7月の読了本その他まとめと雑感

<本>

計37冊。


ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』(福島正実・訳)7/1
バリントン・J・ベイリー『禅銃(ゼン・ガン)』(酒井昭伸・訳)7/2
岡嶋二人『そして扉が閉ざされた』7/3
川又千秋『幻詩狩り』 7/3
岡嶋二人『チョコレートゲーム』7/4
アイラ・レヴィン『死の接吻』(中田耕治・訳)7/6
上遠野浩平『ロスト・メビウスブギーポップバウンディング』7/6
エイミー・トムスン『ヴァーチャル・ガール』(田中一江・訳)7/7
森岡浩之星界の紋章』全三巻7/10
森岡浩之星界の戦旗』①〜④7/12
森岡浩之星界の断章』7/12
梶尾真治『美亜に贈る真珠』7/15
森岡浩之『夢の樹が接げたなら』7/16
森岡浩之『月と炎の戦記』7/16
J・G・バラード『結晶世界』(中村保男・訳)7/17
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『愛はさだめ、さだめは死』(伊藤典夫浅倉久志・訳)7/19
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアたったひとつの冴えたやりかた』(浅倉久志・訳)7/20
コードウェイナー・スミス『第81Q戦争―人類補完機構』(伊藤典夫・訳)7/20
森奈津子西城秀樹のおかげです』7/22
北野勇作『かめくん』7/22
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』(浅倉久志・訳)7/23
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『故郷から10000光年』(伊藤典夫・訳)7/25
梶尾真治『おもいでエマノン』7/26
梶尾真治『さすらいエマノン』7/27
梶尾真治『かりそめエマノン』7/27
梶尾真治『まろうどエマノン』7/27
梶尾真治フランケンシュタインの方程式』7/28
梶尾真治『躁宇宙・箱宇宙』7/28
梶尾真治『もう一人のチャーリイ・ゴードン』7/29
梶尾真治『未踏惑星キー・ラーゴ』7/30
フレデリック・ブラウン『スポンサーから一言』(中村保男・訳)7/30
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『星ぼしの荒野から』(伊藤典夫浅倉久志・訳) 7/31

<映画>

計6本。


デスノート7/3
カーズ7/7
ウルトラヴァイオレット7/9
オーシャン・ワンダラー7/15
M:i:Ⅲ7/15
パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト7/28


<DVD/ビデオ/TVなど>
ワールドカップ中継/準々決勝/『ポルトガル×イングランド』7/1
ワールドカップ中継/準々決勝/『ブラジル×フランス』7/1
ワールドカップ中継/準決勝/『ドイツ×イタリア』7/4
ワールドカップ中継/準決勝/『フランス×ポルトガル』7/5
ワールドカップ中継/三位決定戦/『ドイツ×ポルトガル』7/8
ワールドカップ中継/決勝/『フランス×イタリア』7/9

<演劇・落語・歌舞伎など>

計7公演。

三鷹爆笑落語特選(さん喬・権太楼・市馬・喬太郎)7/1
横浜にぎわい座立川談春独演会』7/2
銀座大落語祭『大御所に歴史あり』(ヤマハホール/金馬、円楽インタビュー)7/16
大銀座落語祭『らくごのない落語会』『上方の粋』(ヤマハホール/小米朝「稽古屋」、雀々『くしゃみ講釈』ほか)7/17
歌舞伎座七月公演(昼の部)「夜叉ヶ池」「海神別荘」7/22
深川江戸資料館「さん喬を聴く会」さん喬「品川心中(上・下)」「百年目」"7/22
歌舞伎座七月公演(夜の部)「山吹」「天守物語」7/30

