読書メーター五月分まとめ

5月の読書メーター
読んだ本の数:42冊
読んだページ数:8768ページ

ユダヤ警官同盟〈上〉 (新潮文庫)ユダヤ警官同盟〈上〉 (新潮文庫)
読了日:05月05日 著者:マイケル シェイボン
蓬莱学園の犯罪!〈上〉 (富士見ファンタジア文庫)蓬莱学園の犯罪!〈上〉 (富士見ファンタジア文庫)
読了日:05月05日 著者:新城 十馬
蓬莱学園の犯罪!〈下〉 (富士見ファンタジア文庫)蓬莱学園の犯罪!〈下〉 (富士見ファンタジア文庫)
Gumble Rumbleな学園経済紛争で、通貨自体が富くじで付加価値で文字通りにカジノ経済で、ハイパーインフレ既得権益層に嫌がらせ。なんだか無茶苦茶だけど、ホントにそんな感じ。いろいろと破格なライトノベル。挿絵が中村博文ということで、画が出てくると反射的にソードワールドRPGリプレイの"バブリーズ"が思い起こされるのも楽しい。米澤穂信を作った「100冊の物語」」関連その11。
読了日:05月05日 著者:新城 十馬
花の下にて春死なむ (講談社文庫)花の下にて春死なむ (講談社文庫)
読了日:05月05日 著者:北森 鴻
ユダヤ警官同盟〈下〉 (新潮文庫)ユダヤ警官同盟〈下〉 (新潮文庫)
読了日:05月05日 著者:マイケル シェイボン
送り雛は瑠璃色の送り雛は瑠璃色の
「------以上。では、しばしさようなら。レイカをよろしく見守っていてほしい。心から頼むよ ------君の友人、カズより」(二○二)。/純和風、民俗学ゲームブックゲームブックの記念碑的傑作と言われているらしく、やってみるとそれも納得)。謎の多くは和歌で示され、しっかり読み解けないと、三分岐する結末でとても悲しいことに。ただ、その大団円でない結末の中での幽神(カスミ/カズ)の、あるいは幽神として語るものの言葉(「後日談 その2」)は哀しくも魅力的で、忘れ難い。
エピローグ(二七〇)で多分初めて出てくる「ちょっと昔にダムで瞬が溺れそうになったさいに持ち帰った和人形と赤い草履」というのは、調べてみると、この再刊でカットされたという短篇「顔のない村」で語られるエピソードっぽい?それだとカズの問い掛けの一つに答えようがないのでは。それはひどいんじゃないかな。
なお、「それはひどい」といえば、気撃を指示されれば(一六九)「この場は見送る」。「菖蒲はどこでござろうの」と訊かれれば(一七四)、「気味が悪いので教えてやらない」。こうした初代ドラクエはローラ姫な選択肢は当然、良き伝統への敬意としても用意されるべきもの、踏まれて楽しまれるべきものだよね、と。
<なぜ「きっかり、五日と七時間九分後」なんだろう?>等々、読み返してみてもいろいろと分からないことも多いけれど、子供の頃に楽しんだ『ドルアーガの塔』三部作と同じくらい、記憶に残る作品だと思う。米澤穂信を作った「100冊の物語」」関連その12。
追記で適当なメモ1。二七〇で初登場かと思ったら、七十四の履物を探している人形がアレか。/二十四「"イーグレット"って何?」(中略)「Egret」よ」このegret=白鷺。で、飛鳥の形にして大白鷺を成すとなるとヤマトタケルで、"最も因縁深い"のが牛頭天王ということと、剣を通じてスサノオに連なって八岐大蛇退治=治水なんて関係なのかといい加減に思ってみたら、一六九では「それは七尋白智鳥」とのこと。死したヤマトタケルが変化したのは「八尋白智鳥」なので、一つ足りない?
メモ2。「後日談その2」関連。/「"ササキ"って"ススキ"という音に似てるね」南蛮煙管はしばしばススキに寄生して生きる。/「あるいは孤独そのものかもしれないな。いい迷惑だね」創る方はそれで良くても、創られた側は、と。/「あなたたちを助けた因縁」"わたしたち"ではなく。/「今、僕は嬉しいような、哀しいような変な気持ちなんだ」これも勿論凄いけれど、その前の「ちょっとだけ複雑な表情で笑いかけた」の「ちょっとだけ」も凄い。
読了日:05月06日 著者:思緒 雄二
食前絶後!! (富士見ファンタジア文庫)食前絶後!! (富士見ファンタジア文庫)
実験的かつ挑発的な姿勢の目立つ異色作。話の軸となるのは、料理の"味"でとんでもない効果を生みだす調味魔術というもの。まず、その"味"の描写について「ラヴクラフトならば『ああ、それは名状しがたき味をもって(中略)と表現したかもしれない。だが俺はラヴクラフトではなく北浜雄一なのだ。表現してみせよう」と大見栄をきった上で、数々の比喩表現を繰り出してくる。なお、題名は「くうぜんぜつご」と読むそうな。
