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「話数単位で選ぶ、2022年TVアニメ10選」への参加記事です。
現在は個人ニュースサイト「aniado」さんが集計されている企画で。
過去、2014年、2017年、2020年、2021年と四回参加させて頂いています。
単位で選ぶ、2022年TVアニメ10選」ルール
・2022年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。
規定に従い以下、順不同です。
1:『連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ』第5話 「まっしろリボン」
2:『まちカドまぞく 2丁目』第6話 「夕日の誓い!まぞくたちの進む道」
3:『ぼっち・ざ・ろっく!』第12話「君に朝が降る」
4:『明日ちゃんのセーラー服』第7話「聴かせてください」
5:『Extreme Hearts』第12話「SUNRISE」
6:『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期第6話「 "大好き"の選択を」
7:『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』5話「DIYって、どこかに・いばしょが・ようやく」
8:『メイドインアビス 烈日の黄金郷』第12話 「黄金」
9:『86-エイティシックス-』22話「シン」
10:『プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2』4話「駆け出しの名探偵
〜ミロワールに想いを寄せて〜」
1:『連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ』第5話 「まっしろリボン」
監督:佐伯昭志
アニメーション制作:シャフト
脚本:山﨑莉乃
絵コンテ:徳野雄士、佐伯昭志、春藤佳奈
演出:白石道太
作画監督:浅井昭人、渋谷勤、細田沙織
放送日:7月31日
折り紙にあしらわれた青い花と亡き妻/母が愛した青い桔梗、自分を偽るお姫様とクーポラのだまし絵、差し出された白いリボンを付けた姿を鏡で見て慌てるシルヴィと夜の窓に映るまだ拙い自分の踊りを見つめ練習に励むジョー……終始、象徴の使い方が巧く、そして締めの品が良さが素晴らしい。
この挿話を通じて描かれ抜く、言葉にされずとも伝わる思い。今は伝われずとも確かに示され、いつかきっと伝わるだろうという思い……この5話ほどの構成美を誇るオリジナルTVアニメの話数は極めて稀だと思えるし、『ルミナスウィッチーズ』という作品全体についても同様に思う。
放送前は個人的に関心が強くなく「『放課後のプレアデス』『アサルトリリィ』佐伯昭志監督の作品なら」という興味で観始めた所、1話からだんだんと好印象が強まり、そしてこの5話で惚れ込んでしまって。
急いで未見だった過去作『ストライクウィッチーズ』1期2期3期、『ストライクウィッチーズ劇場版』、『ブレイブウィッチーズ』等々を配信で観ていったら……7話で『ストライクウィッチーズ』6話で描かれたエピソードと14年越しに物語が繋がるという展開にも出会うことに。
※5話の諸々の描写について、また、以降の話数や過去作絡みの諸々等についての細かい話はこちらで↓
『ルミナスウィッチーズ』6話以降も素晴らしいエピソードが最後まで描かれ続けいったことで、最初は5話について組んだまとめだったものが、結局作品全体の感想まとめともなった。
個人的に、得難い、幸福な出会いだったと思う。
2:『まちカドまぞく 2丁目』第6話 「夕日の誓い!まぞくたちの進む道」
監督:桜井弘明
アニメーション制作:AQUA ARIS
脚本:大知慶一郎
絵コンテ:岡本英樹
演出:野上良之
作画監督:上田彩朔、浅尾宏成、中熊太一、谷川政輝、大木良一、大塚舞
これまでの話の総決算を、キャラクターと、その暮らす街角と空と、1期主題歌と連動させて描く。
極めてハイテンポな演出でずっと進んできた作品が、その笑顔を見ての涙だけはこんなにもじっくりと描く。
物語としてもアニメとしてのこれまでの描き方全体も、全てがこの2期6話終盤で迎えた(ひとまずの)クライマックスに収束し描かれる様が圧巻だった。
まず音楽と展開。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月14日
なんとかの杖を変化させた掃除機の音が響くコミカルな場面を境に、すっとBGM消して、環境音だけに。続くシャミ子と桃との語りを効果音だけを添えて静かに聴かせる。空気の転換が素晴らしく巧い。 pic.twitter.com/TJFsyPXUyw
「だからこれからはシャミ子が笑顔になれるだけの ごくごく小さな街角だけを全力で守れたら」
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月14日
「それが私の新しい目標になる気がするんだ だから…考えてみて」
静かな中でのこの語り、桃の指が描く「四方まで囲むテトラゴン(四角形)」。振り返り浮かべる笑顔。 pic.twitter.com/Y9Bqg0BtSZ
原作漫画を参照すると添付1枚目2-4コマ目のコマとコマの間にあたる所を埋める動きも綺麗。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月14日
そして、それを受けたシャミ子を映す場面で環境音だけだったところに1期OP「町かどタンジェント」が流れて。原作で(2枚目の上から)2コマの間に、 pic.twitter.com/bn1f3VFEHv
実に24秒。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月14日
(1期からでもあるけど、2期でも)1話から話題でもあった皆早口でいろんな演出も混ぜてすさまじい速さのテンポで語り進む作品が、ここにだけはこれだけの尺を、溢れる涙はじっくり描きつつ他の画の演出は抑えて描いてくれる。
そして、 pic.twitter.com/sybL6iQcH1
千代田桜の庇護の下の青空から桃色の宵加減に移りゆき、そして桃色と(危機管理フォームのような)紫色が寄り添う空と町角の光景を映しつつ。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月14日
「こんな私にできるだろうか 桜さんの頼まれごと」
の台詞に歌声が
「私たちならできるよ(いつも隣にいて)きっと(信じているから)」
と寄り添っていく。 pic.twitter.com/OlT71nJp8y
先にも載せた原作の流れ(1枚目)で次はもうこの場面(2枚目)だから、この(3枚目)左下の「間」にアニメ版がめいいっぱい盛り込んだ最高のアレンジということになりそう。 pic.twitter.com/QfsGG61g1F
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月14日
あと、
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月14日
「…はい 目を離しません 宿敵ですから」「よかった…これで安心して潜れる」
のセリフにあわせて
「ずっと輝いている 未来はここにある お楽しみはこれから」
が流れるのもいい。 pic.twitter.com/6G5JG4CLmd
「町かどタンジェント」のサビである
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月14日
「ずっと輝いている 未来はここにある お楽しみはこれから」
は桃色と紫色が混じり合い一体になった空を映しながらの、6話を締めくくる場面にも再度流れる。 pic.twitter.com/CZUeMHA7yH
なお、原作3巻を締めくくる4コマは見ての通り「桃色の誓い」で三国志の「桃園の誓い」のパロディなのだけど(OP最後の写真では昼の陽射しの下、みかんと三人だったりもする)、『まちカドまぞく2丁目』6話サブタイトルは「夕日の誓い! まぞくたちの進む道」。 pic.twitter.com/VQsBzSyPW3
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月14日
「眷属契約は「まだ」難しいけど」生き血に続き、甘い桃色を二つに割って分け合うように渡す桃だけでなく、桃色と紫色が一体に混じり合った夕日の下での桃とシャミ子、二人の誓いとしたいからなのかなと思えたりする。 pic.twitter.com/sqmkcG6ZWI
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月14日
なお『まちカドまぞく 2丁目』が好きな人は12/19日配信の
「「まちカドまぞく 2丁目」スタッフトークイベント~眷属たちの集い~」
をニコニコ動画のプレミアム会員向けタイムシフト視聴で観るのも(勿論、未見なら)お勧め。
以下の投稿から連投で、配信の感想メモも。気になる人はどうぞ。
「まちカドまぞく 2丁目」スタッフトークイベントhttps://t.co/GA9IcYKEti
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月9日
51分過ぎ~の、ED曲作詞を伊藤いづも先生が担当することになった経緯、面白い。
OP/ED制作ポニーキャニオン中村伸一プロデューサーがED曲の作詞家への発注にあたり世界観のキーワードを頂こうと芳文社の土井航洋さん経由で
3:『ぼっち・ざ・ろっく!』第12話「君に朝が降る」
監督:斎藤圭一郎
アニメーション制作:CloverWorks
脚本:吉田恵里香
絵コンテ:斎藤圭一郎
演出:斎藤圭一郎
作画監督:けろりら
放送日:12月25日
1つの話数の中でも全話を通じても精緻に構成され。
アイディアに溢れ凝りに凝った演出で、手描きにこだわるライブ作画で、素晴らしい楽曲の数々で……いつも最高に楽しませてくれた傑作。
その良さは1話から順に、原作とも細かく比較しつつじっくり観ていくと(例えば下記リンク先のまとめでも読んでいって貰えば……)絶対により良くわかるかとは思うのだけれど。
ともあれ、ここでは12話とそこに至る流れについて。
12話は最終回らしく、積み重ねられた様々な流れが結実した回であるといえるかと思う。
ぼっち・ざ・ろっく!12話。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
3話で救われ
5話
8話
と皆を救う姿を観て「後藤さんは本当はかっこいい」……ヒーローだと思いつつ。
仰ぎ見るのでなくその横に並びたいと願っていた喜多ちゃんがヒーローのピンチを救うヒーローになってみせた。なることができた。
だからこそ、#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/DKw12sIkJm
11話では言えなかった言葉を今は口に出来た。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
「皆に見せてよ。本当は…後藤さんは凄くかっこいいんだってところ!」
そして、窮地を救われたヒーローは、期待に応え"本当にかっこいい"姿を皆にみせつける。
なお、#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/HU8lICAdL0
上記の喜多ちゃんとひとりの話は、5話8話の虹夏とひとりの反復でもある。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
まず5話自販機前、虹夏が「本当の夢」をまだ「秘密」としたのは自分の勝手な夢をひとりの重荷にしたくないのが半分、そして夢を語るに足る力と資格がまだ自分にはないと闇に沈んでしまっていたから。#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/ltEf81wuvt
でも5話で後藤ひとりは虹夏たちが押しつぶされそうだったピンチに奮起し、力強く闇を払う(そして8話でも)。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
だから8話ライブ後、まず虹夏は抱えてきた過去を話す。
