2006-02-16から1日間の記事一覧
いろいろな評判からちょっと読む前から色眼鏡で見ていたのは申し訳なく思わされてしまった。 一言でいえば、まっとうに良く出来た作品。筋も描線も構図も台詞も、どれも高いレベルだと思う。 「ラプラスの魔」の設定と台詞なんて、個人的な趣味志向の上でも…
読むうちに、どうしてもSF漫画の金字塔『銀の三角』を思い出さずにはいられなかった。 ただ、説明をあえて排除し、詩情溢れる言葉と煌びやかな画で感覚と観念の一大迷宮を築いたのが『銀の三角』。 一方、『バルバラ異界』では、同様のテーマについて、多…
なお、上記の感想で「作者・編集者の」としたのは、『オモチャたちの午後』を読んで、上記の欠点を諫めないようであれば編集者としてどうかと思うし、実際、同じような指摘をしただろうと思うからだ。 この作品の掲載誌『ヤングユー』は2005年に休刊になって…
読む中で嫌でも気付かずにはいられないのは、主役二人の《仕事》が、具体的にはほぼ全く描かれないこと。 放送作家の台本が、主人公・友希が書くようになる芸能コラムがそれぞれどういったものか(特に前者)、読者にはろくに見えてこない。はっきりいえば、「…
小川一水『老ヴォールの惑星』、萩尾望都『バルバラ異界』(全四巻)、谷地恵美子『オモチャたちの午後』(文庫版全四巻)読了。 ついでに、たまに漫画喫茶などで読んでいたPEACH-PIT 『ローゼンメイデン』も6巻まで読了。以下、書くのに手間取りそうな『老ヴ…