<漫画>

計50冊。


石ノ森章太郎『竜神沼』(珈琲文庫版)7/1
上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』7/1
清原なつのワンダフルライフ』7/4
清原なつの『千の王国百の城』7/5
清原なつの『春の微熱』7/6
水薙竜唳キルウィザード』①7/8
高野真之BLOOD ALONE』②7/8
鎌谷悠希隠の王』①7/8
清原なつの『花岡ちゃんの夏休み』7/13
清原なつの『飛鳥昔語り』7/13
鶴田謙二ほか『日本ふるさと沈没』7/13
島田虎之介『東京命日』7/13
川原泉レナード現象には理由がある』7/14
清原なつの千利休』7/14
清原なつの『花図鑑』全二巻7/14
清原なつの『サボテン姫とイグアナ王子(清原なつの忘れ物BOX1)』7/15
清原なつの『二十歳のバースディ・プレート(清原なつの忘れ物BOX2)』7/15
鎌谷悠希隠の王』②③7/15
羽海野チカハチミツとクローバー』⑨7/16
高橋葉介『夢幻紳士 (冒険活劇篇) 』全四巻7/18
高橋葉介『夢幻紳士【幻想篇】』7/21
高橋葉介『夢幻紳士【逢魔篇】』7/21
高橋葉介『学校怪談』①② 7/21
清原なつの『私の保健室へおいで…』7/22
北原文野『夢の果て』全三巻7/23
中村光荒川アンダー ザ ブリッジ』①〜③7/23
フアン・ディアス・カナレス 『ブラックサッド -黒猫の男- 』(大西愛子・訳)7/23
高橋葉介『夢幻紳士 怪奇編 1巻 ヨウスケの奇妙な世界(2)』7/24
高橋葉介『夢幻紳士 怪奇編 2巻 ヨウスケの奇妙な世界(3)』7/24
山岸凉子舞姫(テレプシコーラ)』⑨7/26
一条ゆかり『デザイナー』7/26
六道神士Holy Brownieホーリーブラウニー) 』④7/26
高橋葉介『悪夢交渉人』7/27
平野耕太HELLSINGヘルシング)』⑧7/27
高橋葉介『恐怖症博士』7/28
高橋葉介『黒衣 KUROKO』全四巻7/28
高橋葉介『死者の宴 夢幻外伝(1) ヨウスケの奇妙な世界(4)』7/29
高橋葉介『宵闇通りのブン ヨウスケの奇妙な世界(11)』7/30
高橋葉介『クレイジーピエロ ヨウスケの奇妙な世界(14)』7/30

<その他>

森下文化センター/「編集者が語るマンガの世界」第三回(講師:二上洋一倉持功))7/23



●読了本------これからしばらく、SFを重点的に。

なんだか冊数の割りに、読んでいる作家数は少ない。しかも、SF偏重気味。
どうせならいっそのこと------ということで、しばらくの間、2006年度SFマガジンのオールタイムベスト作品を中心に、SFの代表的な名作を読んでいってみることにする。
つまり、ここ↓に載っているもの+α。
http://www.fan.gr.jp/~hosoi/alltimeenq/enq-alltime2.cgi
http://www.fan.gr.jp/~hosoi/alltimeenq/enq-alltime3.cgi
http://www.fan.gr.jp/~hosoi/alltimeenq/enq-alltime4.cgi
http://www.fan.gr.jp/~hosoi/alltimeenq/enq-alltime5.cgi
「ろくに馴染みのないジャンルなんだから、まずは目ぼしいのを一通り読んでいこう。その後で、相性の良さそうなのを読み返してまとまった感想を書ければいいね」という、最近漠然と思っていたコンセプトの具体化になる。SFは今まで比較的縁が薄い分野だったので、新鮮な面白みがあって愉しい。


そういうわけで、早速Amazon(含むマーケットプレイス(中古本))と楽天フリマ等で色々注文。
海外短篇と国内長編の比較的無理せず手に入る本をカートに放り込んでいったところ、その時点で60冊……。とりあえずそこでストップ。便利になったもんだなぁ、おい。


こういう流れになると、ただでさえ部屋が荒れ放題の魔窟と化していたところでもあり、否応もなく溜まった書籍の整理を中心にした------というか、9割5分はそれ-------部屋の片付けを迫られることになった。


ここで困ったのが、読書中、気になったページの端を折っていく習慣。
このやり方は、折り目の深さや、特に注目したところは二重折にしたりすることで、関心の強弱をアナログですぐに残しておける。また、読み終えた後、一冊の本から受けた印象の深さが一目でわかる。
……ただ、本によってはあまりに折り込みが増えすぎて、原形をとどめないくらいになって、立てても横にしても本をうまく置いておけなくなってしまう。


今年になってから読んだ本だと、

飛浩隆『象られた力』
ジョン・ファウルズ『魔術師』上・下
小川一水導きの星』③④『復活の地』②③
ダン・シモンズエンディミオン』上・下巻
アルフレッド・ベスター『分解された男』
関容子『芸づくし忠臣蔵』『日本の鶯 堀口大學聞書き』
渡辺保『芝居の食卓』
夏目房之介手塚治虫の冒険―戦後マンガの神々』
清原なつの『花図鑑』②
森奈津子西城秀樹のおかげです』

