ボローニャ歌劇場『アンドレア・シェニエ』〜マリア・グレギーナってスゴイなぁ!!

1階5列目左ブロックでの観劇。
内閣総理大臣が来てた……1階中央通路に面した20列目センター。下手なブーイングが飛んでいたが、ツマラナイことをする人がいるなぁ。


ともあれ、そんなことはどうでもよくて、マリア・グレギーナという人、スゴイ!! オペラを聴く耳も知識もおよそ無いけれど、それでもなんだか格の違いが伝わって来ずにはいられなくらい、たまらなくいい!
事前に写真なんかで観た姿は、なんだか"気の良く度胸も据わった肝っ玉母さん"というイメージなのだけれど、そんなこの人が舞台の上ではなんだか可愛らしい。役に入って化けてるなぁ。
そして歌の表現の幅に驚愕。演じる役の変転に従って、無邪気な可憐さから悲壮な決意、愛の恍惚まで、なんて見事に歌い抜いたんだろう。例えば、第二幕の「あなたは愛を御存じない!(Non conoscete amor!)」の激情の圧倒的な素晴らしさ!!多少無理をしてでも、聴きにいって本当に良かった……。


一方、ホセ・クーラという人------良く知らないけどさ、聴いたの初めてなんだけどさ……いつでもこの程度の迫力だっていうわけでは無いんだろうな。上手いし、押し出しも立派だけど……でも、これじゃあ、ただそれだけなのでは。もしもいつでもこの程度なら、人気なんて出るわけがない。


また、演出と舞台美術も面白い。特に第四幕、(ネタバレのため白文字)傾いた鉄格子が《世界の底》に墜とされたというイメージを生み、それがラストにおいて天上への梯子となるのが圧巻。
指揮や演奏も、とても心地よかった。よくわからないなりに、オペラって楽しいものなんだなぁ……。