秋山瑞人『猫の地球儀』〜この作品、「大審問官」のかなり本格的で正攻法の翻案なのでは?

あと、秋山瑞人を引き合いに出したので、ついでなのでその傑作『猫の地球儀』について少し。
あの作品って、つまりは「大審問官」だろう? そして、《原罪》、《神の正義の大きさと人の子の思いの小ささ》といった、キリスト教世界に骨の髄まで染み込んでいた思想的背景を持たない日本、更に言えば《現代の日本》にある思想・哲学、更にその《時代の流行》に沿った形にそれを変容させたとすれば、それは「ホルストの「木星」になんちゃって自己啓発系の歌詞を付けて歌っちゃいました」などというやり口とは、およそレベルが懸け離れた、正にそういう形でなされるべき、正攻法のアプローチなのではないかとすら思う。

……もっとも、以上は『カラマーゾフの兄弟』と、それを巡る小林秀雄を始めとするご歴々の切実な試行錯誤をわずかにかじっただけの視点からの、単なる思い付きというレベルの解釈だ。なお、『猫の地球儀』と、ドストエフスキーカラマーゾフの兄弟』の両方共を読んだことがないと何を書いているのかさっぱりだと思うが、それは仕方が無いか……。




……脱線を重ねているうちに、「動乱日記」について書く余裕が無くなった。
その後にと考えていた『シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険』の感想も後回しだ。
それらも明日こそは、何とか書き終えられるといいな------。