その描写は「『さっぱりとしたアスファルト』もしくは『天津甘栗を作る機械の中で、栗と一緒にぐるぐる回っている石を柔らかくした物』」あるいは、「発狂して自分がチーズだと思い込んでいる煎茶味」。これがそぼろの味、といった具合。他には、料理の効果で共に高速化された思考と行動描写の実験文体だとか、身近な一人の犠牲と巨大な害悪を天秤に掛けられて云々という類型的場面&選択への露骨な挑戦だとか、まぁ、いろいろと。
全文是実験or挑戦/挑発というやり口は正直やり過ぎ感が否めないけれど、とにかく勢いがあって楽しい。特に、味覚の調味魔術に対して聴覚魔術"言語"を操る流浪の天才落語家・左方天詳の設定なんて大好きだ。さらに言えば、主人公たちが一瞬妄想する、上方落語の大御所(というかどう読んでも桂米朝)の怒りの指令の下に暗躍する闇の落語家軍団と「耳元で延々と、幻の落語『地獄八景・亡者の戯れ』を演じて発狂させるんや」というその必殺な仕事ぶりはもっと好きだ。
関係ないけれど、四年前に某大名跡を襲名した某落語家が襲名前に演じた「地獄八景・亡者の戯れ」の映像を観たことがあって。あのトンデモ八景を延々強制的に三周くらい聞かされたら、確かに苛立ちのあまり発狂くらいしてもおかしくないかとは思う。そうか、ヤツは闇の落語家だったのか。米澤穂信を作った「100冊の物語」」関連その13。
読了日:05月06日 著者:ろくご まるに
スコーレNo.4スコーレNo.4
捉えるということと完全に囚われてもしまうこととは、一体であるべきではないか。理屈も是非も正邪も超えて<自分のもの>であるという確信と自信、執着。それら無くして本当に価値のある何ができるだろう。何が言えるだろう。そんな、何ものにも捉え囚われきることのできない、中途半端な自由を忌む思いと向き合い続け、疑い続ける物語。その姿勢が確かだからこそ、主人公が自分は確かに「ひとつの扉」を見出し、持っているのだと認めることにも共感が出来る。
読了日:05月06日 著者:宮下 奈都
孔雀狂想曲 (集英社文庫)孔雀狂想曲 (集英社文庫)
読了日:05月08日 著者:北森 鴻
パイド・パイパー - 自由への越境 (創元推理文庫)パイド・パイパー - 自由への越境 (創元推理文庫)
英国人の作者がこの作品を1942年に書けてしまうバランス感覚と矜持に感嘆。国同士が存続を賭けて戦う大戦の中、各々が「こんな時、人は自分の国にいなくてはいけません」と責務を果たさんとしつつ、争いそのものの悲惨さを痛感し、それらと関わりない幼い子供たちをその災いから遠ざけたいという思い。その責務と子供たちへの思いにおいて、英国民の老人や、瓦解した国際連盟の職員や、ドゴール派のフランス人漁師とも重なるものを、ゲシュタポの少佐にも認める眼。これが大人、これが紳士か。凄い。
そのバランス感覚は、子どもたちの描写にも(あるいはそこにこそ最も素晴らしく)反映されていて。大人たちの理想や悔恨や希望の、都合のいい投影ではない子どもたち。例えば、ドイツ兵に戦車に乗せてもらったり、イギリス軍へ空爆に向かいに飛び立つドイツ軍機を観て、それらが何を意味しているかわからずにはしゃぐロニー少年。何度念入りに言われても、興奮するとつい英語を口にしてしまう彼と妹のシーラ。
しかし、作者はそんな彼ら同士だからこそ、国境や言葉や上流下流といった壁などに全くこだわらず自然に打ち解けていけるのだとも描く。そして、それら全てをひっくるめて渇望していた責務として受け入れ、愛すべきものとして見守り、老紳士はこう答えるわけで。「「「子供ふたりは、ジュネーヴの両親がディジョンまで迎えにくるようにすれば、とっくにイギリスへお帰りになれたでしょうに」ハワードは微かに頬をほころばせた。「でしょうね」」(p185)
他にも気持ちのいい台詞が実に多い作品。例えばこれ。「ニコルは昂然と顔を上げて、低く言った。「何と言おうとそちらの勝手です。夕焼けを下品に言うことはできます。でも、夕焼けの美しさは変りません」(p295) しかし、更に気障でかっこいい台詞といえば、プロローグでのこのやりとりだと思うわけで。「「帰りは何かと大変だったでしょう」「いや、それほどでもありません」」(p15)
実にもう、呆れるほど見事に英国紳士だなぁ、と思わされる作品。当然、独特のユーモアもたっぷり。そして手に汗握りつつ次のページへ、その次へと読み進めずにはいられない、冒険小説としての愉しさに満ちた小説でもある。大傑作との評を聞くことが多く、つい先日新訳版が出た『渚にて』も読んでみようと思う。米澤穂信を作った「100冊の物語」」関連その14。
読了日:05月09日 著者:ネビル・シュート

