PC98レトロゲームの思い出「ディガンの魔石」「エグザイル」ほか。


PC9801やPC88、X68000などの時代のレトロゲーム、覚えていますか。
あるいは、ご存知ですか。


私は光栄だの日本ファルコム(『Y's(イース)』『ソーサリアン』他)だの呉ソフト工房(『ファーストクイーン』シリーズなど)だの今は亡き《ウルフチーム(『YAKSA(ヤシャ)』『アークス』『斬』、そして私は大好きでしたよ、『ミッドガルツ』。みんなクソゲーの代表みたいに言いますけどね。好きなんですよ、ホントに)》だのあたりには、色々と思い出が尽きません。


ここではそうしたステキな古き良き時代のレトロゲームの中から、《まさにあの古き良き時代にしか存在し得なかったゲーム》として、『エグザイル(1、2)』『ディガンの魔石』の二作品をご紹介したいと思います。


出来る限り、ゲームを全くご存じない方にも面白い紹介を心がけましたので、宜しければ読んでいってやってください。


なぜ、《古き良き時代にしか存在し得なかったか》に焦点を当ててますから------主に社会的・政治的な面で。まぁ、多少は面白いのではないかと思います。

ちなみに、唐突にレトロゲームについて語りたくなったのは、以下の流れからです。
「『空の境界 第三章 痛覚残留』 /作品感想及びTYPE-MOON作品全般だの関連MADだの他のその手のゲームだのPC98時代のレトロゲームだのに関するあれこれ思い出話。」
http://d.hatena.ne.jp/skipturnreset/20080216
まぁ、どうでもいいことですが。
●『エグザイル』------社会、政治、宗教的にヤヴァい話満載
※参考
レトロゲーム復刻サイト「プロジェクトEGG」
「エグザイル」詳細ページ
http://www.amusement-center.com/project/egg/cgi/ecatalog-detail.cgi?product_id=469
さて、『エグザイル』について。
これは1、2と二作ありまして。こちらはアクションRPGです。
RPG風のマップ画面で色々情報を集め、必要な条件を満たしたところで、いよいよアクションゲームに突入。ゲーム性も大変高い、傑作ゲームでした。


……しかしまぁ。今じゃ絶対できないゲーム設定でした。


このゲーム、イスラム原理主義を奉ずる暗殺教団(実在した「山の老人」のこと。暗殺者=アサッシンの語源になった連中)の暗殺者が主人公で。


その主人公、体調(バイオリズム)をいろんな麻薬射って整えることで戦うんです。
体調がどんどん移動する波線で。
そこにヤクを射つと、波線グラフがバン!と乱れて波線乱高下。
その波が高い時に攻撃すれば大ダメージ。


勿論、射つ薬によって効果に随分違いがありまして。
いい感じのヤクだと波線高いところに上がりっぱなしなわけです。
《うむ、LSDか。これはいいアイテムだ》とかなるわけですよ。
ちなみに、強力な薬であればあるほど、効果持続時間が過ぎた後で強烈な禁断症状でバイオリズム低迷期間が長く来るんですが。


その結果、アイテム名には「ハシシ」「アンフェタミン」「マリファナ」「コカイン」とかステキな名前ばかりがズラリと並ぶことになるんですね
なんせ、体力回復すら麻薬でやりますし。壮観でしたね。


それでもって、ストーリーも凄い。
1では最後、タイムスリップして現代の超大国の両首脳を暗殺してエンディング(一方はどうみてもソ連。殺した相手はどうみてもゴルバチョフ。だって、禿げ頭に赤いアザでしたし。ちなみに当時は勿論、冷戦まっさかりの頃でした)。
2に至っては、テンプル騎士団の団長が某世界最強の一神教の神になりかけたところを、イスラム暗殺教団の団長になった主人公がぶっ殺して終わり。

いやぁ、いろいろまずいですよね、これ。
サルマン・ラシュディさんもびっくりですよ。
実に牧歌的な、いい時代でした。


●『ディガンの魔石』------ゲーマーのみんな、社会というのは厳しいところなんだ。

※参考
ブログ「何事も(怒りの以下略)」
2/8「ディガンの魔石」
http://d.hatena.ne.jp/camelletgo/20080209/p1
この『ディガンの魔石』というゲームは、一見、ごくごく正統派のロールプレイングゲームでした。

《新婚さんの夫であるディノは、突然謎の病気にかかった妻を救うため旅に出る。途中、世界最高の賢者にして魔術師タオ・ホー、力こそ正義を奉ずるトカゲ人の国の戦士長など多くの人と出会いつつ、ディノは自らが属する世界の謎に迫っていく-----》
ストーリーの骨格だけみれば直球ド真ん中のRPGですよね。


しかし、その真の魅力はサブゲームや寄り道の数々にありました。


旅にはお金が必要です。
そのためにディノさん、田舎の森林に埋もれた村を出て、都会に出ます。


ちなみにその田舎村でも《迷子の子供を捜して母親に届けるとお礼をもらえる》というイベントを繰り返してお金を稼いだり出来ますが、それですと効率が非常に悪い。
そもそも、その姿はどうみても誘拐犯だったりします。
実際、運が悪いと折角子供を送り届けたのに、《うちの子供を何勝手に連れ回してるの!》と怒鳴られて一銭も貰えずに終わったりもします。


