の弟子も花を添えた。
吉弥の陽気な高座、三三のアクの強さ、小米朝の群を抜く華やかさ。
特に、小米朝キセルに見立てた扇子を持つ姿の決まり具合、呆れるほど、笑いをこらえきれないほど、暢気な若旦那振り。
小三治、さん喬に加えて、また一人、しばらく追いかけてみたい落語家が増えた。

ひとつの落語会として、これほど良く出来た会を見たことがない。
素晴らしい時間を過ごせた。幸せだと思う。


振り返るとここ数ヶ月、「さん喬を聴く会」での1時間を越える『柳田格之進』、夏の池袋トリでのさん喬『井戸の茶碗』、権太楼と交互にトリを取り合う八月の鈴本でのさん喬『鰍沢』『笠碁』、権太楼『試し酒』。10月(9月?)鈴本トリでの、今まで4回聴いた中でも圧倒的な出来だった小三治『天災』、10月所沢での小三治『青菜』と、”聴けてよかった”と心から思える高座が続いている。嬉しい。



さらに思えばこの一年、色々と面白い噺を聴くことが出来た。