フロベール『ブヴァールとペキュシェ』『紋切型辞典』


後に《私》自身がそう語るが、この本を読んでいるということは、「砂糖合戦」の時点で少なくとも『ボヴァリー夫人』は読んでいて、そこで次を読む強い興味も持ったいたということ。
そうした少女が「ピノキオさん」を観ているわけだ。


なお、『ブヴァールとペキュシェ』の一部を構成するはずだったというのが『紋切型辞典』であるわけだが、北村薫の作品、文章はいわば、《反紋切型辞典》といった趣があると思う。