大雪、一面の雪景色。北鎌倉〜鎌倉散策。

2001年以来となる首都圏の積雪。
朝起きると、辺り一面雪景色。庭を見ると、樹木の種類ごとに雪のかかり方が随分違うのが面白い。特に梅の枝にはよく雪が絡み、白い花が一面に咲いたようだ。


せっかくの珍しい天候なので、逗子から横須賀線で北鎌倉に行き、丁度学校帰り(土曜もあったのか?)の入り口をうじゃうじゃと塞ぐ中学生の大集団を掻き分け円覚寺へ。受付で「檀家です」と一声掛け、無料で入る。境内にはここぞとばかりにやって来た、三脚を運び高そうなカメラを持ったグループが幾組もいて、皆揃って実に嬉しそう。
国宝の洪鐘(おおがね)のある洪鐘堂、弁天堂へと登る。積雪が続き、アイスバーン状に固まってはいないので、意外に滑らず、それほど歩きにくくはない。洪鐘堂まで登りきり、ほっと一息---ついでに、少しばかり嫌な記憶を思い出す。
まだ高校生あたりの頃、「大晦日に鐘衝きが出来ますよ」と言われて家族で出掛けた時のこと。延々100人くらいは並んだ列の横を坊さんに先導されて進んだ挙句、疑惑と不審と苛立ちを漲らせた二十四どころではない瞳の凝視の中、煩悩退散の鐘を衝く破目になった。列に並んでいる皆々様も気に食わなかっただろうが、あれはこちらも実にいたたまれなかった。さすがに二度とやりたくない。坊さん達も一体どれくらいの修行を重ねて悟りを開くと、ああいう心躍るサービスを平気で提供してくれる域に達するのだろうか。
ともあれ、弁天堂へと歩みを進める。こんな日でも弁天堂茶屋は元気に営業中、10人くらいの団体さんが見晴台に座って歓談している。お汁粉を頂いてしばらく風景を楽しむ。大きく開いた眺望全てが白く染まった様子は絶景。
十分楽しんだ後、祖父母の墓参りへ。…しかし、墓の前まで来て、墓自体の大谷石で出来た数段の階段がとんでもなく滑り、あまりにも危ないので断念。階段の前でそっと手を合わせる。


その後にも「縁切り寺」こと東慶寺---山田風太郎の柳生忍法帳幕開けの舞台でもあり、小林秀雄の墓などもある---、境内裏にある展望台が北鎌倉で一番好きな場所である建長寺、なぜかおみくじを引くたびに凶や大凶が出る---その日もしっかり凶が出た---歌舞伎でおなじみ、鶴ヶ岡八幡宮と回ったが、特筆すべきことなし。
約三時間半、久々に北鎌倉〜鎌倉と歩き回って雪景色を堪能。そんな一日だった。