DVD『キャッツ スペシャル・エディション』


キャッツ スペシャル・エディション [DVD]

アンドリュー・ロイド・ウェーバー自身が、オリジナル・ロンドン・キャストで手掛けた『CATS』の映像化。
あまりにも有名な名曲「Memory」を歌うグリザベラは、エレイン・ペイジ。


特にゴチャゴチャ考えずに、揃ってやたらと巧い猫達の群像劇に見入る。
グリザベラは演技も歌もやや別格として、タム・タム・タガー、魔術師猫・ミストフォリーズがとりわけいい。
多彩な斑模様の歌う猫達の間で、一人バレエの動きで踊る純白の猫・ヴィクトリアも印象的。
マキャヴィティは何だか歌舞伎の仁木弾正のよう(そういえば、仁木弾正は大鼠に化ける人物でもある)。
幼い猫・シラバブの純な美しさもいい。


なお、スモークの演出などがいかにもキッチュ(特にミストフォリーズの場面)なのも、おそらく意図的なものだろう(そこだけはやや好みに合わないけれど)。
あと、カメラワークは個々の猫の表情や動きを細かく伝えてくれるが、やや動きすぎて鬱陶しいきらいもある。
そして、この作品も、オリジナル版の演出は、あのトレバー・ナンだという。ミュージカル『レ・ミゼラブル』といい、映画『十二夜』といい、つくづく凄い人だ。