「2014年もいろいろ漫画読んだよ」まとめ

「2014年もいろいろ漫画読んだよ」まとめ


主に今年の漫画について、ゆるくまとめてみました。


○第一部:祝・完結!
まずは、2014年に最終巻が刊行され、めでたく完結(後述するように『不死身ラヴァーズ』打ち切りは実に悲しいですが)した傑作たちについての感想を。


TONO『コーラル 手のひらの海』全5巻
森山大輔ワールドエンブリオ』全13巻
福島聡星屑ニーナ』全4巻
ろびことなりの怪物くん』全13巻
やまむらはじめ『天にひびき』全10巻
大久保篤ソウルイーターノット!』全5巻
田中相『千年万年りんごの子』全3巻
及川徹/貴志祐介新世界より』全7巻
有永イネ『かみのすまうところ。』全3巻
高木ユーナ『不死身ラヴァーズ』全3巻
貞本義行新世紀エヴァンゲリオン』全14巻


○第二部:一巻完結な皆さん。
続いて、2014年に刊行された一巻完結の名作たちについて。


近藤ようこ/津原泰水『五色の舟』
村山慶『きのこ人間の結婚』
高野文子『ドミトリーともきんす』


○第三部:新しいのではこれが好き。
これからが楽しみな、応援したくなる作品たちの感想です。


岩岡ヒサエ孤食ロボット』1巻
梅田阿比クジラの子らは砂上に歌う』2巻、3巻
沙村広明『幻想ギネコグラシー』1巻
中村ゆうひ『週刊少年ガール』1,2巻
睦月のぞみ『白銀妃』1巻
コトヤマ『だがしかし』1巻
佐藤両々『はるまちダンス』1巻
七尾ナナキ『Helck』1、2巻
大久保圭『アルテ』1,2巻
三浦建太郎ギガントマキア』1巻


○第四部:あのシリーズ、この巻も良かったですね。
他の過去作品や過去巻からもはや傑作シリーズであることは言うまでもありませんが、特にこの巻は面白かった……というそれぞれについて今年書いた感想記事の紹介です。
それぞれ、少し長め。


石黒正数それでも町は廻っている』13巻
今井哲也アリスと蔵六』4巻
久世番子『パレス・メイヂ』2巻(&3巻)


○第五部:名前だけ挙げますが、いつも素敵です。発売日に買ってます。


今年も面白かった、押しも押されぬ傑作群です。
漫画って、素晴らしいですね。


○第六部:2014年時点における、個人的な各種オールタイムベストを選んでみた。


twitter上で参加してみたりハッシュタグ入れてやってみた企画を一応まとめて記録。
他の参加者が複数いたものもあれば、いなかったものも。
ともあれ、こういうの、やってみると面白いですね。




第一部:祝・完結!


TONO『コーラル 手のひらの海』全5巻

※試し読み
http://bookstore.yahoo.co.jp/shoshi-173058/

コーラル  1-手のひらの海- (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

コーラル 1-手のひらの海- (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

※一巻についての自分の感想(読書メーター
http://bookmeter.com/cmt/1585005

※五巻及びシリーズ全体感想。
http://bookmeter.com/cmt/43734018


例えば「今年読んだ漫画から、どれか一作品(1シリーズ)だけ勧めるなら?」というのは難しい問いかけですが、今年は悩んだ末にこれを答えにします。


人がどのように「物語」を必要とし、語り、寄り添い、時に侵食され呑み込まれ、行きて帰るか。
「物語」の力、魅力、恐ろしさ……それらをこれほどにまで見事に描ききった作品は世に得難い宝と思えます。
ファンタジー漫画の傑作中の傑作です。


森山大輔ワールドエンブリオ』全13巻

13巻感想
http://bookmeter.com/cmt/41593117

「嘘」と繋がり。ネットワークと人の想い。
優れて現代的なテーマを魅力的なSF謎物語&アクションエンタメ巨編として提示。
「過去編」「解決編」という趣向になった締めくくりの四巻は正に圧巻でした。




福島聡星屑ニーナ』全4巻

驚きにつぐ驚きの展開と、その圧倒的スピード感。
そして、ヒロイン(たち)の生命力に満ち満ちた魅力。
ひたすらにひたすらに、勢いに押し流されて愉しみました。
この作品、大好きです。


ろびことなりの怪物くん』全13巻

素晴らしい傑作だったアニメ版を観て、原作にもまとめて手を出すことに。
いやあ、こちらも良かった。一発で惹き込まれ、すぐに過去作も全て揃えることになりました。
これを読むと、『彼氏彼女の事情』読み返したくなりますね?当然ですね? で、そうすると両方ますます面白く思えてきますね?……うん、もう、仕方ないですね。