※2014年になって『パイド・パイパー』に再言及する機会(2014/4/10)があったので、twitterでの感想を転載(2014/5/9)。


東京創元社創立60周年フェア、社員イチオシ枠に『パイド・パイパー』見つけて「いいなあ!」と思った。
思ったんだけど、紹介文にある「過酷な道程を出会った人々の善意のみを頼り進む」に疑問。例えば老英国人ハワードとゲシュタポのディーセン少佐との取引は「善意」なんだろうか。
そこも、互いの善き意思を認め合ってのものでは確かにあるだろうけど。あの作品で描かれている眼差しの凄みを善意「だけ」で片付けて欲しくないなあ、とは思ってしまう。


『パイド・パイパー』の描写は大人たちの愛国心と、国同士の争いの悲惨から幼い子どもたちは遠ざけようという思いの双方について、引退した元弁護士の老英国人にも瓦解した国際連盟の職員にも、ドゴール派のフランス人漁師にも、そしてゲシュタポの少佐にも軽重の無い共通のものとして認めている。
あのトンデモ兵器パンシャンドラムの命名者、自身もどっぷり戦争に浸かってた英国人作者ネヴィル・シュートがが1942年刊行の1940年を舞台にした小説で、ゲシュタポ少佐をもそう描いてみせている。


バトル・オブ・ブリテンは1940年。
チャーチルが「もしヒトラーが地獄に侵攻することになれば、私は下院において悪魔に多少なりとも好意的な発言をするようになるだろう」と演説したのは1941年。
その中での42年『パイド・パイパー』刊行、作中の1940年。


その状況下で"我々も彼らも、各々の事情と責務を抱え、それを果たし、子どもを思う同じ人間なのだ"と明確に書いてみせたのは、単に人の善意の賛歌なんてものじゃない、もっとものすごいものだと思う。


『パイド・パイパー』は子どもの描写も素晴らしくて。
逃避行の最中、ドイツ軍戦車に駆け寄って(占領地慰撫の一環で)車内に入れてもらい、いろいろ装備を解説してもらって大喜びのイギリス人少年。老英国人は頭を抱えつつも、責めず怒らず、優しくフォローする。
一方、叔父のゲシュタポ少佐にいい含められアメリカへの亡命に送り出されるドイツ人少女は「もう、ハイル・ヒトラーを言わなくていいのが嬉しいそうだが、そのわけは、総統が口髭をたくわえているからだという」(創元推理文庫版p322)。
「子供は総統を理解していない。しょせんは大人の世界だからな」「子供のいうことは、どうも、よくわからない」とこぼすディーセン少佐に真顔でうなずき、「子供は、時として奇想天外ですからね」と返すハワード。
互いに英国人とドイツ人でありながらも、大人と大人、人間と人間の会話が交わされている


『パイド・パイパー』は極めて印象的な名作だけに優れた感想もネット上に幾つも上がっていて、例えばこちら http://homepage2.nifty.com/Tetsutaro/Writr/S/S008.html の脱出行の地図や、こちら http://blog.goo.ne.jp/charotm/e/02eb74a95a1f8eea18bc80c146831fd の時系列まとめを見ながら作品を振り返ってみるととても楽しい。


