話数単位で選ぶ、2020年TVアニメ10選

 

今年から「aninado」さんで集計されることになった企画、「話数単位で選ぶ、2020年TVアニメ10選」への参加記事です。
この企画には「新米小僧の見習日記」というサイトさんが取りまとめられていた間に過去、2014年2017年と二回参加させて頂いています。

 

「話数単位で選ぶ、2020年TVアニメ10選」ルール

・2020年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。

・1作品につき上限1話。

・順位は付けない。

 

  1. ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第11話「みんなの夢、私の夢」
  2. かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~』第9話「そして石上優は目を閉じた2)/かぐや様は触りたい/かぐや様は断らない」
  3. 『映像研には手を出すな!』第12話「芝浜UFO大戦!」
  4. 『呪術廻戦』第13話「また明日」
  5. Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』Episode 18「原初の星、見上げる空」
  6. 『体操ザムライ』第11話「体操ザムライ」
  7. 『アサルトリリィ BOUQUET』第5話「ヒスイカズラ
  8. ドロヘドロ』第7話「オールスター☆夢の球宴
  9. 『ID : INVADED』FILE:10「INSIDE-OUTED II」
  10. 『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』第二話「防御特化とお友達。」

 

1:『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第11話「みんなの夢、私の夢」

監督:河村智之

アニメーション制作:サンライズ

脚本: 平林佐和子

絵コンテ:伊礼えり

演出:伊礼えり

作画監督:市原圭子、伊礼えり、尾尻進矢、北島勇樹、木村文香、鐘文山、舘崎大、冨吉幸希、山内尚樹

総作画監督:横田拓己、冨岡寛、渡邊敬介

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劇的な話の展開と共に、終始大胆な構図やカメラワークが同じくらい、放送直後から話題になっていた11話。
まず上原歩夢さんが主役の回であり、終盤の高咲侑さんの部屋での諸々、例えばこの一幕は、

 

振り向きと画面の揺れと表情と叫ぶ声は激情を、揺れずまっすぐ受け止めるカメラワークと表情と落ち着いた確かな声が受け止めの見事さを描き出す。

画と動きの力がそのままキャラクターと心理と関係の描写の鮮烈さに繋がっている、まさしくドラマチックな映像でした。

 ここの(ピアノでなくキーボードですが)の顔を隠す手の場面も、各所で絶賛されていた一カット。全編に散りばめられた背景や小物(交通標識等)を駆使しての暗喩の数々なども細かく見ていくと面白いところ。

 

そして、初見から好きでたまらなかったのが、かすみんBOX登場から、それが変貌してしまった姿で持ち去られるまでの一連の場面。中でもここです。

 

(バトルや)ダンス、ライブ描写等でなく日常の会話場面でこうも気持ちよく立体的な空間の中で構図が繋がっていく様は珍しく、とても嬉しいもので。

そして「満を持して空回り」からの激しい落ち込み(やいら立ち)、抗議や甘え、気を取り直しての復活といったリアクションや周囲との掛け合いこそは「かわいい」の化身たる中須かすみのかわいさを最大限に引き出すものであり(そうなんです)、特に添付動画最後の侑さんの体の上で姿勢を直す場面の表情、支える手の動き、服の皺や姿勢が訴える確かな質感が素晴らしい。

ただ巧い映像というだけでなく、キャラクター描写としてもハマった名場面と思えます。

 

なお、余談ですが中須かすみさん、誰かに頭をなでられている姿が世界一似合う存在ではないかと。

 

ここで、絵コンテ・演出の伊礼えりさんはアニメ@wikiさんの情報を参照させて頂くと、おそらくTVアニメで初絵コンテ初演出、鮮烈なデビューであるとのこと。

もちろん、これまでも優れたアニメーターとして注目もされているようで例えばtwitterでも「Key Animation: Eri Irei」と検索するといろいろと良いものが見つかったりも。

原画の一人としてクレジットされている虹ヶ咲OPでも(少なくとも)璃奈さん、彼方さんのこのカットを担当されているとのこと(ご本人twitter発言より)。

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今後のますますの活躍に注目せずにはいられない方だと思います。

 

 

