『クラッシュ』〜優等生的によく出来た映画。

人物の交錯を手際よく描き、冒頭とラストが綺麗に繋がる。そして、その物語全体のイメージがオープニングの象徴的な光の明滅に収斂していく構成の巧さ。バランスの取れた作品としての主張。良くも悪くも、実に《優等生的》な出来の良さを誇る映画だと思える。

それはまあ、一応アカデミー作品賞を獲っただけあり、非常に良く出来た映画ではあるけれど、あまりにも優等生的過ぎてそれほど興味を持てない。センセーショナルな話題を大胆に扱っているようにみえて、実は驚くほどまっとうな映画だと思う。


ただ、あえて最後に一言書くなら、こうして人物を群像として描き、彼らのいる場所を------この映画ならばロサンゼルス------特定し限定するならば、最後には彼らが属する《場》をこそ一つのキャラクターであるかのように描くというやり方が映画の定石の一つだと思うが、この映画でもその手法を採っても良かったのではないかと思う。