それとページをめくっていると時々、流れ弾直撃!という感じで痛かったなあ、と。
例えば6巻のこの台詞ですとか。

「吉田も水谷さんもなんつーかコミュニケーションが一方的なんだよなー しかも引かないし なんであれでやっていけてんのか不思議だよ」
(6巻p18)

「ああ、そうか、自分のソレって少女漫画で描かれるコミュ力のかわいそうな少年少女レベルかー」と再確認させられるというか……。


やまむらはじめ『天にひびき』全10巻

結末はやや微妙というか、あるいはいろいろあって力尽きたのかな……?などと思えてしまうところもありつつ。
天才指揮者と、そのコンマスを志す青年を軸に、(クラシック)音楽をこうも逃げずに正面から地道に描こうとした志の高さと、長いキャリアに裏打ちされた確かな実力をもって堅実に積み上げられていったその成果にとにかく感謝し、讃えたい。
もしも『のだめカンタービレ』『坂道のアポロン』『四月は君の嘘』と連なるノイタミナ枠音楽アニメの系譜に連なる映像化でもされてくれれば嬉しいけど、コストかかり過ぎでムリだろうなとは思う。
それに地味だしね……でも、ホント、良い作品なんです。


大久保篤ソウルイーターノット!』全5巻

こちらも良作だったアニメ版から原作に手を出すことに(あと、こちらをスピンオフとしての本編『ソウルイーター』も読みました)。
で、最終巻。


なるほど、原作漫画版だとこういう処理になるのか、と。
設定上の力関係だと、そうなるべきですね。アニメ版の「スプリングバードアタック」も良かったけれど。
両方楽しめて、とてもお得です!!
そしてこの漫画は毎巻毎巻、表紙が本当に素晴らしかった。


及川徹/貴志祐介新世界より』全7巻

新世界より(7)<完> (講談社コミックス)

新世界より(7)<完> (講談社コミックス)

原作小説は第29回日本SF大賞の大傑作。
そしてこれ、コミカライズとしてホント、素晴らしくて。
原作に忠実を基本線に、その上で、原作は絶対に許さなかった……でも、読者としてはして欲しいと思ってしまうことへと踏み越えさせた(やはり独自要素も強かったアニメ版ともまた異なる)展開をしていきます。
なんというか、読者として「分かるなー、そうやりたくなるよね」と思わされます。
漫画版の魅力は(最初の頃に一部で言われてしまっていたような)百合エロのどぎつい強調の他にもいろいろとあったのです。


詳しくは6巻及び7巻(最終巻)感想を参照で。
なお、それぞれ、原作のネタバレ的なことにも触れています。ご注意ください。

漫画版6巻感想
http://bookmeter.com/cmt/38044722
漫画版7巻感想
http://bookmeter.com/cmt/41083300
原作小説感想
http://bookmeter.com/cmt/1156709


有永イネ『かみのすまうところ。』全3巻

かみのすまうところ。(3)<完> (KCデラックス BE LOVE)

かみのすまうところ。(3)<完> (KCデラックス BE LOVE)

主要登場人物は同じで時系列も順に繋がっているのですが。
巻毎に雰囲気をあまりにも見事にガラリと変えてくる、すっごい作品ですよ。
各話題名もはっきり巻によって異なるイメージで揃えてきています。


「漫画歴わずか2年」での衝撃の初短編集『さらば、やさしいゆうづる』収録作品よりも、どうしてか、視線誘導やコマ間の連動等にぎこちない感じを受けるのですが。
それがメインとなる兄弟のキャラクターにも合っていて、むしろ楽しく、味になってもいて。
岩明均『風子のいる店』のように、作者の技術や心情の揺れが作品の味になる、その時期にしか書けない作品ってあるのではなどとも思わされます。
そしてまず、この試し読み部分のほぼ最後にも出てくる「けやきんっ☆」がかわいい。
http://kc.kodansha.co.jp/product?isbn=9784063767254


もしこの作者をまだご存じなければぜひ、まずは『さらば、やさしいゆうづる』から読んでみて下さい。

さらば、やさしいゆうづる (KCx)

さらば、やさしいゆうづる (KCx)

まずは試し読みだけでも。
http://kc.kodansha.co.jp/product?isbn=9784063805697


高木ユーナ『不死身ラヴァーズ』全3巻

不死身ラヴァーズ(3)<完> (講談社コミックス)