2:『かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~』第9話「そして石上優は目を閉じた2)/かぐや様は触りたい/かぐや様は断らない」
監督:畠山守
アニメーション制作:A-1 Pictures
脚本:中西やすひろ
絵コンテ:畠山守
演出:愛敬亮太
作画監督:川﨑玲奈、山崎浩
総作画監督:山口仁七、矢向宏志
ミコ妄想パート作画:中山直哉

 

俗にいう「原作に忠実」とは、(もし仮にそんなことが出来得るとして)「できるだけ何も変えずにそのまま媒体を移す」ことでなく、実は「印象を再現する」ことではないかといわれることがあります。
かぐや様~全編、中でも例えば2期9話を観るならば、その模範……というにはだいぶイレギュラーですが、ある意味で百点満点以上の解答の一つを目にすることが出来るのでは、と。

 

原作に無いTVドラマやらミュージックビデオやらTVゲームやらなにやらのオマージュを多分に含んだ映像演出を大胆かつ大量に注ぎ込み、台詞にもアドリブも含めた追加を織り交ぜていく。
しかし、原作の大筋に沿いつつ繰り出される独自のものとなって離れていくのでなく、キャラクターの心理や関係性、掛け合いの愉しさといった原作の魅力、その印象が再現されているのが感じられるかと。

魅力的過ぎる仕事を続けざまに繰り出している中山直哉さん作画のミコ妄想パート『スクールウォーズ』のパロディ、異様にぬるぬる動くマドンナ「VOGUE」パロディ映像、突然始まる格闘ゲーム……これだけ盛大にぶちこんで、立ち上がってくるのが「原作の印象をちゃんと再現した」愉しさであるのが不思議なところ。
また、各話(この2期9話も)の各部分の担当スタッフやその美点・特徴、起用の意図、推したい見所等々を菊池雄一郎プロデューサーがまとめ、公開してくれているのもありがたいところです。
※そのまとめでも触れられている通り、かぐや様2期は11話が明らかに非常に力の入った回であるわけですが、それでも個人的に9話が一推しです。

 

なお、一応念のため書いておくと「原作の印象の再現」が、もっといえば「原作に忠実」であることが原作ものの「(唯一の)正解」などであるわけがなく。


例えば『宝石の国』はあえて原作と異なる魅力を追究。繊細な原作絵を革新的なCGに、多くを語らず秘して読み手に察することを求める原作と激しく華やかな動きで雄弁に語っていくアニメ版、ストーリーもアニメ版はフォスフォフィライトがシンシャ、アンタークチサイトと接して成長、変貌していく様に明確にフォーカスしていくことで抜きんでた傑作となっていたわけで。

twitter.com


多様で豊かな面白さを、そしてそれぞれの作品ごとにその作品ならではの良さを楽しんでいくことって当たり前だけど大事ですね、と強く思えます。

 


3:『映像研には手を出すな!』第12話「芝浜UFO大戦!」
監督:湯浅政明
アニメーション制作:サイエンスSARU
脚本:木戸雄一郎
絵コンテ:伊東伸高
演出:井上圭介
作画監督小林直樹
総作画監督浅野直之

 

新作アニメ「芝浜UFO大戦」の発表を前に土壇場で迫られる、結末を含めた作品の大きな転換、変更。
そこでどういうところを変えたいと思い、変えようとしたかまでは説明を入れた上で、「どう変えたか」の核心は制作された作中アニメで描き、それを観た作中の視聴者たちの反応もやはり説明でなく画で示す。

 

全てを映像で語るこういった見せ方は普通、クールでカッコいい代わりに、少なからぬ受け手に「いや、これどういうことかわからないよ」という反応もさせてしまうもの。
しかし、この作品に限っては、この最終話までの間に作品を通じて視聴者に対し、作品の設定は映像へどう反映されるか。作り手の個人的な観察や経験、こだわりはどう映像の中の動きに活かされるか。劇伴や効果音はどのような意図でどのような効果が発揮され、用いられるか……そういった実践を伴う説明を積み重ねられ、それが読み解きとまでは言わないまでも受け止め方をレッスンしてくれている形になっていて。

 