母を失った寂しさの闇(3枚目顔にかかる影)に姉とライブハウスは光をくれた(4枚目、影が光に反転)。#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/Vf5f6ryrFA
自分が光を貰ったように姉に、また他の誰かにあげられたら。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
そして8話放映に合わせるようにきららMAXに掲載(原作5巻にも収録)された姉妹過去編最後に夜空を見上げ願ったようにSTARRYを「母さんに届くくらいの輝きを放つ場所」にできたら。それが虹夏の「本当の夢」。#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/mtIqiWJtvG
しかし夢を語る虹夏の顔に影が落ち続けていたことが示すように。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
虹夏はずっと願うような光になれないという、失意の闇の中にいた。
でも思えば出会いの時から、無理に誘ってのライブも、オーディションも、そしてこの日の台風ライブも。
そんな闇をひとりは打ち払ってくれた。#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/PIfj1mJHwM
そんなヒーローになら自分の抱える夢の重みも共に抱えていって欲しいと、託すことができる。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
ヒーローがまた夜空を仰ぎ自ら光になる夢に手を伸ばす自信をくれたから、伊地知虹夏は夢を語れる自分でいられる。#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/snQUFNS2TV
出会いのその時からからずっと伊地知虹夏は後藤ひとりを光の中へと誘い連れ出してくれる存在で。https://t.co/38QYvPu9UU
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
同時に虹夏にとってやはり出会いの時から「とんでもなくヤバい状況をいつも壊しくれたのが、ぼっちちゃん」、闇を払う光だった。#ぼっち・ざ・ろっく
喜多ちゃんは出会の時からひとりにとって周りに馴染み自然にチヤホヤされる眩しい存在な一方。喜多ちゃんにとっても出会から惹きつけられ、すぐ私のヒーローになってもいた。https://t.co/M2WAmyoolO
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
ひとり⇔虹夏
ひとり⇔喜多
二つの関係性をいつも太い軸に描かれてきた作品。#ぼっち・ざ・ろっく
では山田リョウは?といえば。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
ひとりはチヤホヤされる自分に。
虹夏は夢を叶えられる自分に。
喜多ちゃんは(虹夏の夢同様伏せられ続けていて、原作では3巻で明かされる話だけど)「特別」を持つ自分に。
三人とも、今の自分から変わりたいと切実に願い続けている。
でも、#ぼっち・ざ・ろっく
その一方でいくら願っても変えられない、そして変えるべきでないことがあるし、それでいいんだ、それがいいんだと語り、体現するのが山田リョウの立ち位置。#ぼっち・ざ・ろっく
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
「個性捨てたら死んでるのと一緒だよ」。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
「バラバラの個性が集まってひとつの音楽になって、それが結束バンドの色になるんだから」
この作品が家族とも友人とも恋人とも違う「バンド」という独特な関係性、在り方を描く作品と示す核心的な台詞だとも言える。
それがあってこそ、#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/OAkI5lOmVs
ひとりは「私俯いてばかりだそれでいい猫背のまま虎になりたいから」と。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
虹夏は「鳴り止まなくてなにが悪い青春でなにが悪い」と明るさでわがままに押し通し。
喜多ちゃんは「指先が硬くなるたびこの意志も固く」しつつ「星灯りのように光り出せわたしだけの音」と歩んでいける。#ぼっち・ざ・ろっく
なお、そんな山田リョウが自分の大事なものを託し懸けていたバンドが解散して闇に沈んでいた時に救い出してくれた光は言わずもがな、伊地知虹夏で。https://t.co/uYflCoTXq6
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
きっと、それからもずっと光であり続けてる。#ぼっち・ざ・ろっく
そんなこんなでどこまでも賑やかに楽しく、しかし、がっしりとした関係性の太い軸を持って緻密に繊細に原作からの多数の翻案を交え描かれてきたアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』、見事にその良さを結晶化させたような最終回12話だった。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
素晴らしいアニメだった。#ぼっち・ざ・ろっく
— はまじあき🎸アニメありがとう📺 (@hamazi__) 2022年12月24日
はまじ先生、素敵なツイートありがとうございます😊この作品の脚本に携われて本当に良かったです。原作力が凄まじい作品だったので書いていてずっと面白く楽しかったです✨これからも連載ずっと応援しております❗️❗️サイン会頑張ってくださいね😊
— 吉田恵里香 ぼっち・ざ・ろっく!君の花になる、最終回ありがとうございました (@yorikoko) 2022年12月24日
こちらこそ本当にありがとうございました!😊✨
— はまじあき🎸アニメありがとう📺 (@hamazi__) 2022年12月27日
吉田さんのおかげで結束バンドどのキャラも平等にスポットが当たって皆の人気がでて感謝しております、、、!✨(特にアニメからの虹夏人気が凄まじく驚きました)
吉田さんのこれからのご活躍をお祈りしております、、、!!✨
はまじあき先生の吉田恵里香さんへのリプライにある話、3話視聴会で出ていた話題だなー(添付)。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月27日
原作ぼっち・ざ・ろっく!が真摯にライブ感ある試行錯誤を繰り返し作品とキャラの魅力を育てていき。
アニメ版は後から流れを俯瞰し精緻に再編した、見事な共同作業あっての傑作アニメという印象。>RT pic.twitter.com/brKWBfVB0d
12話。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
「私は、人を惹きつけられるような演奏はできない」
「え」
「けど皆と合わせるのは得意みたいだから」
「これからギターもっと頑張るから、教えてね」
原作の独白、アニメでは「え」と反応ある所からもあえて決意として聞かせてる。喜多ちゃん……。
そして台詞も違う。#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/63bDOBA7Tv
原作「私は一人だと~できない」
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
アニメ「私は~できない」
"結束バンドの中なら、私にもできる"が原作。
"結束バンドの中でも、きっとできない。だから、私はできる貴方を支える。それで私たち結束バンドなら、できる」がきっと、アニメ版。#ぼっち・ざ・ろっく
ここも「バンド」ならではの在り方。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
「バラバラの個性が集まってひとつの音楽になって、それが結束バンドの色になるんだから」
の解釈とその現れだろう。
人を惹きつける「特別」を手にいれられなくたっていい。バンドの中で喜多ちゃんだからできる事があり、バンドなら人を惹きつけることもできる。 pic.twitter.com/PiviB8t7Hz
ただまあ、アニメ12話の喜多ちゃん。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
ひとりがまだピンチでない1曲目から人を惹きつけるカリスマ全開に見えもしたけど。
"今、喜多ちゃんが俺/私に笑いかけた!"
と太宰治の読者ばりにおかしくなる観客続出だったんでは。
気付いてないの本人だけ、という可能性は大いにある。#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/7bTzJuSAA6
ぼっち・ざ・ろっく!12話。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
ライブ1曲目「忘れてやらない」終盤の喜多ちゃん(添付動画は音有り)
この場面でこう堂々と演奏しつつウィンクしてみせる人間に、
「私は、人を惹きつけられるような演奏はできない」
とか曰われると、むしろ少し腹立たしくすらあるな。#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/NxCoesGbpg
”いや、こういうのはパフォーマンスであって演奏で惹きつけているんじゃない、純粋に演奏で惹きつけてみせるひとりちゃんこそ凄いんだ”とか言うのかもしれないけど(で、そのひとりさんはピンチを迎えての咄嗟のボトルネック奏法で結果的にウケをとっていたわけだけれども……)#ぼっち・ざ・ろっく
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
というか正にその演奏と歌で"人気者の喜多ちゃんを応援しに来た"くらいの気分だっただろう、メイド&執事喫茶で話していたひとりのクラスの同級生(真ん中の子)がめちゃくちゃ惹きつけられていったのが表情の変化、目の潤ませ方ではっきり描かれていたわけで……。#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/9Dxd980lhC
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
今更だけど11話メイド喫茶で他校の先輩の虹夏とリョウ、他の組の喜多ちゃんとも会って12話文化祭ライブにも来たひとりのクラスメートたち。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
3話冒頭でひとりが話しかけようとしていたのと同じ二人だね。で、(ひとりの一人相撲で近づけなかったけど)最初から割と好意的だった。#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/DxZ4NOQGLs
結束バンド「星座になれたら」https://t.co/bfPxyahGmA
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
「いいな 君は みんなから愛されて」
「いいや 僕は ずっと一人きりさ」
(中略)
「繋いだ線ほどかないで」
「僕がどんなに眩しくても」
いきなり致死量のぼ喜多をhttps://t.co/5pFwvzo30x
投げつけないで!! pic.twitter.com/GleGkViF0x
「「星座になれたら」。こちらの曲の描き下ろしイメージイラストは喜多ちゃんかー。どんな曲だろうなー」
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
と聴いてみたら。
いきなり全力でまっすぐ殺しにかかってくるの、よくないよ!!
いや、ありがとう!本当にな!!!!!#ぼっち・ざ・ろっく
で、もちろんこの「星座になれたら」、12話のここで使われていた曲だよな。そりゃあそうだ。そうに決まってる。改めて歌詞聴いてみると、本当にすごい剛速球投げ込んできてるな!
