F.ガルシーア ロルカ『血の婚礼』〜なるほど、こいつぁスペインだ!!/メリメとロルカ。

馬鹿にされてしまった・・・。

Theater1010の2月の公演『ベルナルダ・アルバの家』のチケットを貰ったので、せっかくなので予習として手に入れた作品。
というか、チケットを貰う際に「ん?なんだかいろいろ理屈っぽくゴチャゴチャいう割に、あのロルカも名前を知っているだけ?どの作品も読んだことがない?ふふん、そうなのか」と鼻で笑われてしまったので、いきがかり上、その戯曲における代表作たる悲劇三部作---「血の婚礼」「イェルマ」「ベルナルダ・アルバの家」---を収録したこの本を手に取った次第。どんな分野でもたいがいずっと多くのことを知っているし、呆れるくらいよく覚えてるし、言うことも面白い相手なので全く頭が上がらない…。

メリメとロルカ

ともあれ、読了後の感想。メリメの短篇と並べると面白そうな作風だなと思う。あくまで硬く乾いてハードボイルドなメリメと(北村薫推薦の「マテオ・ファルコーネ」「イールのヴィーナス」とかだね。他にも「エトルリアの壷」とか。ヴィーナスも壷もえらく硬く冷たく、どこまでも酷薄だ)、きつく抑えられていた赤く鮮烈な血潮がじりじりと水位を上げ、しかる後に一気に迸り出て、その尽き果てる時まで止まることのないロルカの三大悲劇。なんというか、「なるほど、こいつぁスペインだ!!」という感じ(一体どんな感じだ、おい)。確かにこれは、舞台に上げて生の人間が語ればなお面白そうだ。

三大悲劇の三番目・・・。

…ただ、その三作ではかなりはっきりと、収録順に一位>二位>>>>三位と自分の中で順位がついてしまうのだけど、今回観ることになるのはその三位か…。
まあ、いいか。文章で読む戯曲と、舞台で観る戯曲は全く異なるものだ。「ベルナルダ・アルバの家」も舞台の上でこそ輝く作品なのかもしれない。そう期待しよう。