たまらなくカッコいい上で、(やや語弊があるけど)独善的ではないというか、尖っているけど親切ですらあって間口を広く誘い込んだ上で自然にけっこう遠いところまで連れていってくれる。
そこに、この作品ならではの輝かしい美点(の一つ)があると思えます。

 


4:『呪術廻戦』第13話「また明日」
監督:朴性厚
アニメーション制作:MAPPA
脚本:瀬古浩司
絵コンテ:田中宏紀
演出:田中宏紀
作画監督田中宏紀、伊藤進也、北村晋哉
総作画監督西位輝実

 

画が、それはもう、すごいです。

この話数が配信されるとすぐ、アニメのすごい人(この10選で次に紹介する回の絵コンテ・演出の人)が「作品全体を牽引出来る程の作画の力」「今回の田中さんの仕事は絵の力で作品に1つの解を与えてる」云々と絶賛のtweetを出されていて。
きっと、まったくもっておっしゃる通りなのだろうなあ、と。

ちなみに13話が来るまではずっとこの10選には、同作品の1話をほぼ確定で入れるつもりだったのですが、


これはもう仕方ないですね。

 


5:『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』Episode 18「原初の星、見上げる空」
監督:赤井俊文
アニメーション制作:CloverWorks
脚本:桜井光
絵コンテ:温泉中也
演出:温泉中也
作画監督:Moaang、川上大志、温泉中也
アクション作画監督:温泉中也
総作画監督高瀬智章

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18話Bパートのこのカットの前後あたりから、キャラクターの目の力から顔つき、その輪郭からポーズから動きからなにからに生気がみなぎり。
殺意に満ちた奇襲は牛若丸という英雄・英霊の一側面を動きと行動で語り、藤丸立香は突然、迅速で優れた観察と判断に基づいて果敢に指示、決断、命令する見事な指揮官となって躍動、そうかと思えば牛若丸の散り際の静かな哀感も華麗で……この話数は他と"違う"というのがこれくらいわかりやすいのも、大いに愉しいかと思います。

 


6:『体操ザムライ』第11話「体操ザムライ」
監督:清水久敏
アニメーション制作:MAPPA
脚本:村越繁
絵コンテ:宇田鋼之介
演出:清水久敏、宇田鋼之介、大槻一恵、久保田雄大下司泰弘、吉村愛
作画監督吉田正幸、浅尾宏成、本多みゆき、藤田亜耶乃、斎藤美香、濱田悠示、青木里枝、戸沢東、柴田志朗、松岡秀明、山門郁夫、桑原幹根、村長由紀、崔ふみひで、岡崎洋美、本田敬一、冨永拓生、野崎真一、大津直、Studio BUS
総作画監督:本田敬一、崔ふみひで、佐々木貴宏

 

最終話、これまでの集大成としてサムライの超かっこいい体操、レオの美しいバレエの跳躍、そして自らの道を見出し歩み始めた小さな女優の凛々しさに溢れた名演が繰り出される。


丁寧で堅実な積み重ねの美しさを誇る、素敵な作品の素敵な最終回でした。

 


7:『アサルトリリィ BOUQUET』第5話「ヒスイカズラ
監督:佐伯昭志
アニメーション制作:シャフト
脚本:佐伯昭志
絵コンテ:長原圭太
演出:長原圭太
作画監督:高野晃久、佐藤隼也、秋葉徹
総作画監督:崎本さゆり、常盤健太郎

問題発生→葛藤→助言→決断→実行→助力→解消(→新たな展開)の各段階のステップが毎度ちゃんと踏まれつつ、各過程が異様に速やかに進む、だいぶ異形とは思えつつも爽快な愉しさに満ちた作品。
そんな中で5話は割と例外的にゆったりと、不器用で心を開いて人に接するのが苦手な少女が散々に悩み迷走を重ねつつ、大事な妹分に誕生日プレゼントを渡す様子を描く微笑ましい話数……であったものが、最後に一転して全てが不穏なものに転じる。
一粒で二度美味しい、そんな愉快な5話が好きです。

あとこの作品は毎回毎回、アバンの掴みの良さ(とEDへの入りの情感)が出色であり続けていて、観始めるのも観終えるのも毎週楽しみでたまりませんでした。

 


