アイドルマスターシンデレラガールズ7話感想【後編】CP14人+Pの再出発としての7話

○未央、凛、卯月で三者三様のアイドル像から観る『アイドルマスターシンデレラガールズ話』6話感想
http://d.hatena.ne.jp/skipturnreset/20150220
○【前編】7話概説&本田未央特集
http://d.hatena.ne.jp/skipturnreset/20150304/
○【中編】島村卯月渋谷凛特集
http://d.hatena.ne.jp/skipturnreset/20150305/


前編で出した目次、

1:「7話って、どういう話だったの?」という全体的な流れ。
2:本田未央島村卯月にも決して劣らない尊さについて。
3:島村卯月もまた「人間」らしい「人間」だろう。
4:渋谷凛も未央と一緒に謝らなければならなかった理由/凛の1話と7話。
5:7話はNG以外の11人にとっても再出発(特に前川みく双葉杏多田李衣菜に注目)。
6:7話の挿話内での演出及び過去話との対比演出のまとめ。
7:その他もろもろ。

の5、6、7について書いていきます。


5:7話はNG以外の11人にとっても再出発


繰り返しになってしまってすみません。
例によって前編の「1:「7話って、どういう話だったの?」という全体的な流れ。」の中で既に大まかには触れている話ですが、改めて諸々補足を。


まず前編で触れた話を簡単にまとめると。

a:PとCP14人であくまで自分たちの問題として解決させてみせ、城ヶ崎美嘉に「部外者」として遠慮させた展開の見事さ。
b:CP内での役割分担が段々はっきりしてきている。
c:特に前川みく、年少組(赤城みりあ城ヶ崎莉嘉)、多田李衣菜がそれぞれ異なる意味で全体の「代弁」を果たしている描写が巧い。
d:7話では14人の中で最も謎めいている双葉杏の描写においても興味深いところがあった。

といった話になります。


城ヶ崎美嘉を「部外者」に留めた展開の見事さと意味

aの「PとCP14人であくまで自分たちの問題として解決させてみせ、城ヶ崎美嘉に「部外者」として遠慮させた展開の見事さ」についてもう少し書くと。
まず、PとCP14人の再出発ということを強調しているという話であり。
また、7話の「再出発」は3話で掛けられた魔法、夢が解けての、改めての第一歩であるわけですが。

無論、「魔法」は(主に)3話の大成功(とそれであまりにも「私達の心の中にあった光の海」の眩さに目を奪われてしまったこと。端的にいってしまえば(Pを始め多くのサポートあってのことなのでやや語弊があるんですが)ビギナーズラックの成果に対する陶酔)を指すわけで。
ここにおいて、その「魔法」をもたらした(良くも悪くも)立役者である城ヶ崎美嘉の介入の余地なく、数日間の激動を経て彼ら自身の手で問題を解決させたことは、大きな意味があり、それを強調する脚本・演出でもあっただろう、ということです。


みくにゃんは今回も大活躍


続いて、b,cについて。
特にMVPは今回もまた、前川みくであろうと、正直に言えばみくにゃん贔屓の自分としては思えるわけです。
前川みくについては第一話からその動向を特に注視してきてもいますし。

○アニメ版「アイドルマスターシンデレラガールズ」1-○(随時更新)話の前川みくについて
http://togetter.com/li/771731

いえ、贔屓せずとも、割合客観的に観てもそうではないかと考えてはいますが。
以下、ききょう(@haihole_kikyo)さんによる一連の感想と最後の結論の通りではないかと。






PとCP14人の打ち解けた触れ合いは2話との対比


見出しまんまの話ですが。

こういうことです。
この対比も、7話で描かれたのが「PとNG3人の再出発」に留まらず、「PとCP14人の再出発」であることを明確に示しているかと思います。


双葉杏の動向


そして、今回もう一人特に要注目だったのが、双葉杏ではないかとも。
杏は例の「Uzuki's activity report」であくまで卯月視点ですが、

「杏ちゃんは……奥が深いです!」

と語られもした、おそらく視聴者にとってもCP14人の中で過去描写から最も性格が掴み難い謎の存在です。


※ちなみに。NGの3人にせよ他の面々にせよ、原作ゲームとは諸々設定や性格描写に変更が加えられているのは明らかですので。
原作における双葉杏とは諸々趣きの異なるキャラクターである可能性は大いにあることは大前提です。


で、まずは再掲。



未デビュー組を代表する形で前川みくが「プロデューサーを、待っています」と重みをもって語ってみせ。
14人の中のイレギュラーであり続けている杏もプロデューサーにしっかり返事をしていることで「全員の」再出発であることが強調されている、という捉え方になります。