なお、これだけイギリス紳士の良き面を作品をもって描いて見せた(大戦に兵器開発者、企業家としても深く関わった)ネヴィル・シュートは戦争終結後、オーストラリアに移住していて。
1960年、メルボルンで死去するまでそこに留まっているのもすこし、興味深いところ。
よく知られた話として、イギリスは紳士の国であると共に、第一次世界大戦の中東における悪名高い三枚舌外交や、「分割して統治せよ」という植民地支配における数々の離間工作など、暗部もまた世界史上屈指の国なのでもあって。
あるいは、そこら辺について、いろいろと耐え難いところがあったのかもしれないし、まったく別の個人的ななにかの理由があったのかもしれない。
そのあたりの経緯についても調べてみると、面白いのかもしれないと思う。


やんごとなき読者やんごとなき読者
エリザベス二世、読書にはまる。「彼女自身が綺羅星のごとき世界的名士のひとりであるのに、なぜいまになって本に------結局のところ、世界の反映、もしくは世界についての説明にすぎないものに------興味をそそられたのだろう? 本などに? 本物を見てきたのに」(p39)。本を読むことと、行動し、関わること。"行動派"を自認する女王が進めていく思索がたまらなく面白い。反転されたアンガージュマン
存在自体が社会に対して義務として組み込まれている女王=やんごとなき読者は、次々に本に読み耽った後、そもそもの最初に手に取り、"退屈で読み進めにくい"と思った彼女にとってデイム・アイヴィだった作者の本を再び読み、「アイヴィ・コンプトン=バーネットの声、感傷とはほど遠く、厳しくも思慮深い声」(p128)が「生真面目な口調は女王自身に似ていて安心できた」(p128)という調子で響くのを聞く。そして、声に出して言う。「私には声がない」。
そして、女王は思う。「私が死んだら人々の記憶の中にしか残らない。だれにも服従たことのないこの私が、他のすべての人と同じになる。本を読んでもそれを変えることはできないが------書くことで変えることならできるかもしれない」(p129)。この「他のすべての人と同じ」という発想こそは、本に耽溺することで女王に開けた多くの者のなかの最大のもの。しかし、誇り高きエリザベス二世はそこで止まらない。
女王は続けて思う。「読書は行動ではない、それがずっと問題だった。年老いたとはいえ、彼女は今でも行動派だった」そして、書く。「女王はふたたび明かりをつけ、ノートを取って書きとめた。「自分の人生を本にするのではない、本を書くなかで人生を見つけるのだ」(p129)。そんな女王が威厳とユーモアたっぷりに下す、鮮やかな決断が爽快。
読了日:05月09日 著者:アラン・ベネット
雨月荘殺人事件―公判調書ファイル・ミステリー (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)雨月荘殺人事件―公判調書ファイル・ミステリー (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)
400ページを超える、形式を忠実に再現した架空の"公判調書"部分と、それを裁判事例として一般に解説する"市民セミナー"のやりとりを描いた100ページほどで構成される、他に例を見ないユニークな"型"で描かれたミステリ。感想としては「いやあ、もう、凄いなあ」としか。米澤穂信を作った「100冊の物語」」関連その15。
読了日:05月10日 著者:和久 峻三
見えない都市 (河出文庫)見えない都市 (河出文庫)
「生あるものの地獄とは未来における何ごとかではございません。もしも地獄が一つでも存在するものでございますなら、それはそでに今ここに存在しているもの、われわれが毎日そこに住んでおり、またわれわれがともにいることによって形づくっているこの地獄でございます」(p215)。米澤穂信を作った「100冊の物語」」関連その16。
読了日:05月11日 著者:イタロ カルヴィーノ
ユダヤ警官同盟〈下〉 (新潮文庫)ユダヤ警官同盟〈下〉 (新潮文庫)
救済と境界を巡る物語。中年のダメ男の鬱屈と、その元妻のきっぷの良さ、そして全編に満ちた比喩表現の華麗さが楽しい小説。ただ、「救済」という概念に切実な執着なり刷り込みを持たない立場からは、物語に入り込めない印象が強い。<最終的には自分達が救済される、そのたった一つの終着に向かう旅路もしくは物語>として(自分の人生もそのあまりにも微小な一部として当然に含めた)世界を捉え、それを前提に歴史を重ね、累々たる犠牲の山を積み上げて来た人々だからこその物語、と言い切ってしまうのも問題なのかもしれないけれど。