不死身ラヴァーズ(3)<完> (講談社コミックス)

2014年度「この打ち切りが残念」大賞です(今、勝手に決めました)。
作品紹介及びその最大の特徴である、ずっとフルスロットルの異常なテンションについてもこちら(後者は試し読みで)からどうぞ。
http://kc.kodansha.co.jp/product?isbn=9784063949261


「もっと続いていてくれていれば!」という嘆きに関してはネタバレにもなるので、既に読んでいる方、あるいはこれからの方は読んだ後で、下記リンク先のやりとりでも見て頂ければと。
https://twitter.com/sagara1/status/490851826602762240

https://twitter.com/joy_j_j/status/491206177867325440

https://twitter.com/joy_j_j/status/491206927263621120



田中相『千年万年りんごの子』全3巻

千年万年りんごの子(1) (KCx)

千年万年りんごの子(1) (KCx)

千年万年りんごの子(2) (KCx)

千年万年りんごの子(2) (KCx)

千年万年りんごの子(3)<完> (KCx)

千年万年りんごの子(3)<完> (KCx)

完結したその時「ああ……」と慨嘆する他なかった作品。
この表紙の変遷が作品を現したりもしているのです。
そりゃあもう、見事ですよ。


貞本義行新世紀エヴァンゲリオン』全14巻

完結!
エピローグ……おお。
多くは申しません。



第二部:一巻完結な皆さん。


近藤ようこ/津原泰水『五色の舟』

2014年集計のSFマガジン国内短篇、なんとオールタイムベストで1位に輝いた驚異の名作のコミカライズ。
単行本発売と共に、こちらのまとめにあるように基本、絶賛、絶賛、大絶賛の声が上がり。
そして、「原作に忠実なコミカライズ」という評も目立ちます。
しかし、例えば原作小説の描写に関する指摘として、

「そしてまた注目すべきは,睫毛が長いとか切れ長の目とか,すっきりと通った鼻筋だとか,容貌の美醜にかかわる描写が一切無いこと」
ブログ記事「2010-07-11 NOVA2「五色の舟」/the Second 出張所」より引用)

があるわけですが、漫画版では登場人物たちの容姿がしっかり画にされています。
元の記述上ではおよそ材料がなかったことが、はっきりきっぱり描かれている。
しかし、読者から揃って「原作に忠実」と疑いなく評される。とても面白いですね。
あまりに魅力的な画が印象を記憶ごと上書きしてしまっているからなのでしょう。


また、それほど長いわけではない短篇一本がこうして漫画単行本まるまる一冊となっている。これは、原作小説「五色の舟」がいかに圧縮に圧縮を重ね、(読者によって埋められるべき)余白を豊潤に抱えた作品であるかの証左でもあり、それをいかに見事に漫画版が埋めてみせたかを示すものでもあります。


五色の彩り、トラックの荷台上に「ふと濃くなった闇」の中から覗いていた「小さな水たまりのような一点」、「この土手からあの舟を見下ろすとき」の景色、くだんの背にまたがっての乗り換え……あえて描かないことで描くことも検討されそうなポイントをことごとくといっていいくらいにくっきり画にすることを選び、それが圧倒的な説得力を持つ凄み。
それと、暗がりに蝋燭で照らし出された催しであっても、あえて白い中に、陰鬱な陰を帯びさせずに描かれていて。
この現の幻は、たしかにそのようにして描かれると嬉しいものだな、と思わされます。


あまり一作について長くなりすぎるのもなんなので、原作小説及び漫画に関してのあれこれについて、あとはこちら↓をご参照ください、ということで。
https://twitter.com/sagara1/status/483420492762591234
「お父さん」のモデルとなった実在の人物などについても触れていたりします。


高野文子『ドミトリーともきんす』

ドミトリーともきんす

ドミトリーともきんす

高野文子先生の新刊です。
素晴らしいことです。
私からは以上です。


村山慶『きのこ人間の結婚』

きのこ人間の結婚

きのこ人間の結婚

セントールの悩み』の人の新作。
※1話試し読み
http://www.poco2.jp/comic/kinoko/
人型をしてるけど知的生命体はみな菌類(彼らは自らの姿に似せ彼らを作ったという今は亡き「神様」のそれを借りて「人間」と自称しています)の星の社会を、異なる部族間で結婚した一組のカップルを巡る騒動を狂言回しとしてざっと一巻で概観していく素敵なSF紀行漫画(……として割り切ってる感じがして、個々に結構魅力的なキャラクターの掘り下げはあまりされません)。
なお、主役カップルをはじめ、皆「女の子」っぽい容姿をしていますが、まあ、菌類なわけでして。
百合漫画とかジェンダーSFかというと、ちょっと違うのでは、と。
個人的に肌に合うか合わないかとか、面白さの肝的なところは2話(と各話の合間の設定のイラスト付き解説)にあるかと思えますので、無料web連載していたものでもあるし、せっかくだから2話まで無料公開にしておけばいいんじゃないかな、とはぼんやり思えたりもします。個人的にはとても好きな作品です。