あたりがなんだかすごいことに。試行錯誤の末、うまく周りの本で支えさせる形で、なんとか収納に成功。
……少し、やり方を考え直した方がいいかもしれない。
しかし、ここで挙がった作品もSF率が高いなぁ。既にここまで侵食されてたのか。

舞台関連------落語と歌舞伎の七月。

「さん喬を聴く会」が毎月あればいいのに!早く「百年目」についても感想まとめないと……。
それと、小米朝師匠はもっと東京に来てくれればいいのになぁ。華やかで明るくて、ホント、いい噺を聞かせてくれる。初めて生で聴いた雀々師匠の熱気(狂気?)に溢れた独自の世界も魅力的。


歌舞伎座坂東玉三郎澤瀉屋一門による泉鏡花特集。
玉三郎海老蔵の「天守物語」「海神別荘」には全く文句が無い……というか、この「天守物語」を観てしまっては、他の演目への不満など吹き飛ばされてしまう。


……だから、「澤瀉屋一門のステップアップのために、無理を承知でやりやがったな?特に「山吹」の酷さときたら、今までのワーストだった去年十二月の獅童・七之介の「橋弁慶」も霞むほどのクソ舞台。しかも長い……」なんてことは些細なことだ。うん。

漫画------清原なつの高橋葉介!!

部屋の片付けの際に困ったのが、漫画の収納。ここ数ヶ月、捨てられない新規購入本が激増したため。
それでも、藤田和日郎からくりサーカス』1〜42巻くらいの塊になると「部屋の隅にまとめて置くしかない」と諦めが付く。


厄介だったのは今月になって一気に入ってきた清原なつの高橋葉介の作品群。
どう考えても、これまでに読んできた漫画の中でも好みの最上位層にランクされる作品が多い! しかも、代表作を絞り込めない。
これまで読んだ範囲で、高橋葉介なら夢幻紳士の【幻想篇】【逢魔篇】がベスト。でも、夢幻紳士『怪奇篇』、夢幻外伝、最初期の短篇(『ミルクがねじを回す時』など)にもそれぞれ趣の違う味がある。この作家、読者毎にベスト作品がまるで違ってくる人なんじゃないかな。
清原なつのは『花図鑑』がずば抜けているけれど、最初に読んだ『ワンダフル・ライフ』は偏愛の一冊だし、『サボテン姫とイグアナ王子(清原なつの忘れ物BOX1)』『二十歳のバースディ・プレート(清原なつの忘れ物BOX2)』も表題作を中心にオソロシイばかりの出来。こんな作品群を「忘れ物」にしちゃいけないだろう。


結局、そのまま棚に入れようとすると、その並びを相当動かさざるを得ないので、小説棚の一部にブックオフ行きの片道旅行に出て貰って、スペースを新規確保。……まぁ、しゃあないやね。

映画------「カーズ」最高!

「カーズ」最高!それに尽きる。
パイレーツ・オブ・カリビアン」も気軽に楽しめるえらくよく出来た娯楽作だったし、「MI:3」も悪くは無い出来。しかし、「カーズ」はあまりにも圧倒的。


まず、オマケの短篇映画「One Man Band」の時点でもう、「この4分弱のためだけにチケット代を払ってもいいや」とピクサーに無条件降伏。単純極まる枠組みの中だからこそ、想像力と技術の質が燦然と輝く。
肝心の「カーズ」本篇は、これまでに観た今年の劇場映画中、ダントツのNo.1。見る前の期待値はとても低かった------自動車への興味は皆無に近い(免許すら持っていない)上に、絵柄の第一印象は「アメ公の擬人化画って、やっぱりイマイチだよな」というもの------のにも関わらず、冒頭のレースシーンでいきなりノックアウトされてしまった。あの画も、動きの中だとたまらなく魅力的になる。BGMの選択も文句なし。ストーリーだって悪くない。
ああ、もう、ピクサー万歳!


一方、「デスノート」は今年初めて、途中で席を立ってしまった映画。
「親切に言葉を重ねて説明していこう」という方向性はマズイ。設定の無理は映像になったことでただでさえ目立つ。それに更に拍車をかけてどうするんだ?

反省と課題

「ぐだぐだ感想を書くより、流れのままに次の作品を読みたい!」という気分が続く。
まぁ、そういう時期なのかと。