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
【LIVE映像】結束バンド「星座になれたら」LIVE at 秀華祭/ 「ぼっち・ざ・ろっく!」劇中曲 https://t.co/GRi5qkue1Q
「星座になれたら」。アニメ12話本編観てた時には映像と二人の感情の動きや台詞、メロディー等々に気を取られて、落ち着いてそこに集中もして聴いてみればド直球にもほどがあると思える歌詞にまでろくに気が回らなかったよ……。#ぼっち・ざ・ろっく
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
で、やっぱり、ひとりが演奏するはずだったソロを喜多ちゃんがアドリブで演奏してピンチを救う場面、激しく弾き始める手元を映す時の歌詞が「僕がどんなに眩しくても」だし。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
救ったヒーローの活躍を見届け満喫した後「君がどんなに眩しくても」と歌う時はこの表情……。#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/0dye7R2KbR
ぼっち・ざ・ろっく!12話冒頭「忘れてやらない」、喜多ちゃんの笑顔とその浮かべ方を繰り返し観てしまう。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月26日
冒頭、手拍子を要求しつつ自分も盛り上げるように笑って。
でも序盤は緊張して「正解なんだい」は多分笑うと決めてる場面(だとこの後を観ると分かる)なのに余裕がない。#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/Wr1Y67uxLE
でも同じメロディの「何回だって」では頭を振って笑顔を浮かべるきっと予定の練習してきたパフォーマンスを出来ていて。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月26日
次の「何回だって」でも同じ動作をより楽しげに。
トドメはファンの高揚https://t.co/EUTcSLzH6V
にも引き出されたような「笑ってやんのさ」のウィンク。#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/SM2bJO4TKQ
笑顔のパフォーマンスを観客に見せつけるには勿論(少なくともその時)ギターを弾く手元から目が離れてないといけないけど、序盤は手元に目が行く様子が目立つ感じなのが、だんだん余裕が出てきてそれもだいぶ解消されていた描写にも見える。#ぼっち・ざ・ろっく
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月26日
ぼっち・ざ・ろっく!の「星座になれたら」。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月26日
「つないだ線」は結束バンドのバンド、Lyric Videoでも4人のイメージカラーの線が絡み繋がり合うのだし。「色とりどりの光」「星座」はきっと「バラバラの個性が集まってひとつの音楽になって、それが結束バンドの色になるんだから」だろう。つまり、 pic.twitter.com/pGUsi5my36
4人全員を歌ってる。わかる。それはわかるんだ……でも、その中でも喜多ちゃんが後藤さん(ひとりちゃん)に向ける矢印の色が際立って濃厚というか、歌詞もだし、12話ライブ場面でのこの歌詞と状況、映像の合わせ方https://t.co/81jw4w5XOd
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月26日
なんだよな……。
1話と12話。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
まずは後藤ひとり。
1話/初めてギターを抱え、鏡の前に立って笑うひとり。
12話/新しいギター(my new gear…)を抱え、鏡の前に立って笑うひとり。
今は一緒に演奏するバンド仲間も、それにファンだっていてくれている。
次に、#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/bSN4KtABnN
喜多郁代さん(添付動画、音有り)
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
12話、ライブ後にダイブ失敗で気を失ったひとりを起きるまで見守り、話し込んだあとで。
過去を振り返り今を思い、更に固くした意志を独白する姿。
で、ここで振り返っている過去はいつかというと、#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/rsogroCARJ
やはり1話。Aパート、ひとりが抱えたギターを目にして。憧れを追いかけようとしつつも逃げてきてしまった過去を、ただ思うだけだったあの日から。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
今はギターは見つめるのでなく、背負うものになって。重ねるべき練習、立つべき場所、隣に立つべき相手がいる。#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/AiphqDqUPq
12話。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
後藤ひとりが虹夏たちとの出会いの前に重ねてきた努力を家族もちゃんと知っていて、ずっと応援していた。
原作をぐっと膨らませ、母親の喜びも加えて描く。
文化祭ライブ前の家族の声援描写とも相まって、https://t.co/kKd7peyTFX
いい翻案だなと思った。
それに、#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/9j5nuZC4D9
1話でひとりを虹夏が救ったのもギターヒーローと知らずともその努力に気づき認めてくれたのが大きくて。https://t.co/GwK75ZJ45U
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
喜多ちゃんをひとりが救ったのも3話で固くなった指の皮に気づいたから。
この作品は重ねた努力と、気づき認める目と心、そのもたらす救いを大事にしているのだと思う。 pic.twitter.com/6zpJ9WAhls
ぼっち・ざ・ろっく。ぼっちから抜け出したいと願っていたひとりを虹夏が強引に誘い出し、リョウが「ぼっち」とあだ名をつけ、虹夏も「ぼっちちゃん」と呼ぶように。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
その中で「後藤さん」と呼び続けた喜多ちゃんが12話で意を決し「ひとりちゃん」と呼ぶ。美しい流れ。で、しかし#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/tiDywVcFDg
その美しい流れの12話の間に「劇団ひとり」ネタでいじるの、それもまた『ぼっち・ざ・ろっく!』という作品だな!!という感じもすごくするよ。#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/2hVCU1uENn
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
✕「劇団ひとり」ネタ
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
○ネタは「いっこく堂」だけど、なんかそれ含めて「劇団ひとり」という感じなネタ
と書いとかないとアレかもしれないと遅ればせながら思った。#ぼっち・ざ・ろっく
4:『明日ちゃんのセーラー服』第7話「聴かせてください」
監督:黒木美幸
アニメーション制作:CloverWorks
脚本:山崎莉乃
絵コンテ:Moaang
演出:Moaang
作画監督:川上大志
放送日:2月20日
この作品は1話から12話までどの話数でもこうした10選に含めるに相応しいだろう画、構図、物語、キャラクターの魅力に満ち満ちているだいぶ特異なアニメなのだけれど。
中でも7話は画と構図についてもトップクラスでありつつ、特に抜きん出た「音」の演出、そしてこの挿話で(蛇森生静と共に)クローズアップされる戸鹿野舞衣というキャラクターの発する圧倒的な引力のために特別な話数になっていると思える。
明日ちゃんのセーラー服7話。終わり近くの戸鹿野舞衣(CV:白石晴香)さんのここ、めちゃくちゃ良かった。それまで外見といい言動といい"まっすぐ"というイメージの具現化みたいだったのが、悪戯っぽく崩しくだけた感じで、踏み込んだ親しみで促してくる。どこかで戸鹿野さんメインの挿話も観たくなる。 pic.twitter.com/yR7QOzdnHV
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月19日
明日ちゃんのセーラー服7話、全体に音楽の響かせ方にこだわってた(あと、各々のひたむきで地道な足取りがお互いに背中を押し合う話の流れとも調和してた)話数だったのかなとも思った。
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月19日
明日ちゃんのセーラー服7話。戸鹿野舞衣さんの心境と取り組み方の変化や真剣になったからこその緊張。例えば最初と、後の二回のシュートフォームの差異もだけど、前後の表情や足取りでもこうも鮮やかに描くの、良いなーと思う。 pic.twitter.com/xgM9MvHJC7
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月19日
明日ちゃんのセーラー服7話。三度、蛇森さんの居る部屋に入ってくる戸鹿野さん。
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月20日
一度目、聴こえてきた音に驚く。「それ、ずっとインテリアかな、って思ってた」
二度目、音が聴こえてこない。「今日は弾かないの?」
三度目、このところいつも聴こえてくる音に迎えられて。 pic.twitter.com/vW40oXGxC7
クラスメイトでルームメイトから、地道に各々の挑戦に向かっていく互いの姿を知る友達へと。変わっていく歩みの描写。
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月20日
二度目、弾くのを止めた蛇森さんとのやりとりからにじみ出るキャラクター。
「だったら明日さんに早くいった方がいいんじゃないの」
「どうするの」
での真っすぐな踏み込み。 pic.twitter.com/2iMXjAyyqI
「やっぱ、今更始めたって」
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月20日
には、やや食い気味なくらいにすぐに(このタイミングがいい)
