2006-02-09から1日間の記事一覧

山田風太郎『戦中派復興日記』〜面白すぎて、頭を抱える。

……これについても書くとなると、まだ終わらない『戦中派動乱日記』の感想と合わさって、いつになれば離れられるのかわからない。ただ、どうしてもそれはやっておきたい。 《今》という時に「分かったこと」や「うまく想像できたこと」を何とか残したいという…

谷地恵美子『明日の王様』読了をきっかけに、蜷川幸雄、野田秀樹、尾上菊之助、藤原竜也、Studio Lifeと演出家・倉田淳、井上ひさしなどについて少し。

野田秀樹〜動きの演出への感嘆と、演じられるテーマの底の浅さ まず、野田秀樹。国立劇場でのオペラ『マクベス』、歌舞伎座での『野田版・研辰の討たれ』を観て、《なんて動きの演出の上手さだろう!(特に後者)》という感想と、それ以上に強く、《世界を一…

谷地恵美子『明日の王様』〜「でも このサルは 脚本を書くサルです」

「はじめは、話題のサルでもいいです。 でも このサルは 脚本を書くサルです。」 数日前、なんとは無しに買った一巻が面白かったので、残りを買った。 今日、それが届き、続きを読むうち、次第に引き込まれた。そして------四巻の半ばのこの台詞で、完全に参…

『シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険』〜パロディを支えるもの

……幼い頃、ホームズに余り親しまなかった私には、この作品の面白さは本当に十分には感じることが出来ていないのに違いない。しかし、そんな不届き者にさえ、ホームズがバイオリンを弾く場面に込められたものは、芯まで打ち通すように響くように思わずにはい…

『シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険』、谷地恵美子『明日の王様

谷地恵美子『明日の王様』(2)〜(6)(完結)読了。少し後で感想詳細。 故J・H・ワトスン博士著/ニコラス・メイヤー編『シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険』(田中融二/訳についても一応感想をまとめる。 山田風太郎『戦中派復興日記』を半分ほど読み進…