なお、2話冒頭に強く示されるように、ジェンダーSFとしての面白さは設定に強く可能性として留保されてると思えますが、キャラクター同様、あえて一巻完結の中で掘り下げず、紀行漫画にしてると思えるのです。


続編を出して話を広げていけば、例えば傑作『WOMBS』や、それなりに話題作の『テンペスト』が優れて尖って、またある種刺々しくも扱ってる話題を柔らかに(一見)穏やかに扱うという意味で(?)面白いのかもしれませんが、個人的には今の形、とても好きだなー、とは思えます。


こちらに作者のロングインタビューも。

『きのこ人間の結婚』刊行記念 村山慶ロングインタビュー | ぽこぽこ
http://www.poco2.jp/special/interview/2014/12/kinoko/

最後のページで『トリフィド(時代)』と『フェッセンデンの宇宙』の名が挙げられるのは、あまりにも相応しすぎてなんだか愉しいと思わされました。


第三部:新しいのではこれが好き。
これからが楽しみな、応援したくなる作品たちの感想です。


岩岡ヒサエ孤食ロボット』1巻

「単身者の食事と健康をサポートするアンドロイド」(ただし、食品&レストランチェーン会社の回し者でもあり、売り上げノルマも)と一週間お試しレンタルのオーナーたちによる、「誰かと一緒に食べるものを考えたり、食事をする」ことの良さをのんびりほっこり描く傑作シリーズ開幕です。
岩岡ヒサエさんの作品はどれも素晴らしい(特に『ゆめの底』)ですが、これもよいものです。とても、よいものです。
全話素晴らしいのですが、冒頭第一話と第七話、デザインチームエース、仕事が出来て料理の出来ない女・高木さん三十歳の登場するエピソードが特に良いと思えます。


梅田阿比クジラの子らは砂上に歌う』2巻、3巻

素晴らしいSFでありミステリーでありそうな気配。
そして、少女(少年も)が画としても言動や内面の演出としても、これだけ時に可憐で時に凛々しく描けている漫画って、それだけでも十分過ぎるほど尊いと思えます。
サミ、ネリ、リコス、(少女ではないけど)タイシャ。みな、良すぎます。神懸っています。

他の方の紹介記事など詳しくはこちら


沙村広明『幻想ギネコグラシー』1巻

幻想ギネコクラシー 1

幻想ギネコクラシー 1

なんだ、この大傑作短編集は……と驚愕。
巻頭と巻末(「イヴァン・ゴーリエ」。これが一番いいのですが)二作を除き「時事ネタの禁止」「メタ表現の禁止」「パロディをやる場合元ネタは古典のみ」というルールを自ら課した([あとがき])とのことです。
作品単位では早すぎた埋葬&方言な「殺し屋リジィの追憶」、「惑星ソラリッサ」(下剤!)、「筒井筒」の妙な納得感が好みで。
それと「新世紀ゴッドスレイヤー」、話としては切れ味微妙でも、ああして服を着た姿の方がよりエロい!という真理が見事に描かれていて大変に良いものです。


中村ゆうひ『週刊少年ガール』1,2巻

週刊少年ガール(1) (講談社コミックス)

週刊少年ガール(1) (講談社コミックス)

週刊少年ガール(2) (講談社コミックス)

週刊少年ガール(2) (講談社コミックス)

「才気煥発」という言葉をそのまま漫画にしたかのような作品。
例によってまずは試し読みをどうぞ。
この作風でネタ切れせず、まるで質を落とすこともなく順調に連載が続いているというの、凄いというか、少しどころでなく怖いと思えるのですが、いったいなんなのでしょうね。


睦月のぞみ『白銀妃』1巻

この作品というか、この作家さんはですね……なんだかもう、よくわかんないです。
ストーリー展開とか背景設定がなんだか派手に脱臼しているというか、なんとも味のあるちゃらんぽらんさというか……どう褒めていいのか謎なのですが、見事なくらいワンアンドオンリーです。
ぜひ、この作品あたりを機会に、この不思議な作風に触れてみて下さい。