色々書いてみたところ相当長くなってしまったので、詳細はMixi日記で。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1164486787&owner_id=211281
読了日:05月12日 著者:マイケル シェイボン
人魚變生―耽美派イマージュ浪漫珠玉集 (マイ・コミックス)人魚變生―耽美派イマージュ浪漫珠玉集 (マイ・コミックス)
米澤穂信を作った「100冊の物語」」関連その17。墨。手描き文字。
読了日:05月12日 著者:山田 章博
夜歩く (角川文庫―金田一耕助ファイル)夜歩く (角川文庫―金田一耕助ファイル)
夢遊病、佝僂(こびと)、首なし死体。妖しく凄惨な事件は、古くからの地縁因縁と、戦後の混乱に満ちた世相の変化と、"主に復員兵(この作品では描かれないけれど金田一も復員兵)が抱える傷&帰ってきた彼らが直面する悲惨"に仮託して描かれる癒えぬ戦争の惨禍とが複雑に交差する中で起きる。とことん娯楽的でありながら、こうして横溝作品は、確かにその時代の一つの貌を描く。
「古風な江戸時代の建築法と、西洋の近代建築法のたくみな結合」(p39-40)の小金井の古神家、「古風な純和式の顔立ち」を「巧みな化粧によって、近代的な感覚にもりあげて」(p48)いる八千代の在り方は、正にその時代の捉え方、描き方の象徴と言えるだろうと思う。
メインの仕掛けとしては、あまりにも有名なあの"型"のバリエーションということで、「ああ、やっぱり」というやや残念な感じと「こうして物語に組み込むのか」と面白さが半々、といった具合。そして、言うまでもなく、なによりとことんエンターテイメント(特に喚起される視覚的イメージ)として楽しませてくれる小説でもある。米澤穂信を作った「100冊の物語」」関連その18。
読了日:05月13日 著者:横溝 正史
ペドロ・パラモ (岩波文庫)ペドロ・パラモ (岩波文庫)
米澤穂信を作った「100冊の物語」」関連その19。
読了日:05月15日 著者:フアン ルルフォ
魔法先生ネギま! 26 (少年マガジンコミックス)魔法先生ネギま! 26 (少年マガジンコミックス)
読了日:05月16日 著者:
惑星のさみだれ 7 (ヤングキングコミックス)惑星のさみだれ 7 (ヤングキングコミックス)
読了日:05月17日 著者:
咲 -Saki- 5 (ヤングガンガンコミックス)咲 -Saki- 5 (ヤングガンガンコミックス)
読了日:05月17日 著者:
ヴァムピール 3 (アフタヌーンKC)ヴァムピール 3 (アフタヌーンKC)
読了日:05月17日 著者:
夏の口紅 (角川文庫)夏の口紅 (角川文庫)
米澤穂信を作った「100冊の物語」」関連その20。作品そのものについて特に書きたいことはないけれど、100冊コメントの「文体が伝染しました」というのは、なるほど、そうだなぁ、と。
読了日:05月17日 著者:
木でできた海 (創元推理文庫)木でできた海 (創元推理文庫)
謎。
読了日:05月18日 著者:
狼と香辛料〈11〉Side Colors2 (電撃文庫)狼と香辛料〈11〉Side Colors2 (電撃文庫)
読了日:05月19日 著者:支倉 凍砂
渚にて【新版】 人類最後の日 (創元SF文庫)渚にて【新版】 人類最後の日 (創元SF文庫)
読了日:05月20日 著者:ネヴィル・シュート
昔、火星のあった場所 (徳間デュアル文庫)昔、火星のあった場所 (徳間デュアル文庫)
米澤穂信を作った「100冊の物語」」関連その21。
読了日:05月20日 著者:北野 勇作
この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)
読了日:05月21日 著者:こうの 史代
学園革命伝ミツルギ 8 (8) (CR COMICS)学園革命伝ミツルギ 8 (8) (CR COMICS)
いっぱいいっぱいなところも含めて楽しい。
読了日:05月22日 著者:河田 雄志
バカとテストと召喚獣 6 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣 6 (ファミ通文庫)
既刊七冊(3.5巻含む)まとめ読み。一日でさくさく七冊読める軽さと、とにかく笑える楽しさが嬉しい。不毛といえば不毛だけど、そういう日もそれはそれでいいかとも思う。六巻ではシリーズ中、一番笑えた五巻のアレクサンドロス大王の再登場が良かった。
読了日:05月23日 著者:井上 堅二
