原発や日本の社会学についての(?)「なんだかなぁ」

ここ数ヶ月否応なく話題の原発について、(反原発の立場からの高木仁三郎の著作からの等からの流れで(⇒「高木仁三郎『市民科学者として生きる』感想」http://d.hatena.ne.jp/skipturnreset/20110416)、吉岡斉『原子力の社会史―その日本的展開』(1999)という本を読んでいます。

原子力の社会史―その日本的展開 (朝日選書)

原子力の社会史―その日本的展開 (朝日選書)

戦中の核開発研究から90年代後半まで60年近くに及ぶ日本の原子力開発のごく大雑把な通史とのことです。


具体的な内容については、ものぐさで申し訳ありませんが、ここらへんの紹介等を参照していただくとして。

○[読書]吉岡斉『原子力の社会史:その日本的展開』朝日選書、1999
http://d.hatena.ne.jp/kenjiito/20110509/p1
○吉岡 斉 (1999) 原子力の社会史
http://macroscope.world.coocan.jp/yukukawa/?p=948
○『この人に聞く 市民科学と高木基金』 >> 吉岡 斉さん(高木(仁三郎)基金事務局のインタビュー)
http://www.takagifund.org/interview/yoshioka/fr.html
○吉岡斉インタビュー「原子力制作と大学の社会史」(九州大学のインタビュー)
http://www.kyushu-u.ac.jp/magazine/kyudai-koho/No.14/14_13.html

ともあれ、著者曰く、この一冊の他に日本の原子力開発の歴史を概観出来る書はない、と。
それが本当なら(また2011年の今でももしそれがあてはまってしまうのなら)、そんな中での原発議論って恐ろしいというか随分お粗末な話ですよね。


他にも、最近社会保障や雇用問題関係でいろいろと熱を込めて語られる「世代論」。
その中で「団塊世代が云々という話が学生運動と絡めてよく語られる」わけですが、やはり通史としては(一読して、市民運動への期待に寄り過ぎているなど問題も多数含むと思える)小熊英二『1968』位しかないという話も聞きます。

1968〈上〉若者たちの叛乱とその背景

1968〈上〉若者たちの叛乱とその背景

1968〈下〉叛乱の終焉とその遺産

1968〈下〉叛乱の終焉とその遺産

・・・・・・よく知らないのですが、日本の社会学研究って一体どうなってしまっているのでしょうね。
いや、本当によく知りませんので、いい加減な疑問を持つことくらいしか現状、できないのですけども。


色々、不味すぎるんじゃないかな。
多分、ろくに調べていない自分が知らないだけで、原発についても団塊世代が深く関わった学生運動とその後の影響についても、しっかりした通史が複数存在するんだろうな。そうであって欲しいな。
不勉強かつものぐさで申し訳ないのだけれど、そういった書籍があるならば、教えてもらえると嬉しいと思う。