谷地恵美子『サバス・カフェ』について&感想の流れから、樹なつみの諸作品について少し。


サバス・カフェ (1) (ソノラマコミック文庫)

昨日読んで、感想をまとめた『明日の王様』と同時に届いていた、谷地恵美子『サバス・カフェ』(朝日ソノラマ文庫版。全四巻)読了。少し、樹なつみ『パッション・パレード』を思い起こさせる。両方共、いい作品だと思う。
……『サバス・カフェ』はちょっと、主人公以外のエピソードの処理がそんなに綺麗もしくは親切ではなくて(=脇役の話がそれほどうまく着地していない)、『パッション・パレード』は動きの表現が紙芝居みたいにぎこちないなぁ、などと思ったりもしたけれど。

ともあれ、他の代表作だという『オモチャたちの午後』なども購入を決める。


ついでに、樹なつみを引き合いに出したので、少し簡単なメモ。


『朱鷺色三角』から続編の『パッション・パレード』になって、劇的に作品が良くなったと思う。『OZ』はもちろん面白かったけれど、でも、評判(とてもとても高い)ほど優れた作品かなぁ。『獣王星』『花咲ける青少年』は楽しく麗しくはあるけれど、なんだかなぁ。夏目房之介がいつか、確か後者の評で「この人、ひたすら斜めからの美しい主人公達のアップが書きたいだけなんじゃないか」というようなことを言っていた記憶があるが、それに尽きてしまうんじゃないだろうか。『暁の息子』は失敗作。
そういうわけで、この人のベストって、『マルチェロ物語』だろうと思う。