TRPG関連よもやま話と、今更になってようやく知った事実〜『サーラの冒険』、2005年7月に新刊が出てただって!?


……ところで、これはめいいっぱい北村薫とは縁遠い話だが、『紙魚家崩壊』収録の「サイコロ、コロコロ」で出てきた、「赤い十面のサイコロ」という言葉を見て、反射的にTRPGが思い浮かんでしまう人って、今、どれくらいいるんだろうか。いや、今も昔も、常に少数派の極みに近いだろうけど。
もう一つの------より重要なイメージソースになっている------ピーター・グリーナウェイのファンの方がまだしも多いのではないだろうか。ちなみに、そちらは、どうしてもあまり好きになれなかった映画監督ではあるが。十年くらい前に『プロスペローの本』とあと一本くらいを観たような記憶があるだけだが、今、もう一度観るならば、今度は面白く思えるんだろうか?まあ、いずれにせよ、『英国式庭園殺人事件』は近いうちに観ることにするけどね……。


……で、話をTRPGに戻すと、思い浮かぶのは例えば、『D&D』とか『ソードワールド』とか、『クリスタニア』(よりによって、すぐに連想したのがこれか……)とか。……思い出すなぁ、『クリスタニア』のあの糞みたいな無茶苦茶設定の数々を。何考えてたんだろうな、あれ。
あと、TRPGといえばリプレイ、リプレイといえばやはり、「バブリーズ・フォーエバー」ということでひとつ。言うまでもなく、エルフといえば、白くても黒いスイフリーで、グラスランナーといえば、はとこでズンバラリンなパラサだろう。常識だな、ある種の人たちの間での(某呪われた島の、日本におけるエルフ耳の輝かしき祖となったハイ・エルフや、盗賊吟遊詩人で水晶球抱えてダッシュの人も捨て難いが)。
あれを越えるリプレイというのは、今後も難しいだろうな。「スチャラカ冒険隊」なら、まだ何とか越えるものも出てこれるかもしれないけど。あれを仕切ったということだけでも、清松みゆきは偉大だ。あと、一方で、小説でもTRPGでもリプレイでも『クリスタニア』のあの惨状、そして、それ以降の水野良グループSNEは-------って、何の話を書いてるんだ、一体……。

……って、懐かしくなってちょっと調べたら、去年の七月に山本弘サーラの冒険』の新刊が出てる!?ホントかよ。知らなかったよ。買うよ。読むよ。しかし、十年振りの続編っていうのは一体なんなんだ。

ああ、あと、水野良『新ロードス島戦記』もなんだか話が進んで来てるのか。へえ。ほう。ふーん。まあ、暇があったら立ち読みしとこう。栗本薫グイン・サーガ』の新刊の何倍か程度には、興味がないこともないから。
ただ、読むとしたらおそらくは、箱庭シュミレーションものとして、小川一水導きの星』等と比べてしまわざるをえないだろう。そして、そうなってしまえば、少しばかり以上に見劣りすることは否めないだろう。


なお、念のために書くと、『ロードス島戦記』は------中でも三・四巻の『火竜山の魔竜』は-----今も変わらず、名作だと思える。キャラクターだけでなく、作者も《作者》という役割をよく演じ、成長していった過程が誰の眼にも明らかだったシリーズだった。そして、その終わり近くに登場し、『新ロードス島戦記』の主人公となったスパークというキャラクターの役回りやその意義だって、それなりに分かる。なんせ、当にそのことについて書いた文章というのが、八年程前にゴチャゴチャと書き殴った諸々の雑文の中では、多分、最もマシなものの一つだったから。
……ああ、昔の話だなぁ、本当に。