「いきなりできる人なんて、いないと思う」。
続けて、
「だから毎日、私も練習しているわけで」
責めたり突き放すようでなく、私はそうしてる、とむしろ柔らかく、爽やかに。 pic.twitter.com/3hN68hrHsP
そして
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月20日
「また私の勝ち」
私は私に負けない、勝ちにいく(で、あなたは?)とでもいわんばかりの、この笑顔。 pic.twitter.com/NQHlNP1hU3
そのやりとりの夜の後、切れた弦を張り直し初心者向けの情報を調べる蛇森さんの姿を描きつつ、その脳裏に「また私の勝ち」の後に続いていた戸鹿野さんのフォローが浮かぶ(回想の入り、机の向こうに相手を意識するような構図から、背中を向けつつ語る場面に移る画、特に好き)。 pic.twitter.com/nfjllK9uTW
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月20日
そして眠気をこらえつつ各々努めていく夜に時折相手の姿に目をやったり、夢中で励み続けている間に寝入ってしまったのを見て、 pic.twitter.com/r94kbmMAso
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月20日
こう(ここの優しい手つきの描写もいい)。 pic.twitter.com/mVxWz3zckR
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月20日
そんな戸鹿野さんの日々の姿を蛇森さんもまた観ているし、https://t.co/hl2QS6a5Zo
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月20日
そして極めつけが最後のこれ。https://t.co/AsPTBsrWGP
明日ちゃんのセーラー服7話はたった1話の間に、これだけ(蛇森生静さんと)戸鹿野舞衣さんの人物像が魅力的に立ち上がってくる、すごい挿話だったと思う。
明日ちゃんのセーラー服7話、歩く姿と足音の「表情」もすごい。
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月20日
先週末に名前で呼び合うと決めた相手が待つだろう教室へ歩く小路さん。
他の皆も戸鹿野さんも部活等各々の充実していそうな目的に歩み去る放課後、独りトボトボ階段を降りる蛇森さん。
小路さんに見栄を張っての後悔でいっぱいの帰り道。 pic.twitter.com/K5RrNdggZU
朝に「楽器が弾けるってかっこいいよね!憧れるなあ!」と言われたことも受けてか、なにか事情を感じさせつつピアノへ向かう木崎さん。
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月20日
過去も「歩く」描写が見事な作品でhttps://t.co/sxNsV2ugaH
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月20日
7話でも先にこれhttps://t.co/Fcy5xsfBuP
に触れたけど。
音楽の響かせ方も強く意識されていたと思える挿話の中でhttps://t.co/Saqo9SvImK
足音も含めた先掲の場面、改めてすごい作品だなと思えた。
※7話及び他の話数についての詳しい感想等はこちら↓
5:『Extreme Hearts』第12話「SUNRISE」
監督:西村純二
アニメーション制作:Seven Arcs
脚本:都築真紀
絵コンテ:岩畑剛一、西村純二
演出:細田雅弘、深瀬重
作画監督:橋本貴吉、関根千奈未、鞠野黄英、ジョンヒジン、平田賢一
総作画監督:新垣一成、奥田泰弘
放送日:9月25日
12話で最も素晴らしいのはまずなんといっても、それまで挫けず揺るがぬ意思を示し続けてきた主人公・葉山陽和が、シンデレラ・ストーリーを成就させての喜びと誇らしさでいっぱいのはずの晴れ舞台で唐突に泣き崩れ立ちすくんで。
そして周囲を見回し、立ち直り、感謝の言葉を大きく叫んでまた歌い踊り出す場面。
12話前半では陽和率いるRISEの他メンバーは、彼女の泣いた所も怒った所も見た事がない、見せてくれていない……それは多くを背負わせすぎてる為だ、もっと支えられたら、支えていかないと、そうできる私たちにならないと……と話す場面があって。
更にステージ前MCで陽和は優勝し今ここにいる事を夢のようだと、メンバーの支えと観る人達の応援に感謝したいと口にしていて。
その上で、かつてない大きな舞台で歌い踊り会場全ての喝采を仲間たちと受けた時、はじめてその巨大な「実感」が襲ったことを描いた場面なのだと思う。
これまでに重ね続けてきた努力、耐えに耐えてきた諸々、出会った多くの人から受け取った思いと支え、抱き続けてきた夢、現実になった想像……多くの思いが複雑に混じり合い単純な言葉で表現などできないしすべきでもない在りかたを、こうして示す。
その時、RISEのメンバーはまさに今、陽和を支える時だと自然に悟り、泣き続け立ちすくむ陽和が戻るまで場を守るし、観客も温かく待つ。
これまでに得てきたもの、これから引き受けて更に歩んでいくものが鮮やかに示され、更に大きな舞台がRISEを待つ。
ここまで物語もキャラクターも見事に描き続けられ、描写が積み上げられてきたからこその美しいクライマックスだった。
※単なる理屈や言葉では片付かない「実感」を描いた事例といえば、TVアニメでは例えば『宇宙よりも遠い場所』12話(全13話)の報瀬の号泣場面が挙げられるかと思う。
目にしたのは、その時からずっと歩み続けてきた自分の道程と。
そして、それを見ることが、(どんなにか見てやりたかっただろうに)見てやることができなかった人の姿だったのかと思う。
喪失の実感……と言葉にすればそういうことなのかとは思うけど、簡単に言葉で片付け得るものでも片付けるべきものでもないから、こうした表現となり、それが完璧なまでに相応しかった。
作品の終盤においてこうした「実感」を描き切ることができる作品はそれだけで傑作の資格を得ているとすら言って良いのかもしれない。
そして『Extreme Hearts』12話においてもう一つ感嘆させられたのが、最後に立ちはだかったライバルMay-Bee(メイビー)がライブ場面で体現してみせたもの。
"負けてなお格上"という、貫禄と敗北でも決して折れず……勝って得るべきものを得ることはできずとも負けたことで何も失いなどしないし、負けたままでいるわけもないと、その魅力と意思と在り方を映像と歌で示し切った姿。
挫けることなきレイジングハート、そのセットアップ。"Stand Up and Fight"の魂。
上記の動画部分からでも明らかなように、曲名「HELLO HERO」の「HERO」とは他の誰かでなく「わたしの胸の中に 宿る勇気」(であると共に「誰しも胸の中に 宿るヒカリ」)。
フルバージョン(各種サブスクで配信。歌詞はこちら)では明快に
「わたしを救えるのは わたしなんだって
明日にSay HELLO
いつでも 胸を張っていたい」
とも歌い上げる。
その自力救済の志向は(「HELLO HERO」の作詞は別の人だけど)いかにも(『Extreme Hearts』の原案及び脚本を手掛けた)都筑真紀らしいとも思える。
都筑真紀さんは今は昔、エロゲー方面で『ONE』(1998)『KANON』(1999)『AIR』(2000)が大きな話題を呼んだりもする中でも……ヒロイン陣が主人公に"選ばれない"なら"選ばれない"で少なくないケースで自分のことは自分でなんとかして道を切り拓くし、各々のルートでも主人公は手助けでやっぱり基本は本人が自身と向き合うという『とらいあんぐるハート』(1発売=1998、2/1999、3/2000)のシナリオ・原画を務め。
その後『とらいあんぐるハート3』のスピンオフから人気アニメシリーズに発展した『魔法少女リリカルなのは』でも幼女(高町なのは9歳)や幼女(フェイト・テスタロッサ9歳)や幼女(八神はやて9歳)や幼女(高町ヴィヴィオ、転生後年齢推定4~5歳)が過酷な運命に時に挫けそうになり、差し伸べられる温かな手に支えられつつも、肝心要なところは自ら立ち上がり戦い自分は自分自身で救う姿が描かれ続けてきてもいた。
それで、そのあまりに幼女(または少女)に過酷な運命をぶつけていく在り方とそれへの幼女(または少女)たちの向き合い方についてはだいぶ昔にちょっとアレな形で触れたりもしたのだけれど。
そういった諸々を鑑みると。
「ああ、都筑真紀さんも己の魂はまず己自身で救う自力救済の輝きを鬼畜外道な幼女/少女虐待を交えずともこうしてここまで綺麗に力強く魅力的に描けるようになったんだなあ、素晴らしいなあ」
と思わずにはいられず、その意味でも大変感慨深い話数でもあった。
6:『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期第6話「 "大好き"の選択を」
監督:河村智之
アニメーション制作:サンライズ
脚本:田中仁
絵コンテ:ほりうちゆうや
演出:横手楓太
作画監督:石井久美、市原圭子、粕川みゆき、亀田朋幸、後藤望、永山恵、林央剛、三沢聖矢、吉田雄一
ダンスパート絵コンテ:神谷宣幸、中山直哉
ダンスパート演出:戸澤俊太郎
ダンスパート作画監督:久松沙紀
放送日:5月7日
アニメ虹ヶ咲、特に二期のストーリーテリングは良くも悪くも
"過去がこう、今がこう、同好会の面々と関わっての足跡がこうであるからには、この人物がこの人物である以上そりゃあそうしますよね"
という徹底した詰ませ方、詰め寄り方が特徴と思う。
新しく加わったランジュ、栞子、ミアについては勿論、1期から続投の同好会の面々についても。
それは流れとして美しくもあれば作中人物としても、それを観る視聴者にしても納得の度合いが高いものになる一方、時にはやや"自分の意思で決断する"という趣きを損なっている印象もなくはない。
でも、例えばこの6話の優木せつ菜/中川 菜々(それに7話の三船栞子)くらい見事に決めてこられると感嘆が遥かに上回る。
それに至るお膳立ても含めて、実に見事な「選択」だと思わされる。
虹ヶ咲1期3話「大好きを叫ぶ」
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月7日
「どうなっても知りませんよ!」
↓
12話「花ひらく想い」
「始まったのなら、貫くのみです!」
↓
2期6話「"大好き"の選択を」
「「始まったのなら、貫くのみ」、でしょ?」
3話で侑から受け取ったから12話で歩夢に贈れたエールが、3話と同じ場所でせつ菜に返される。 pic.twitter.com/7wHy1kUHMs
虹ヶ咲1期3話、
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月7日
「本当に、いいんですか。私の本当のわがままを、大好きを貫いてもいいんですか?」
「勿論!」
「分かっているんですか、あなたは今、自分が思っている以上にすごいことを言ったんですからね」
「どうなっても知りませんよ!」
↓
12話、