……さて、都会に出たディノさん。
そこで、必死にアルバイトします。
「皿洗い」「子守」「木工仕事」「用心棒」「家庭教師」「医者の手伝い」「ねずみ退治」……。
世知辛いですよね、世の中。


ディノさん一人ではなく、パーティのメンバーも一緒にアルバイトします。
でも、そのバイトのやり方が、仲間との信頼関係に大きく影響するんですね。


キツイ=稼ぎがよいバイトをさせると、その分疲れるのか、いささか関係が悪くなります。
貰ったバイト代を自分で後生大事に抱えて、所持金を全額強制徴収(信頼度激減)しなければなかなか分けてくれなかったり。
戦闘のとき、黙って突っ立ってたり逃げ回るだけになったり。


しかも、ストーリーを進めるためには仲間との信頼関係を極限まで上げなくちゃあいけない。
《仲間に心から信頼されている男でなければ私は仲間にはなれない》とか白けたことをぬかしやがる、ミスター・スポックみたいな顔色の悪い医者野郎のキャラがいるんですよ。


その結果、どうなるか-------。
ディノさん、仲間は休ませておいて、一人、厳しい肉体労働に日々従事します(無教養の田舎者なディノさんには当然の如く、「家庭教師」とか「医者の手伝い」といった高額ホワイトカラー案件は扱えないのです。ここにも社会構造の厳しさが見受けられます。みんなビンボが悪いんや)。
その上で稼いだお金はみんなで分配。
店に行けば《おお、このアイテムが欲しいな》と働きもせずごねる仲間たちに気前良くアイテムを買い与えます。
勿論、ディノさんのお金です。


いやぁ、ディノさん。人気者への道はツライですね。
気分はいい年をしてニートな子供を抱える親といったところ。
凄いなぁ、数年後の社会問題を先取りしてたんですね、あのゲーム。


……その他にも素晴らしい設定がありまして。


主人公たち、たまに突然病気になったりするんです。
その原因は戦闘のこともあれば、食べ物からのこともあり、毎日眠るときに突然《眠り病》なるものにかかったりもします。
で。その病気の一つにいわゆるひとつの《性病》がありまして。
当然、それに関連するイベントが起きる施設も、どうも必要以上に充実した描写がされていまして。
しかも、放っておくとそこに勝手に入り浸ったりしようとする仲間(世界最高の大魔術師さん)がいたりして……。
そして、望みどおりにしてやると、その気難しい=信頼度が上がりにくい大魔術師さんからぐぐっと全幅の信頼が得られたりして……。
とても素敵なゲームでした。


そんなわけで『ディガンの魔石』。
実に《社会》というものの姿をプレイヤーによく伝えてくれる、素晴らしいゲームでした。
正に、社会の中におけるロール(役割)をプレイさせてくれる一作。
紛うことなき大傑作です。本当に(ちなみに、本当に無茶苦茶面白かったです)。



レトロゲームの思い出と今。
この他にもいろいろやりました。
『ラスト・ハルマゲドン』でモンスター合成尽くしだとか。
『スーパー大戦略』で廃人対戦とか。
ファーストクイーン』シリーズで後の『ファイヤーエンブレム』ばりの《レベルアップ⇒上がる能力が気に要らない⇒リセットで再挑戦》を繰り返しての最強チーム作りとか。


ちなみに、ファミコンスーパーファミコン時代にもそこそこのヘビーゲーマーでした。
ディスクシステムとかも含めて、随分やった記憶があります。
こちらは、パソコンのレトロゲームよりも更に数も多ければ費やした時間も膨大すぎて、とても簡単にはまとめられませんが。



ところで、それらの思い出は今もなかなかに鮮やかで。
今でも日本ファルコムなどには、かつてのパソコンゲーマーとして、そこそこの忠誠心を抱いていたりします。


そういうわけで、最近ですとクソ忙しい中、『英雄伝説』というこのメーカーを代表するRPGシリーズの最新作『空の軌跡』も全部やったりしました。100時間くらいかけて。


まぁ、チートやりまくりですけどね(シャイニングボム狩りなんざやってられるか!そこまで暇じゃないんだ、さすがに)。
ちなみに『空の軌跡』にはそれはまぁ、色々と言いたいこともありますが-------まぁ、いいんですよ。「銀の意志」と「星の在り処」の二曲があれば。


※「銀の意志」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm558597

※「星の在り処」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1183048

それでSCも3rdも全て許しますよ。
あのウジウジ野郎のクソ神父によるグダグダシナリオさえも受け入れようじゃないですか。
そして、サントラだのスーパーアレンジバージョンだのなんだのにも、喜んで献金させて頂きましたよ。
ええ。それが、信者の道というものです。



まぁ、なにやらそんなこんなで。
こんな感じのレトロゲームな昔話につきあってやって頂ける方、もしどこかにいらっしゃいましたら、声でも掛けて頂けると嬉しいです。


なんだか久しぶりに、懐かしい諸々のことを思い出しました。
以上です。