Under the Rose 6―春の賛歌 (バーズコミックスデラックス)Under the Rose 6―春の賛歌 (バーズコミックスデラックス)
六巻はこれまで読む側に示されてきた登場人物たちの認識と思いとそのズレが、彼ら自身にもはっきりと見えたり、逃げようもなく意識させられたり、突きつけられたりする、収束の巻。この巻で残酷に明らかになった現状の中、抜け出し難く癒し得ない過去と、だからこそ認め難い今そこにある望み、情動にそれぞれがどう向き合っていくのか。次巻はこれまで以上に面白くなるんだろうな。
読了日:05月24日 著者:船戸 明里
七回死んだ男 (講談社文庫)七回死んだ男 (講談社文庫)
SF&本格ミステリなパズラーの傑作。体質的に"不定期に一日が九回繰り返されてしまう"という設定の主人公が、ある一日に起きる祖父の殺害を防ごうとして悪戦苦闘。繰り返しを重ねる毎に、最初は気づく度にびっくりしていた人間関係の綾に対し"はいはい、そうですよね、知ってます知ってます"という態度になり、"わかりましたから、わかってますから、頼むからおとなしく聞き分けてください"と仕組んでいく、一人称で語られる主人公の心境と行動の変化が面白い。そしてその"わかってます""知ってます"に潜む穴を用意する手際は更に楽しい。米澤穂信を作った「100冊の物語」」関連その24。
読了日:05月25日 著者:西澤 保彦
Landreaall (14) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)Landreaall (14) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
いろいろと繋ぎの巻。まったりと楽しい。
読了日:05月25日 著者:おがき ちか
光の回廊 〔文庫〕 (小学館文庫 きF 1)光の回廊 〔文庫〕 (小学館文庫 きF 1)
読了日:05月25日 著者:清原 なつの
竹光侍 6 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)竹光侍 6 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
読了日:05月25日 著者:松本 大洋
獣の奏者 1 (シリウスコミックス)獣の奏者 1 (シリウスコミックス)
読了日:05月26日 著者:武本 糸会,上橋 菜穂子
天使の殺人[完全版] (創元推理文庫)天使の殺人[完全版] (創元推理文庫)
どんでんどんでんどんでん返し。事件の謎を論理で解き明かすのでなく、全くもって事件とは縁の無い勝手な論理に合うように事件を作り直す。しかし、そんな不思議な構造そのものもまた……?作者はホント、凄いエンターテイナーだなー、と。米澤穂信を作った「100冊の物語」」関連その23。
読了日:05月26日 著者:辻 真先
星は歌う 5 (花とゆめCOMICS)星は歌う 5 (花とゆめCOMICS)
読了日:05月27日 著者:高屋 奈月
パタリロ 82 (花とゆめCOMICS)パタリロ 82 (花とゆめCOMICS)
読了日:05月27日 著者:魔夜 峰央
ゆるユルにゃー!! (2) (リュウコミックススペシャル)ゆるユルにゃー!! (2) (リュウコミックススペシャル)
読了日:05月28日 著者:小石川 ふに
最上階の殺人 (Shinjusha mystery)最上階の殺人 (Shinjusha mystery)
「おめでとうございます、シェリンガムさん。何から何まで、ぴったりご説のとおりでしたよ」(p320) 帯に曰く「想像力と分析力を発揮して名探偵シェリンガムといっしょに事件を解決してみよう」。確かに、「いっしょに」味わう作品。この結末はたまらなく愉快で、そしてあまりにも親しく共感を誘うために、甘苦く恥ずかしい。シェリンガムが繰り返す"想像力"に耽溺しての得意満面な推理と、ごく端的にそれをぶち壊す、動かし難い事実に直面しての困惑という構図は、ある種の本の読み方ととても似ている。米澤穂信を作った「100冊の物語」」関連その24。
読了日:05月30日 著者:アントニイ バークリー
妖怪始末人トラウマ!!と貧乏神 (クイーンズコミックス)妖怪始末人トラウマ!!と貧乏神 (クイーンズコミックス)
読了日:05月31日 著者:魔夜 峰央
May探偵プリコロ (Feelコミックス ロマ×プリコレクション)May探偵プリコロ (Feelコミックス ロマ×プリコレクション)
読了日:05月31日 著者:魔夜 峰央

読書メーター