「私も我慢しようとしていました。大好きな気持ち。でも、結局やめられないんですよね。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月7日
始まったのなら、貫くのみです!」
「(独白)止めちゃいけない、我慢しちゃいけない
(声に出して)そうだね!ありがとう!」
↓
2期6話「やりきりたいんだよね?」
「始まったのなら、貫くのみ」、でしょ?」
虹ヶ咲1期3話では侑一人の前で見せた生徒会長の菜奈でもあり、スクールアイドルへのせつ菜でもある二つの大好きを抱えた姿を、2期6話では全校そして5校合同開催とより大規模になったスクールアイドルフェスティバルに集まった皆の前で見せるという流れも。 pic.twitter.com/ED6QL2lRE2
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月7日
虹ヶ咲6話、5話で自分は舞台に上がることを考えていなくて、ランジュの侑への言葉に流れ弾喰らいもしたしずくが己の空想妄想を全開放した舞台の光の中に自分も入っていく話をもう少し描くかと思ったらそれは済んだ話として。せつ菜も自分の「大好き」に一層踏み込んで向き合うという話にしてたなー。 pic.twitter.com/F4a54htlyC
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月7日
で。「せつ菜と菜々、二つの大好きを持ってはいますが、私は結局一人なわけで
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月7日
(中略)
この行事を私の集大成にしたい」
栞子が訪れる時のどこか焦ったような台詞も、独りだとそれが辿り着ける集大成……だけど、 pic.twitter.com/9k4aXdrl0k
スクールアイドルの彼女に、生徒会長としての彼女に、一緒にがんばりたい力になりたいと思ってくれる「みんな」となら、という流れの中でけっこう大事なこと言ってたみたいだなー。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月7日
虹ヶ咲2期6話
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月8日
「今回は仕方ないじゃないですか、私は生徒会長なんですよ」
「生徒会は、会長しかいないのかな」
彼方さん、例えば1期7話での遥さんとのあれこれを踏まえて重みがある言葉になってる。
そういう抱え込み方はダメだね、という。
一応振り返っておくと、 pic.twitter.com/1MTZdp8J2b
「そんなの気にしなくていいんだよ、だって遥ちゃんは大事な妹なんだもん」
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月8日
「どうして…妹だったら、気にしちゃいけないの?」
「心配させちゃってごめんね、彼方ちゃん、もっとがんばるから」
当然怒られ。で、「Butterfly」でハルカカナタ、二人で……となったのが7話「ハルカカナタ」だった、と。 pic.twitter.com/chcf6bodGi
そして彼方にとっての遥、遥かにとっての彼方ほどでなくても、生徒会長中川菜々と生徒会の活動、生徒会の面々は大事で、それは彼方たちからみても明らかで。だからこそ掛けることができた言葉でもあって。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月8日
1期3話では「期待されるのは嫌いじゃなかったけど、ひとつくらい、自分の大好きなこともやってみたかった」とあくまで周囲の期待に応えるものと述懐していたのが。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月8日
2期6話では「せつ菜と奈々、二つの大好きを持ってはいますが」と語るようになってる。 pic.twitter.com/0uPTqUsect
そんな姿は本気で歩む自分の道を見出したなら、誰かの夢に乗っかる他の道にかまけずに集中したら?というランジュが侑に重ねて突きつけた問いに、(演劇部の役者とスクールアイドルの二足の草鞋を履くしずくと並んで)向かい合うような位置取りにもなっているところも。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月8日
そして、下した「選択」の上での、それを宣言する様が。
1期2期通じた作中のキャラクターが作中世界において他のキャラクターたちに見せる演出としても、作品が視聴者に見せる演出としても屈指、あるいはベストのものだったかと思う。
虹ヶ咲2期6話、これまでで一番生徒会長らしい語りの後の、生徒会長からスクールアイドルにシームレスに切り替えるところの楠木ともりさん、改めてすごいなー。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月7日
5話でも栞子との電話の際に「せつ菜ちゃん、切り替えすごいね」と言われる場面があったけど、それも前座にした本番、という風情。 pic.twitter.com/jLDX4lwz21
で、その切り替えの鮮やかさを見せる場面も段取りに取り込んでの、正にショータイム!というライブへの入り方も華麗だった。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月7日
ラブライブ!スーパースター!!3話、クーカーのそれも素晴らしかったけど、並ぶくらいの見事さ。 pic.twitter.com/zpgUMJ4EzW
このくだりの画、構図、流れ、楠木ともりさんの演技等々すべてに渡る良さがこの虹ヶ咲2期6話を選出した大きな理由になっている。
それと「選択」の上での演出といえば、勿論ライブ場面についても。
虹ヶ咲2期6話のダンスパート、絵コンテに作品全体のCGチーフの神谷宣幸さんに加えて中山直哉さん(2期ではここで登板なんだなー。勿論まだもっと出てきて欲しいけど)で、演出は5話(及びはめふら2期8話)絵コンテ・演出の戸澤さん。面白いスタッフ陣だったんだな。 pic.twitter.com/zrH0noogsZ
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月7日
虹ヶ咲2期6話、A・ZU・NA「Infinity!Our wings!!」の衣装ってつまり、三人ともがそれぞれ異なる"美女でもあり野獣でもある"ってことなんかな。かわいく綺麗に、力強く自由に。無限の可能性!欲しいもの全部手に入れる!みたいな。 pic.twitter.com/MzHLrqYnON
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月7日
虹ヶ咲の特徴だけどメンバーの在り方、同じ問いに対する答え・姿勢が全く異なっていて、それで良いとされること。例えば「「わがまま」でいいか」に対するものも面白い。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月8日
ざっくり、QU4RTZは自分がわがままになるのは嫌だったりなり切れない四人でA・ZU・NAはわがままな自分も認めていく三人な印象。
「本当に、いいんですか。私の本当のわがままを、大好きを貫いてもいいんですか?」(1期3話)
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月8日
のせつ菜をはじめ「Infinity!Our wings!!」は歌詞といい映像といい、わがまま放題に全ての可能性を……こんなかわいい美女の顔しつつ、全部喰らう、血ぃ吸うたろか、という野獣宣言なわけで。 pic.twitter.com/J7YYtWeAJR
QU4RTZは2期3話でかすみについて「本当はすごくみんなのことを考えてくれるよね」彼方について「マイペースに見えて、本当はすごくお世話好きじゃないですか!」と語られて、エマの芯の強さは誰かをぽかぽかにするために発揮され、璃那が周りを引っ張るのもよく状況を見てのものだったりするし。 pic.twitter.com/xE9q4wh5dd
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月8日
例えば1期7話でも彼方が選ぶ道はわがままではない、とされていたりする。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月8日
「皆との同好会は、彼方ちゃんにとっても、大事な、失いたくない場所なんだよ。でも、遥ちゃんの幸せも守りたいの。そんなの、わがままだよね」
「そうかしら。それってわがままじゃなくて、自分に正直っていうんじゃない」 pic.twitter.com/zkKFwACQna
そういう風に同じ問いに違う答えを出していいし、それがいい、という在り方であり、魅力。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月8日
なお、この流れで
「そうですね、お二人とも全部ひとりで解決しようとしています」
と宣ったせつ菜さんが2期6話で
「生徒会は、会長しかいないのかな」https://t.co/XNHdQI6fKv
とお返しされてるのも楽しい。 pic.twitter.com/BSvmqXW7Ie
過去話でも触れたけど、やっぱり虹ヶ咲2期に入ってからダンスシーン挿入さカットで皆、いつもの髪型と違う姿で度々出てくるの、”みんなとだから新たにイメージできる自分”という象徴的なところありそうだなー(1期ダンスシーンでは皆髪型は挿入カットでもほぼ動かしてなかったと思う)。 pic.twitter.com/oXjvRpVKRz
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月7日
虹ヶ咲2期6話、ずっと近くに居ながら隠されていた推しの正体を知らされ、めいいっぱい驚いた後、ライブの後のこの反応。副会長、ありがたいファンの鑑だ……。1期13話「夢がここからはじまるよ」が流れる中での姿も綺麗だったなー。 pic.twitter.com/diTJUohry0
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月7日
※6話及び他話数のより詳しい感想はこちら。↓
7:『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』5話「DIYって、どこかに・いばしょが・ようやく」
監督:米田和弘
アニメーション制作:PINE JAM
脚本:筆安一幸
絵コンテ:伊礼えり
演出:伊礼えり
作画監督:新井博慧
放送日:11月3日
DIY関連のお仕事をされているというのはだいぶ前にご本人のtwitterで情報が出ていたので、以前から楽しみにしていた絵コンテ・演出=伊礼えりさんの回。
色々長くなるので細かな良さの紹介は幾つか挙げるに留めるけど、何よりまず「TVアニメ観るのって楽しくていいなあ」と改めて強く思わせてくれる傑作回だった。
DIY5話、花瓶吊りを中心に構図が回り、すっと初対面同士の心が近づいていく様子。https://t.co/Ogz9iSevcm
