いま、すごく嬉しい。
だいぶ以前に入手してあえて未開封のままでいた『啄木かるた』。
これを「囚人がゐて」の札を見たくなって開封してみたのだけど。
箱を開けた途端、
「かの時に言ひそびれたる
大切の言葉は今も
胸にのこれど」
の札に出迎えられた。
北村薫『リセット』の結城修一と水原真澄の札。
一方、なによりの目当てだった
「人といふ人のこころに 一人づつ囚人がゐて うめくかなしさ」
その
「しうじんがゐて」
の札は四つに分かれた左上の一番下に在った。
北村薫作品の中で庄司(吉村)江美、津田真理子に次いで三番目に好きな人物、弥生原優子の札。
これはどこまでも勝手な思いだけど、二つの札が在るべき所に在ってくれたと思えた。
『啄木かるた』は皆、このような配置で札が収められているのかはわからない。
でも、今自分の手元にあるものがそういう配置で収められてくれていて良かった。
いま、すごく嬉しい。
なお水原真澄の札
ことばはいまも
は右上、5枚目にあった。