ついでに、過去話における、数少ない材料からの双葉杏に対する憶測を幾つか掲載しておこうかと思います。
まず、2話時点。



続いて、5話。




同じく、5話関連。



これ、なぜ、長々と引用したかというと、今後描かれていくだろう、双葉杏のキャラクター性に繋がる話かと思えているからです。
前川みくが競争心や嫉妬心、不安といった(年少組の素直な表明を除いては)他のメンバーが表に出さない側面や、(原作ゲーム設定からの流れで)割と奇人変人っぽさは否めない面々の中で、実は一番の「常識人」の役割を担っていたともいえるだろうところ。
双葉杏は根本的に素直でまっすぐな気性の持ち主が目立つCPの面々の中で、それでも大小はありつつも「人間」として描こうとするならそれぞれ持ってはいる"素直になれない斜に構えた部分"を代弁……かどうかは疑問ですが、代表はしているのかもしれないな、と。
そして「杏を除く8人は各々が実に素人っぽい揃って非現実的な自分のCDデビュー案を考えた」ことと「
「撮影を一回で決めて」とあるように、アイドルとして、何をどう見せるべきかを把握し実行することに長けている」こともセットとして捉え得て。あの外見で実は17歳ということもあり、世間や「アイドル」というものについて一番しっかりと冷静に捉えているし、いざとなればその要求に見事に応えてみせられる、他の皆に足りていないものを持っているキャラクターなのかな、と。
あえて一言で言うなら「醒めて」いて。ミーハーに「キラキラ」に憧れる姿勢の対極としての「印税生活」「週休八日を要求」という話なのでは、と。


でも、そんな「醒めた」双葉杏が、他の皆の思いを代弁もしつつの前川みくの必死をあの立てこもり事件で間近に目にし、抱え続けた不安が解消されての安堵と喜びの涙と姿も見届けていて。
7話では一見「醒めた」風情で在り続けていたPが常になくあからさまに苦悩懊悩し、基本的に明るく楽観的、和やかで前向きな13人も「なんだか大変なことになってる」渦中に身をおくことになり。
その上で、Pと皆の再生、殻を壊し、爽やかな面持ちと笑顔で新たな第一歩を宣言したPと皆の姿を目にすることになった。
双葉杏にとって、それらの経験は何を意味し、何を思わせ、感じさせたのか。
ずっと「醒めた」ままで居続けられるのか。そこから外に「踏み込んで」行くとしたら、どんなきっかけで、どのようにして成し遂げられるのか。
なんだかとても楽しみなようにも勝手に思えます。



6:7話の挿話内での演出及び過去話との対比演出のまとめ。


これ、実は最初に目次書いた際に想定したものは殆どここまでの流れの中で触れてしまっているんですが。
大きなものとして、いわゆる「上手下手」の話があるので、紹介してみます。
あと、7話と1話(及び他話数も含む?)「門とドア」への注目は多分面白いと思うので、関心がある方は是非分析してみてやって頂けると嬉しいです(他力本願)。





なお、関連する話として。


※上記発言で触れている過去のやりとりを引用。

※引用終わり。以下、最初の発言の「ようするに」の続きです。




その他もろもろ。


記事内容の多くをtweet引用で構成していることからも言うまでもありませんが、アイドルマスターシンデレラガールズの感想に関しても、随時、twitterで最新話放送中や直後から延々書いたりRTしたりしています。
また、その内容を下記togetterにまとめていたりもします。

アニメ版『アイドルマスターシンデレラガールズ』(デレマス)感想
http://togetter.com/li/768711?page=1

そちらを読んで頂くと、作品に関してより幅広く様々な話題を扱ったりもしていますので、宜しければみてやって下さい。


7話関連については、下記URLのリンク先(の一番下の方)から。
http://togetter.com/li/768711?page=32
「Special Program」関連については、下記URLのリンク先(やはり下の方)から。
http://togetter.com/li/768711?page=41
武内駿輔さんについての話題なんかも多数収録させて頂いています。


それぞれ、見てやってでも頂けると幸いです。


ちなみにこうしたまとめを制作・更新している意図や目的についてはいろいろあるものの(なお、金銭的な利益は全く発生してません)、基本的には「それが自分には楽しいから」ですが。
例えばこんな話も一応あったりはします。




あと、持論として。
なんにせよ「結論としてどういうことなの?」という話なんかより、それに至るまでの過程にこそ、一層の面白さが宿っているものかと思います。
解釈なり解説なり、あるいは先行きの予測なりが「正しい」(そもそも「正しい」とは何か、という大きな問題が有りますが)なんて、およそ大した問題ではないんです。
どんな視点で、何に注目し、どんなアプローチで、どのような姿勢で作品から面白さを汲み取っていくか。他の人と感想や意見を交換し、相互に影響を受けていくか。
そういう話こそ、本当に面白いものではないかと考えています。
そうした活動を記録してもいきたければ、その渦中で愉しんで行きたいとも強く思います。



以上、三部構成の大変長い記事となりましたが、これでひとまず終わりです。
最後まで読んで頂いた方、ありがとうございました。