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月2日
DIYを通じて人と人が繋がるよ、という好例を描くのに優れた構図や作画もこうして貢献しているよ、という場面。#diyアニメ pic.twitter.com/K29231vJlC
説明されたイメージがそうだった上で、実際に今度は戻る姿を実演されるとDIY部の面々同様、視聴者も「すげえ動きと画だ……」と呆然と見守ることに。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月2日
話をして/聞いて思い描くイメージと、実際やってみる/見てみることの落差。#diyアニメ pic.twitter.com/gNbbQAa50y
Bパート
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月2日
「私、イメージイラスト描いてきました!」
「おー」「すごいですね」「素敵だにゃ!」
「ナンセンス!どうやって作るのよこんなの」
(中略)
「まあ気持ちだけ貰っておくとして、もう少し現実的な話を始めたいと思う」
に繋がり対になっている描写(イメージと実際)かとも思う。#diyアニメ pic.twitter.com/eLaPkrpuK9
DIY5話、例えば「しー」が外部部員として加入認められるところ。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月2日
この構図を画面回して繋げていく感じ、(素人の適当な感想だけど)いかにも伊礼えりさんの絵コンテ・演出https://t.co/k3FjCb1Lj0
だなーという感じがした。#diyアニメ pic.twitter.com/A1jFbJCO7B
DIY5話
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月2日
「しーのおかげだ」
「ん?…うん?」
「…ありがとう!」
「……!!…どういたしましてだにゃあ!」
「…んふふ」「うん」
「……ふふ」
「しー」は豪商の娘として頼まずとも色々やって貰えたり。
名前の通り好奇心の赴くまま首を突っ込み色々やってきたのかと思うけど、#diyアニメ pic.twitter.com/PuKlZDdJ7Z
こうして正面から感謝されたのはきっと人生初体験で、法華津治子先生もそれを察してきっと、しー自身と共に万感の思いを込めて微笑んでる。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月2日
これがあったからこそ最後、今度は家族にはっきり「うまくやってる」「心配いらない」「友だちもできたし」と伝えられるし、#diyアニメ pic.twitter.com/sfjamvNa73
「心配しなくても、ちゃんと居場所ができたよ」
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月2日
(星を見上げて)
「居場所だって、「Do It Yourself!!」、にゃ!」
と笑顔でいいきれる。
ちなみにこの星を見上げる姿は、#diyアニメ pic.twitter.com/uhJy7iRxJs
5話アバンでフラミンゴ達が一本足でおぼつかない(かのような)姿で立つ様子に身の置き所なく暮らす自分を重ねていたら、彼らは自分を置き去りに自由に空へ舞い上がり、取り残され見上げる事しかできなかった姿との対比。今は星は希望と楽しさの予感を満ちて笑顔のその視線の先に輝いてる。#diyアニメ pic.twitter.com/UDzkxqpWp1
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月2日
※5話及び他話数のより詳しい感想はこちら。↓
8:『メイドインアビス 烈日の黄金郷』第12話 「黄金」
監督:小島正幸
アニメーション制作:キネマシトラス
脚本:倉田英之
絵コンテ:小島正幸
演出:小島正幸、垪和等
作画監督:伊藤晋之、大森理恵、川崎怜奈、小里明花、滝口浩喜、竹本未希、田中宏紀、谷紫織、寺尾憲治、福島勇三、橋妙子、山崎絵美
放送日:9月28日
「ファプタは…母のすべてを継いだ…と思っていた
だがヴエロエルコ お前がいた という記憶だけは
ファプタのどこにもなかった
ヴエコ
母は…たとえファプタであっても
お前だけは
お前だけは渡したくなかったのだ」
煎じ詰めればこの台詞、この場面を観たかった。
勿論言うまでもなく、そこまでが見事に描かれ抜いているからこそ輝いてもいた。
ファプタの久野美咲さんは勿論だけど、ヴエロエルコの寺崎裕香さんの演技がとにかく本当に素晴らしかった。
ありがとう、『メイドインアビス 烈日の黄金郷』。
またこのアニメが主役たちは勿論、描かれる世界や生き物たち、諸々の脇役たちも緻密に力強く描いていたことは、例えば成れ果てた後は一つ目の姿で描かれるパッコヤンさんを巡る描写からでも伺える。
メイドインアビス烈日の黄金郷9話、Aパート冒頭。
— 相楽 (@sagara1) 2022年8月31日
パッコヤンさんが長い時間を経て再開したヴエコに何かとても話しかけたがっていて、でもできなかった様子を原作の1コマからの大幅な拡大版としてお届けされていた。パッコヤンさん……。 pic.twitter.com/D1XKLPOip4
原作ではパッコヤンが崩れ消えたその後、「こ やァ……」と僅かにその名前の断片を口に出せただけなのだけど。
— 相楽 (@sagara1) 2022年9月28日
アニメ版は「パッコ…ヤン…」と口にしたのが視聴者は聴こえるし、パッコヤンもきっとヴエコが彼女だと分かったんだとはっきり認めた上で消えていく。
アニメ版が贈る餞(はなむけ)。 pic.twitter.com/bzE7rfnHIQ
パッコヤンさんについては他の人のだけれど、こちらのブログ記事をぜひどうぞ。
9:『86-エイティシックス-』22話「シン」
監督:石井俊匡
アニメーション制作:A-1 Pictures
脚本:大野敏哉
絵コンテ:石井俊匡
演出:石井俊匡
作画監督:成川多加志、真壁誠、伊藤美奈、波部崇、小川莉奈、稲田正輝、樋口香里、安田京弘
総作画監督:川上哲也、杉生祐一
放送日:3月12日
概ね非常に陰鬱な空気の中、同じような展開が繰り返されもするライトノベルの原作1巻を1クールかけてじっくり描いていったアニメ1期は個人的にも全面的に好感が持てたとはいえず、twitterでのやはり個人的な観測範囲内での評判もそれほど芳しくはなかった。
しかし、そうした密度の高い描写は2期まで終えてみれば相応の、あるいは相応以上の意味と意義があるものだった……そう証明するような"花火"を通じて密接に繋がり合う『86』7話&22話の描かれだったと思える。
アニメにおいて、花火は非常にしばしば象徴的な形で用いられる。
その中でも、『86 エイティシックス』7話「忘れないでいてくれますか?」&22話「シン」の一組の挿話ほど花火を多義的なイメージの象徴として描いている例はなかなかにないかとも思う(まず、22話で爆散したモルフォの色鮮やかな火花は7話での革命祭の花火のリフレインだ)。
22話は7話の画、場面、台詞、仕草等をしばしば反復しつつ(後述するようにここぞというところで数回、7話のカットが引用されもする)、シンとレーナ、二人の主人公のキャラクターと足跡の核心を見事に描き出している。そのイメージの鍵に花火がある。
何よりまずこの7話&22話の圧倒的な素晴らしさを味わえたから、このアニメ版『86』を観ることができて良かったと思う。
上記についての諸々、詳細は以下のリンク先で↓。
10:『プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2』4話「駆け出しの名探偵
〜ミロワールに想いを寄せて〜」
監督: 金崎貴臣
アニメーション制作:CygamesPictures
脚本:金崎貴臣
絵コンテ:坂詰嵩仁
演出:坂詰嵩仁
作画監督:福元陽介、普津澤時ヱ門、坂詰嵩仁
放送日:2月1日
「今、TVアニメの一つの話数にこんな人たちをこれだけ集めてしまってもいいんだ。そんなことがあるんだ」
という素直な驚きを覚えた、いわゆるSAKUGA回。
TVアニメの作画回といえばプリコネ2期4話原画陣、あれ一体なんだったんだろ。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月11日
今期関連で言えば例えば
チェンソーマン監督
チェンソーマン&うる星やつらOP絵コンテ演出他
ぼっち・ざ・ろっく!監督
ヤマノススメOP絵コンテ演出
ヤマノススメED一人作画
「をはじめとする凄い皆さん」が勢揃い…… pic.twitter.com/wOlOSRCE3p
ところで一説?によるとこの面子の幾らかは『ゲーマーズ!』OP(の終盤)と重なっていて、
Key Animation: Ryu Nakayama (中山 竜)
— randomsakuga (@randomsakuga) 2018年7月30日
Satoshi Sakai (酒井 智史)
Shun Enokido (榎戸 駿)
Takahito Sakazume (坂詰 嵩仁)
Tatsuya Yoshihara (吉原 達矢)
Yushi Tanaka (田中 優士)
Yuuya Kumagai (熊谷 勇也)
Anime: Gamers! (ゲーマーズ!) (2017)https://t.co/S6T4Ezj6rL pic.twitter.com/Hp0fuSA9Wi
プリコネ2期4話アクション場面最大の華も後半のゴーレム戦であったことからも"あの感じを更に進化させた形でもう一度!"という趣もあったのかもしれないし、別になかったのかもしれない。
なお、ガンガン激しく動きながらもどんな動きか観る側が結構しっかり追える、追いやすい見せ方になっていたり、話も面白いしキャルさんは最高にかわいいしで、作画の魅力以外にも質が高い素敵な挿話でもあった。
で、プリコネ4話は冒頭から締めまで凄い中でも、ゴーレムの腕落としてからめいめいが駆け上り、吹っ飛ばされ魔法でサポートされぐるりぐるりと飛び回り、頭上から体内侵入~救出失敗、~プリンセスストライク連発と1分半以上延々愉しいアイディアとものすごい画が続くの圧巻だった。 pic.twitter.com/MbkNcU9gBe
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月3日
プリコネ4話、激しいアクションが続く時にその場面でキャラクターたちの意図や計画を長々喋るので動きが寸断されるのを避けるには、例えばアクション場面のバックでナレーション的に事前に彼らがやってた作戦打ち合わせを台詞で流せばいい……というのは素敵だし観ていて楽しかった。
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月3日
なお、アクション描写がしっかり追える感じのものである一方、日常パートで再視聴重ねる前提の詰め込みなり上乗せなりも時折していて、そこもちょっと面白かった。
プリコネ4話、構図も綺麗だし、1回観るだけではとても追いきれないくらい複数キャラクターに表情豊かに芝居させるととても臨場感出るし楽しい。 pic.twitter.com/VFCkZqVWdy