8:『ドロヘドロ』第7話「オールスター☆夢の球宴
監督:林祐一郎
アニメーション制作:MAPPA
脚本:瀬古浩司
絵コンテ:林祐一郎
演出:小松寛子
作画監督:小松寛子、吉田駒未、山崎杏理

無惨と爽快が同居するドロヘドロらしい、愉しく危険な野球回。
仮にも人を助ける医療者の団体同士(ホール中央病院VS魔法被害者病棟)の試合が、球場には火あぶりにされた魔法使いの死体が並び、塁間には底なし沼が口を覗かせ、魔法使いの死体を接ぎ合わせた動く死体が使役され、試合中に毒が盛られ、殺意を込めたビーンボールが唸りを上げる。
見所満載の回でした。

※上記tweet、話数間違ってしまってますが……

 

ふと気になって今回、各作品の制作会社も付記しているのですが、特に意識せず選んだ上でMAPPAが3作品、他は全てバラけるという結果に。
それに、もしあと一話選ぶならば、前半中盤の格闘アクションと軽快な展開が鮮やかだった『THE GOD OF HIGH SCHOOLゴッド・オブ・ハイスクール』より#08「close/friend」を入れて

 MAPPAだけで4作品になっていたところでした。

 

チェンソーマン』アニメ化にあたっての原作者コメント

ドロヘドロと呪術廻戦のパクりみたいなチェンソーマンをドロヘドロと呪術廻戦のアニメ制作会社がやってくれるんですか!? そりゃもう何も言う事ないじゃないですか どうかよろしくお願いします!!」

からも制作会社としての勢いが感じられ(?)、なんともすごいですね。

 


9:『ID : INVADED』FILE:10「INSIDE-OUTED II」
監督:あおきえい
アニメーション制作:NAZ
脚本:舞城王太郎
絵コンテ:あおきえい
演出:久保田雄大
作画監督:碇谷敦、浅利歩惟、豆塚あす香
総作画監督:碇谷敦

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「椋…今そこで君らと一緒にいられなくて本当に悔しいよ」

 

「俺が……どこかに行くのか?
 …………違うだろ……君らがどこかに行ってしまったんだ」

津田健次郎さん演じる鳴瓢秋人。2020年最高の泣きの演技だったかと思います。

 

10:『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』第二話「防御特化とお友達。」
監督:大沼心、湊未來
アニメーション制作:SILVER LINK.
脚本:志茂文彦
絵コンテ:細田直人
演出:丸山由太
作画監督:古谷梨絵、船越麻友美、寿夢龍
総作画監督:平田和也、山吉一幸

 

2020年。
1月からは『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』。
4月からは『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』。
7月からは『魔王学院の不適合者 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』。
3クールに渡り(9月からの『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』も、ではあるんですが)、軽快で派手に天然に蹂躙する、ノンストレスな展開と華やかなアクション(乙女ゲーム~はちょっと外れますが……)が魅力のエンターテイメントを毎週提供し続けてくれた、SILVER LINK.制作アニメの先陣を切ったこの作品。
そこで最初に大きな好印象を抱かされたのが、防振り第2話でした。

最大の見せ場は終盤の水中バトルでそれも大変良かったのですが、それ以上に惹かれたのは日常描写、特にサリー/白峯理沙さん関連。

 

 上に例示したような高い頻度で挟まれる細かな仕草の数々。のっぺりと棒立ちにはしない人物のポーズと構図、どの場面でも丁寧に書き込み続ける服の皺、そういった地味で小さな工夫の積み重ねでどれだけキャラクターの魅力を描けるかという縛りプレイのようだな、と。
振り返れば、ここで抱いた好感と信頼が、その後の防振りの話数は勿論、はめふら、魔王学院~と積極的に楽しみ続けていく上でずっと大いに効いてくれていたようにも思えます。


この第二話の絵コンテ:細田直人さんは今年には『禍つヴァールハイト 』監督・シリーズ構成もされていて。
そちらも二人の主人公が状況に呑まれ転がされ、そしてなんとか立ち上がり歩みだしていく様から目を離せず、最初から最後まで楽しんだ作品でした。

 

 

