原発推進を目的にした東電や政府の隠蔽や嘘は、きたない嘘。
原発反対を目的にした原発反対派の煽りや嘘は、きれいな嘘。
そんなわけ、ありませんよね。
／人◕ ‿‿ ◕人＼「君たちはいつもそうだね。事実をありのままに伝えると決まって同じ反応をする。 わけが分からないよ」
電力は経済を支える血流である一方、原発の巨大な危険性も明らか。
だからこそ、煽りや嘘はできる限り排されるべきです。
正確な情報や認識こそが必要です。
原発を本気で削減や廃止したいというのならば。
「経済への影響も考えつつ（経済がしっかりしないと震災復興も出来ませんよ）、現実的に可能なプランを考えなくてはいけない」わけです。
それには例えば、「代替のエネルギー源を整える間、既存の原発の効率性・安全性を高めるため積極的に改修する」といった発想も合理的に考える余地がある･･････というより、当然考えられるべきでしょう。
非現実的に計画も妥協も無く「原発は悪。故に断固、廃絶に向かって直ちにかつ、一直線に進むべき！」なんて自己充足的な発想、役に立たないどころかとんでもなく有害です。
一方、これだけ原発の危険性があからさまになった今。
出来る限り他の発電方法を模索しようと考えるのは当たり前です。
ただ、その代替案の現実性や効率性、危険性も当然、これまで以上に真剣に考慮されるべきなのも当然ですよね。
例えば、「無理に安定供給や災害リスクを低めに見積もってでも火力なり風力なり地熱なり太陽光なりの発電を増強してみて、無理が祟って将来に事故や災害で大被害」なんて、笑い話にもならないでしょう。
原発からの移行を泥縄で進めてそちらで大問題が起きた場合（計画していたよりまるで発電量が足りなかった/安定供給ができなかった/想定以上に深刻な騒音・健康被害・環境汚染が発生した/災害への弱さが露呈した/原料の調達がどうにもならなくなった、etc,etc...）。
喉元過ぎれば熱さ忘れるで「やっぱり原子力発電が……」と 反動で一歩進んで二歩下がるになりかねません。
本気で望むならば尚更、過去の格言に曰く「ゆっくり急げ」であるべきです。
原発のリスクが極めて巨大である一方、他の発電にせよ。
危険性も環境破壊や災害への弱さもそれぞれ大きく持ち合わせているわけです。
現実に、本気で、「原発を減らして代替発電に切り替えていきたい」というならば。
そのリスクを最小限にし、効率を最大限にすべく、正確な情報や認識を広め得ていく必要がある。
そのために、過度に楽観的な予測や非科学的な煽りを除いていかなければいけません。
「政府や東電は情報を隠蔽している！これぞ真実だ！」という話を聞いたとき、「これは拡散！」と動き出す前に、１０分、２０分でいいので、政府や東電同様に、その人の言う「真実」も疑ってみることは必須だと思います。
主張に具体的な根拠があるかどうか、出典を探ったり、自分の頭で考えてみるのが一番ですが、それも面倒だったり難しい場合。
Googleで「（主張している人の名前） wiki」や、「（主張している人の名前） デマ」あたりで検索かけてみて、目に付く情報を１０分ばかり読むだけでも少しは違うと思いますよ。
さて、それを踏まえて。
ここ数日、とても活発にメディアやネットで活動されている急進的な反原発活動家の皆さん。
例えば広瀬隆。例えば、NPO原子力資料情報室。例えば、田中優。
これらの人たちって、今後の為に、正確な情報や展望を伝えてくれそうな人たちでしょうか。
【参考】
○「一色靖氏による広瀬隆氏の主張に対する丁寧な検証」
http://togetter.com/li/113815
※医療系の作家・研究者の方による、3/17広瀬隆出演動画http://www.youtube.com/watch?v=veFYCa9nbMY等幾つかの動画を観ての疑問のまとめとのこと。
○NPO原子力資料情報室「第２回 福島原発に関する原子力資料情報室 記者会見」（3/13）
http://www.youtube.com/watch?v=iKWrX9tSLsw
※この人たち、何より重要な「何が危険なのか。危険性はどの程度なのか。その危険にどう対処するか」という情報の収集や発表と、政府や東電の責任追及や批判、どちらを重視しているように思えますか？
例えば、これら↓のまとめと比較してみて、どう思われますか？
■「原発に関するＱ＆Ａ」
http://smc-japan.mirror.myapp.jp/
※東京大学理学系研究科の早野龍五教授（@hayano）が、ツイッター上で一般の方から寄せられた質問に回答した記録をもとに、有志が編集。
■「放射線は「甘く見過ぎず」「怖がりすぎず」 八代嘉美」
http://synodos.livedoor.biz/archives/1710889.html
○田中優の対談記事について「犬吠埼に風力発電を建てたら」
http://togetter.com/li/114799
率直に言って、推進派の東電や政府などもそりゃあ酷いものだったのでしょうが、反対派の少なくない勢力も、それにまったく引けを取らない惨状だったのではないかと思えて来てしまいます。
必ずや多数いらっしゃるのであろう、真っ当な原発反対の意見を持つ方は、東電や政府への批判も必要であり重要ですが、こういった身内の恥を早めに対処することも、今後の運動を考えたとき、大変重要なのではないでしょうか？
※3/24追記。
とにかく悪いのは東電、政府、そして原発推進派！彼らの陰謀や隠蔽暴けば問題はすぐ解決！
対案？ほら、我々の予測ではこんなバラ色のプランが！
思えば、とても聞きおぼえがある類の主張ですよね。
ほら、あの、二言目には「政権交代！」か「自民が官僚…」って言ってた民主党というのがいて……。
で。本当に彼らが政権をとってしまって一年半。
実際には何が起きたか。皆さん、ご存知ですよね？
※3/25追記。
勿論、民主党は民主党、ラディカルな原発反対派の方の主張は主張、
それぞれ関係ない別のものですし、
一口に反対派といっても、各人の意見は様々です。
一緒くたにせず、個別に検討される必要があります。
ただ一点。
虫の良すぎる展望や、特定の「悪」を強調しすぎる主張には、
慎重な検証が必要で、そうでないと後で後悔する事になる。
そのことだけは、強調させて頂ければと思います。