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月3日
■2022TVアニメOP/ED10選
■2022年TVアニメ10選に入れ切れなかった好きな話数・作品
1:『機動戦士ガンダム 水星の魔女』
2:『王様ランキング』21話&『チェンソーマン』8話
3:『ヤマノススメ Next Summit』7話(、5話)
4:『モブサイコⅢ100』8話(、6話、12話)
5:『BLEACH 千年血戦篇』6話
6:『かぐや様は告らせたい』3期5話、3期12話
7:『ヒーラー・ガール』3話
8:『サマータイムレンダ』15話
10:『よふかしのうた』11話-13話
11~:『スローループ』『ラブライブ!スーパースター!!』2期『Engage Kiss』『錆喰いビスコ』『ヴァニタスの手記』2期『であいもん』『ダンス・ダンス・ダンスール』『その着せ替え人形は恋をする』『異世界おじさん』『怪人開発部の黒井津さん』『アークナイツ [黎明前奏]』『転生したら剣でした』『阿波連さんははかれない』『ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION』他
1:『機動戦士ガンダム 水星の魔女』
第一に『水星の魔女』は毎週放映を楽しみにしていた点でも今年のTVアニメ中で上位一桁に間違いなく入り、そして毎週期待に応えしばしば上回る面白さを見せつけてくれたし。感想を書いた量、投じた時間ではあるいは今年一番の作品だったかと思う。
ただどれか一つの話数を今年指折りのものとして挙げる……となると選択が難しい。
仮に何かしら一つの話数を「これだ」と決めて振り返ってみれば、いかにその話数が面白かったか卓抜だったかはきっとどんどん書いていけるに違いないのだけど、そういうわけにもいかない。
時にはそういう作品もあったりする。
2:『王様ランキング』21話&『チェンソーマン』8話
つまり御所園翔太さんの回。
御所園さんの絵コンテ(・演出)回にはユニークかつ圧倒的な構図の面白さがある。
王様ランキング21話、すっごいな!!構図の面白さが今期一番。まずボッスの圧力と雄渾な膂力を示す対決場面(体を透けさせイメージの姿だとさらっと示したりも)があるし、アバンのボッスの悠然とした歩みをこうも長く観させるのも構図と演出の力だし、打ち倒され這い進むやはり長い場面との対比も。 pic.twitter.com/8jyD77ZTGk
— 相楽 (@sagara1) 2022年3月12日
縺れた因果を己の背に負う、これも一つの王の姿とサブタイトルと(もちろんその上で次代の王、ボッジの「王の剣」の姿が示されるのが熱い)。
— 相楽 (@sagara1) 2022年3月12日
その何もかもを振り払い打ち壊し無に帰すべく溜められる、背負っていた空間を埋める棍棒という流れ、すごく鮮やかだった。 pic.twitter.com/oS8xMymzme
他のあらゆるものを振り捨て踏みにじっても、互いにこの相手だけは……という二人の今の有り様。すごい構図。
— 相楽 (@sagara1) 2022年3月12日
3枚目のあたりからボッスの顔のところが白く光ってる演出はなんだろう。 pic.twitter.com/9WWCbJqRZV
『王様ランキング』21話、御所園翔太さん絵コンテ・演出回もやはり素晴らしかったので、https://t.co/c5tdMdHFnC
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月2日
チェンソーマン8話で気になった人はぜひ。
あと、
アニメ版『チェンソーマン』感想メモhttps://t.co/iRmIK70oZh
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月2日
8話「銃声」。絵コンテ/演出=御所園翔太さん(演出は佐藤威さんと共同)。
サムライソード戦のアクションも良かったけどアバン、酔い潰れたのを自宅に運び込んだデンジに声をかけるまで、アニオリで描かれた姫野先輩の姿が圧巻だった。
なぜどちらか、特に『王様ランキング』21話が10選から漏れる羽目になったのか自分でも割と謎なのだけれど、入れたいのは山々であっても選んだ作品のどれかを外そうと思うと、どれも外せない。
どうも話数だけでなく、作品全体への思い入れも大きいらしい(自分のことだけど、なんだか「らしい」というくらいの表現になってしまう)。
『王様ランキング』はシンプルなデザインだからこその力強い表現を志向したアニメ版の映像の在り方に大いに惹かれ続けながらも。
キャラクターやストーリーには(面白く好ましい点も多々あると感じつつも、諸々引っかかることも少なくないことから)距離をおいてしまうところがあり。
『チェンソーマン』は原作のファンで、アニメ版は豪華絢爛なスタッフを揃えた実写志向の挑戦的でリッチな作りを興味深く毎週観て、常に前のめりで意欲的なチャレンジをすごいなと感じつつ。
うまくいっていると思える部分への感嘆と共に、それはどうかと思える部分も数多くあって複雑な思いを抱えていたりする。
3:『ヤマノススメ Next Summit』7話(、5話)
『ヤマノススメ Next Summit』第7話
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月9日
「初日の出、どこで見る?」
脚本:山本裕介
絵コンテ・演出:斎藤圭一郎
作画監督:佐藤利幸
総作画監督:松尾祐輔
「クラスメイトと山登り!」
脚本・絵コンテ・演出・作画監督:ちな
総作画監督:松尾祐輔 pic.twitter.com/KWkQQZFRhI
ヤマノススメNS、7話Aパート、癖強くて面白い構図連発というか、もうなんかずっとそんなのばっかりで笑える。楽しい。ひなたがベッドにダイブするところからの一連の描写と、初日の出あたり、特に良かった。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月15日
ヤマノススメNS、7話Aパートでは、まずここ、https://t.co/MqKBpDFhcp
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月15日
あまりに良すぎる映像でなんか観ていて笑えた。 pic.twitter.com/TFlaBRUtbf
ヤマノススメNS、7話Bパート。冒頭のLINEのためらいつつ操作する繊細な動きと心情、電話を受けるあおいの表情と仕草、ベッドに腰を下ろしてからの"脚の表情"とか服の皺とかの描写をもって、すごい映像始まったよ、とのっけから理解(わか)らせてくれる。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月15日
ヤマノススメNS、7話Bパート。「ここからはカバン、自分で持つよ」の前の小さい子たちのおふざけ&ケンカ&大泣き場面から、その後のあおいの中学時代の回想も含みつつの一連の幾度もすごくコミカルに画を崩してみせていく場面、めちゃくちゃいい……。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月15日
で、周りの皆をめちゃくちゃ巧くて味のある崩した表情や仕草で描きまくって、https://t.co/9DzJ3B4Kl7
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月15日
それがまず極めて魅力的でありつつ、あまり崩さないかすみさんの姿(でもその空気をすごく楽しみ喜んでいる)を引き立てもして。やっぱり、めちゃくちゃよかった。ヤマノススメNS7話Bパート。
ヤマノススメNS、7話Bのパート、ずっとずっと良い映像だったけど、ここはもう(この後の中学時代の回想あたりも含め)、https://t.co/2vYTAbpCmF
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月15日
なんかすごすぎてやっぱり笑えた。 pic.twitter.com/eIC80P2zUr
#ヤマノススメ Next Summit 第5話
— TVアニメ「ヤマノススメ Next Summit」公式@毎週火曜日放送・配信中 (@yamanosusume) 2022年10月26日
「登山部からの挑戦!?」「武甲山で愛のムチ?」
の場面カット、あらすじを公開👏https://t.co/4X88wL9CLO pic.twitter.com/HFSQLQkWBi
「ヤマノススメ Next Summit 第5話、予告に出てる画像の時点で(特に1枚目(4枚目も))なんかすごいな……」
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月1日
↓
公式のSTORYページ見るhttps://t.co/IhKvsvcy3z
「#05 登山部からの挑戦⁉
脚本・絵コンテ・演出:山本裕介
作画:松本憲生
総作画監督:松尾祐輔」
作画。あ、ハイ。
ヤマノススメ Next Summit5話、冒頭のっけからいつもの最強のOP、そしてその後最強のアニメーションが始まっちまったなあ!と前半パート観ている間なんか脳内でデンジっぽい声が騒いでた。最初の横顔、教室のドアを開ける姿、昼食を食べる、初めて覗く部室の光景……画が構図が、
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月1日
アニメーションが巧過ぎる。後半パートそしてEDは(後半パートの視点は主にあおいが担当していても気持ちとしては)子どもを見守り送り出す親の視点の強調……なんかこう、いつもの最強のOPともあいまって、ぐっと心にくる……ヤマノススメ Next Summit、あまりにも強いアニメ……。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月1日
ヤマノススメ Next Summit5話、本編前半パートも後半パートも割とけっこうな頻度で入るいわゆる「かんたん作画」、手の抜き方(といっていいのかどうか怪しいけど)さえも味があってうまくてすごい。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月1日
ヤマノススメ Next Summit5話、なんかこの厚みと存在感がなくて背景と一体化してるような登山部のその他大勢の皆さんという画なんかも妙に好き……。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月1日
いや、他にもっとものすごい画や場面てんこ盛りなんだけど、つい、なんとなく。 pic.twitter.com/SetsZdFxxj
ヤマノススメ Next Summit5話、後半パートも、あたりまえのように山の登りと下りとか、疲労の度合いとかキャラクター毎の個性とかで歩き方、体重移動の仕方とかすごい描き分けしてたよな……。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月1日
Next Summit第5回ご覧いただきありがとうございました!