2020TVアニメOP/ED10選

※楽曲だけでなく映像込みで。

1:「廻廻奇譚」/『呪術廻戦』OP
2:「NEO SKY, NEO MAP!」/『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』ED
3:「虹色Passions!」/『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』OP
4:「Edel Lilie」/『アサルトリリィ BOUQUET』ED
5:「DADDY! DADDY! DO! feat. 鈴木愛理」/『かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~』OP
6:「私たちのSTARTRAIL」『ラピスリライツ(Lapis Re:LiGHTs)』OP
7:「Lost Princess」/『プリンセスコネクトRe;Dive』OP
8:「快眠!安眠!スヤリスト生活」/『魔王城でおやすみ』OP
9:「LOST IN PARADISE feat. AKLO」/『呪術廻戦』ED
10:「Contradiction feat. Tyler Carter」/『THE GOD OF HIGH SCHOOL ゴッド・オブ・ハイスクール』OP

 

雑感

 

2020年、アニメを観る上で一番の変化は視聴環境でした。

2019年の12月頃からOculus Goを使い始め、5月頃からはアニメはほぼ全てTV視聴から配信(それぞれ専用アプリが使えるAmazon Prime Video及びdアニメストアfor Prime Video、NetflixYoutubeに加え、ブラウザ(firefox)閲覧でAbemaTV等)をヘッドセット(10月からはOculus Quest2)で観るように変わりました。

あまりの快適さに慣れきってしまい、もうそれ以前には戻れそうにありません。

まず没入感がおよそ異なり、単純に愉しい。寝転びながら視聴できて、とても楽。

それによって、受ける印象や観方も大きく変わったと思えます。

 

 

 

 

ヘッドセットでの視聴に移行した結果、画や動きにも、そしてそれ以上に声の演技や劇伴の誘導する情緒に浸り、流される傾向が強まったように思います。

そして、それが概ねとても気持ちいい。

 

以前に比べアニメを観て、あの場面の演出がどうだとか、過去話のあの場面と繋がって云々とかそういったグダグダした話

togetter.com

を考える頻度も程度も激減した観もあるのですが、そこら辺もやりたければ改めてTVなりPCなりで観れば良いのであって、この愉しさには到底代え難いなと思えます。

ヘッドセット視聴、お勧めです。

 

 

2020年はこの10選で挙げた以外にも面白いアニメが多くありました。

幾つか挙げるなら、

 

宮本侑芽さんの声を得て異様な実在感?を押し出してくる野中晴さんの声をもっとずっと聴き続けていたかった『イエスタデイをうたって』。

・圧巻の構成の良さを見せてくれた『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』。

 ・魅力的な色彩を湛えた画面とキャルさんの魅力が目を惹いた『プリンセスコネクトRe;Dive』。

・華やかな1話の後は、なんというか、ああ、かわいくて和めるトンチキ作品かな……とのんびり眺めていたら、8話を境に「あれ?これ、実はけっこう筋立てもキャラクターも見せ方も、かなりしっかりした作品では……?」と印象が様変わりし驚きだった『ラピスリライツ(Lapis Re:LiGHTs)』。

 ・一人称視点で延々美少女との甘すぎる生活を見せ続けられる話をヘッドセットで視聴するのは危険だ、特に全話が美麗で雄弁な一人原画(谷拓也さん)で綴られる3rdシーズンは恐ろしいと教えてくれた『One Room』。

・どの話数でもきれいな画面、7話8話、そして11話とトンチキでコミカルさに大きく振った話数の愉しさが目を惹いた『魔女の旅々』。

 

 他にも『魔王学院の不適合者』『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』『波よ聞いてくれ』『安達としまむら』『恋する小惑星』『いわかける!』『NOBLESSE -ノブレス-』、極めて魅力的な幕開けだった『デカダンス』1話、等々、振り返ればそれぞれ、ああ、面白かったなーと。

来年も多くの素晴らしい作品との出会いを期待したいと思います。

 

 

最後にひとつ。

ああ、中須かすみはなんてかわいいんだろう。

※これ↑スクスタでは初期からつけてる髪飾りの設定回収ともなっている演出だったとのことで、すごくいいですね。

 

かすみんの「かわいい」がこの世界を救うことを願って。

よいお年を。