こちらのやりとりなどもご参考にどうぞ。
https://twitter.com/joy_j_j/status/523476915923849216


コトヤマ『だがしかし』1巻

シンプルにとにかく愉しくて大好きで、まずは無料公開の2話まで読んで頂いて、これが気に入ればずっとこんな感じなので、安心して買えばいいですよ、お勧め!以上!……ということなんですが。
この一巻単行本には一つ大きな不満が。
なぜ、ヒロインのこのビジュアルで、表紙画、脚を入れないのか?
なぜ、ベストを尽くさないのか?
あんまりだよ、こんなのってないよ。
こんなの絶対おかしいよ。


佐藤両々『はるまちダンス』1巻

わさんぼん』の佐藤両々さんの新作シリーズ。
女子高まったり日常モノなのですが、さくさく時間が進み、一巻目で一年経過。
この実に楽しい表紙が示唆しているとも思える構成がとても綺麗です。
共有された時間の流れの中で、各人が各人の踊りを踊っています。
その多彩さはそれだけでも面白いのですが、彼女たちは互いのパートナーとだけダンスをしてはいないから、時に違う組合わせで照明が当たるんですね。
一巻終盤に序盤はそれほど目立っていなかった栃木乙女&日野静玖というペアがこれだけ舞台に彩りを添えたことは、今後同様に積み重なっていく豊かさの予告だと思えます。
正直、一巻時点では数多い登場人物の誰が誰だかわかりづいらいところもあるのですが、それはいずれ巻が進み再読した時、楽しみの深さに繋がっていくのかな、と。


七尾ナナキ『Helck』1、2巻

Helck 1 (裏少年サンデーコミックス)

Helck 1 (裏少年サンデーコミックス)

「裏サンデー」で無料連載中

この最高にかわいいヒロインであるヴァミリオ様を崇め称え、無料連載をぜひとも追っていくべき(できれば単行本も買っていくべき)と勧めること。
それは読者に課せられた義務なのではないでしょうか。


大久保圭『アルテ』1、2巻

アルテ 1 (ゼノンコミックス)

アルテ 1 (ゼノンコミックス)

ちょっと長めの感想記事書きました。

大久保圭『アルテ(1)』〜「何を」より「どう描かれているか」の魅力を。
http://d.hatena.ne.jp/skipturnreset/20140519/
※二巻についてはこちら。
http://bookmeter.com/cmt/42944026


三浦建太郎ギガントマキア』1巻

なんというか、最高に面白かった頃の『ベルセルク』にも似た匂いがしますよね。
なんて素晴らしいんだろう。



第四部:あのシリーズ、この巻も良かったですね。


それぞれ今年出た巻について、割と長い感想記事を書きました。
いずれもそれはもう、素晴らしい作品です。


石黒正数それでも町は廻っている』13巻、紺双葉と彼女のカンパネルラ
http://d.hatena.ne.jp/skipturnreset/20141001
今井哲也アリスと蔵六』4巻感想「アレ?おまえら逆になってるぞ」
http://d.hatena.ne.jp/skipturnreset/20141016
久世番子『パレス・メイヂ』二巻冒頭収録「其の五」御歌会始(おうたかいはじめ)の挿話の素晴らしさ
http://d.hatena.ne.jp/skipturnreset/20140513


第五部:名前だけ挙げますが、いつも素敵です。発売日に買ってます。


今年も面白かった、押しも押されぬ傑作群です。
漫画って、素晴らしいですね。


羽海野チカ3月のライオン
おがきちかLandreaall
冬目景イエスタデイをうたって
吉田秋生海街diary
岩明均ヒストリエ
宮原るりみそララ』『僕らはみんな河合荘』『恋愛ラボ
岩永亮太郎Pumpkin Scissorsパンプキンシザーズ)』
平野耕太ドリフターズ
水城せとな脳内ポイズンベリー』『失恋ショコラティエ
なるしまゆり少年魔法士
雨隠ギド甘々と稲妻
佐藤両々わさんぼん


※今年は新刊でなかったけど。
TONO『カルバニア物語』
船戸明里Under the Rose


第六部:2014年時点における、個人的な各種オールタイムベストを選んでみた。


また何年か経つなりすればいろいろ入れ替わったりしそうでもあり。
折角選んでみたのはブログ記事にでも残しておくのもいいかな、と。
twitter上でもいろいろ他の方の選出を見るのは面白いものでしたが、ブログ記事でも見れたりすると面白いだろうなと思います。