『巨星ジーグフェルド』〜ともかく、このスケールの馬鹿でかさを楽しまなくちゃ。


なんといっても、この映画最大のみどころは、「ジーグフェルド・フォリーズ」の再現部分になる。ウェディングケーキを象った巨大な舞台装置の回転に合わせ、幾十人も並んだ美女達の群れが次々に現れる。そして、階段状に並ぶ美女の列の終点、ケーキの頂上には腰掛け嫣然と微笑む、一際豪華な衣装をまとったたった一人の絶世の美女の姿が。そのあまりにも壮大で豪華な映像のためだけでも、この映画を観る価値は十分にある。
他にも、本人役で登場するファニー・ブライスの炸裂するような個性の輝きなどを見ていると、実に月並みな表現だが、180分近い映画がちっとも長く感じられない。


この映画も、『ALWAYS 三丁目の夕日』と同じように、《裏に隠された意味》だとか、《深く人生を考えさせずにはおかない、独特の視点や発想》というものとはおよそ無縁だが、そんなことを批判されても「で、それがどうした?」と鼻で笑ってしまえるだけの力を持っているのもまた同様だ。ちなみに、これは1936年のアカデミー作品賞受賞作品。