ダン・シモンズ『ハイペリオン』下巻(酒井昭伸・訳)〜この豪華絢爛な闇鍋は、ともかく美味しい。

ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

ハイペリオン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

ハイペリオン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

この豪華絢爛な闇鍋は、ともかく美味しい。
実に豪快に高級な材料をぶちこみ、凝りにこった濃い目の調味料もドバドバと注ぎ込んだ《男の料理》だ。


好みとしては、《運命の女(ファム・ファタル)》を巡る典型的な浪漫活劇に、SF成分をふんだんに盛り込んだ「兵士の物語:戦場の恋人」がベスト。より客観的になろうと心掛ける評価をすれば、おそらくその上に位置することになるのは、「学者の物語:忘却(レテ)の川の水は苦く」と「探偵の物語:ロング・グッバイ」。
ともあれ、ここでグダグダと鬱陶しい感想を続けるよりも、まずは続きを読んでしまおうと思う。