— 山本裕介@Next Summit (@nutszero1) 2022年11月2日
ヤマノススメ・ビフォーアフター。山本の書いたポンチ絵が完成画面ではこの通り。アニメーターさんと仕上げさん、美術さん、撮影さんの力は凄いです。(ちなみに他の人の書いたコンテはもっと絵が上手いです) #ヤマノススメ pic.twitter.com/m7wDusmTge
ヤマノススメ Next Summit5話観てすぐ書いた感想で挙げた、https://t.co/u2ESXRJldN
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月2日
「教室のドアを開ける姿」
「昼食を食べる」
「初めて覗く部室の光景」
がちょうど例示されていてちょっと笑った。
いや、だって全部すごく良い場面だったから、そうもなるよね。
>RT
4:『モブサイコⅢ100』8話(、6話、12話)
モブサイコ100Ⅲの8話、噂通り絵コンテ・演出・作画監督=伍柏諭回だった。そして特に終盤というかED……といっていいのかな?すごい空間が展開されていた…………とてもユニークな味わいだ……。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月23日
凄いというのは明らかな回だったけど、それにしてもいろんな凄さがあるんだな、と思える回でもあった。https://t.co/KUqP9w2xKY
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月23日
『モブサイコ100 III』8話の宇宙人:久野美咲……ゴジラSPのペロ2といいメイドインアビスのファプタといいそれにさよ朝のメドメルといい「こんな難しい役も久野美咲さんなら、久野美咲さんなら見事にやってくれる!」と無茶ぶりが過ぎないかなと思いはした。全部応えてるからそうなるんだろうけど。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月23日
モブサイコ100Ⅲ、この6話は節目の回になるんだろうなとはそりゃあ思えたので落ち着いてゆっくり観ようということで、先程ようやく観たのだけど。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月10日
なるほどなー。良い回だった。画もだけど、何よりえくぼ役大塚明夫さんの演技の回だなー。素晴らしかった。
モブサイコ100Ⅲ6話「神樹③ 〜エクボは〜」。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月10日
例えば2022年のTVアニメ話数別10選企画で選ぶ人も少なくないだろう話数だね。
モブサイコ100Ⅲ、12話「告白~これから~」。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月24日
この最終話まで来て、超能力でもなんでもない、霊幻新隆の必死の走りと縋りつきをこの作品自慢の画の力で描き出す。見事な場面だった。良い最終回だった。
5:『BLEACH 千年血戦篇』6話
BLEACH6話、この最高のかっこよさに満ち満ちた戦闘と、最低の情けなさに満ち満ちた落とされ方、なんかこう、いろんな意味ですごい。すごいよBLEACHさん。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月14日
https://t.co/9fDgHCdtIb
— 邱 家和_Q KAWA_Animator (@Skydash827) 2022年11月14日
ブリーチ六話、山本の卍解のところ描かせていただきありがとうございます!撮影も色彩も作監も最高にかっこいいです!全部スタッフの皆のお陰です!
実は山本の太刀が普通の状態に戻るアップのカットまでやりましたがbooruの方まだ更新されてないみたいですwでもありがとう!
「昨晩のBLEACH6話山本総隊長のバトル描写、すごかった。どういう人達が手掛けてたんだろ」
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月15日
「無職転生7話&21話訓練シーンはじめ「ほぼ毎回エリスのアクション作画を担当」、「山本の卍解」や「天地滅禁の前に、山本が喋りながらゆっくり顔を上げて、最後叫ぶカット」もやってました」
なるほど……。
6:『かぐや様は告らせたい』3期5話、3期12話
かぐや様3期5話観ていて、笑いすぎて喉が痛い。本当に普通にとても痛い。特殊EDでトドメまでさしてきて苦しい。なんでそこまでやるんだ。パリピ孔明6話に続いてかぐや様でもラップ回……。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月6日
芝公園をジャックしてステージに。ドローンも飛び交う。どういうアイディアの盛り方してんだろうな……。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月6日
かぐや様、1期で全体に良い感じで3話EDチカダンスとか飛び道具もあったのを2期であれだけ磨いた上に11話でシリアスなドラマもがっつり描いて、3期でも5話本編でぐっと面白くなるラップパートをそのパートは畠山監督絵コンテで入れてきて更にだいぶ異色の特殊EDを……って、貪欲な作品だなーと思う。 pic.twitter.com/QiH9v9rKx2
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月10日
かぐや様3期5話(12話)https://t.co/scFnCuRt0P
— 相楽 (@sagara1) 2022年7月2日
12話はもちろん素晴らしかったのだけど、5話ラップ回、大好き。
芝公園をDJが回す場面、好きすぎて初見で思わず声が出た。
圧巻の特殊EDも話題になった回。
まずなによりこの話数自体の面白さがすごいし、
笑いに溢れた演出の中での大事なテーマ"恐ろしくても偽らない自分を大事な相手に見せる"は3期終了と共に発表された「新作アニメーション」で描かれるだろうクリスマスのエピソード(原作150-151話)に……そして早坂についての(182-)187話(分量としてここまで描けるか怪しいけど、
— 相楽 (@sagara1) 2022年7月2日
もしもTVアニメ4期としてやるならそこで締めるのが美しいと思う)にダイレクトに繋がっていくもので、それぞれ原作全体を通じベスト1,2に位置する挿話と思えるから、ここを全力で描き抜いたことは流れとしてもきっと、正しさに満ちている。
— 相楽 (@sagara1) 2022年7月2日
最終回、回想の色を喪って得ようとしてもすぐ消されるモノクロの世界から、キャンプファイヤーの明かりに照らされ舞い上げられ包み込むように飛ぶ心の風船に、色に囲まれるかぐや様というの、シンプルでも力強い表現ですごく良かった。
— 相楽 (@sagara1) 2022年6月24日
ありがとう、かぐや様3期最終話。 pic.twitter.com/qpymhCpsve
— 相楽 (@sagara1) 2022年6月24日
3期最終話、なんといってもまずはハートつかまえて抱きしめて喜ぶかぐや様だけど、序盤からこれまででも一際麗しいかぐや様が画としても要所で出てきていて、それもとても良かった(もちろん、諸々のギャグや崩した画と場面も)。 pic.twitter.com/63sXGl704C
— 相楽 (@sagara1) 2022年6月24日
7:『ヒーラー・ガール』3話
奇抜な設定を打ち出しつつ、本編はごくごく真面目に……そして"TVアニメとして革新的なミュージカル描写をやり続ける。各話、歌唱場面としても趣の違う良さを打ち出し続ける"というはっきりとした野心を表明もし、映像として見せつけていった在り方。
1話から連続で繰り出される一人作画回、そして全話の絵コンテを入江泰浩監督が担当し常に見事に三次元的な広がりとその中を動くキャラクターという、構図の良さを保ちきった質の高さが全般に非常に好印象の作品だった。
ヒーラー・ガール12話観た。まっとうにまっすぐに、良いアニメだったなー。序盤中盤の三次元的な広がりを感じさせる空間の中を動き回る構図と画の良さ、例えば3話即興ミュージカル、特に好きだった。https://t.co/XBFFWMzV2R
— 相楽 (@sagara1) 2022年6月20日
最終話で髪を切った玲美さん、何割か増しで美人に見えてちょっと驚いた。
ヒーラー・ガール3話、Aパートの即興ミュージカル、がっつり(斜陽館をモデルにした)施療院の構造作り込んで理解して、その中を縦横無尽に動かしますというの、音楽との連動も含めて凄まじい総合力だなーと。 pic.twitter.com/YUozgRXmMl
— 相楽 (@sagara1) 2022年4月18日
8:『サマータイムレンダ』15話
サマータイムレンダ15話、あからさまに力入った回だったなー。立体的なアクションも派手なエフェクトも凄いし、キャラクターの顔つきなんかもいつもより一層綺麗。
— 相楽 (@sagara1) 2022年7月21日
サマータイムレンダ15話、例えばローゼンクランツとギルデスンスターン(「は死んだ」、と続けたくなるネーミング)引き連れて現れたところからの朱鷺子さんの顔、朱鷺子さんに襲いかかる澪の影の動きあたり、特に好き。
— 相楽 (@sagara1) 2022年7月21日
サマータイムレンダ、時にアクションの流れや顔芸を原作漫画を踏襲しすぎていた感は少しあったけど、とにかく綺麗で丁寧なアニメ化で、特に15話「ライツ カメラ アクション」のアクション、23話「常夜」の異界描写は卓抜だったと思う。
— 相楽 (@sagara1) 2022年9月29日
挿話として面白かったし、作品全体として「P.A.WORKS、これからはこういう路線も手掛けていくのかな。そうだとしたらかなり素晴らしい第一歩を新たな人気も獲得しつつ踏み出せていて、良い感じだな」という点でも興味深いTVアニメだった。
パリピ孔明6話のラップバトルパート(尺もたっぷりと長い)、良かったなー。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月5日
ラップパートのディレクションはクレジットにもある通り、HOME MADE家族のMACROさんとのこと。
画像1枚目は放送前のスペシャル番組https://t.co/vvjmfHSuLO
から。 pic.twitter.com/TkKJY1vkug
10:『よふかしのうた』11~13話
『よふかしのうた』11話アバン。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月17日
探偵・鶯餡子/声=沢城みゆき登場場面。
夜の中の夜、夜の中の影と。煙草の火と煙。影の世界への橋。 pic.twitter.com/sSYqxN5Ng9
『よふかしのうた』11話、沢城みゆきアワーだったねー。すごかったねー。少し前だと鬼滅の刃遊郭編の堕姫でもやってたし、『MARS RED』デフロットでもやってた。https://t.co/OKrv9hQiB3
— 相楽 (@sagara1) 2022年9月15日
よふかしのうた12話、ナズナが「コウ君は今、最初に出た夜と同等、もしくはそれ以上の刺激を感じているか?」「…コウ君、非日常なんてものはね 長くは続かないんだよ」というように、1話からの鮮やかで刺激だった夜の色が観ているこちらにとってもだいぶ見慣れてきたものになってるの、面白い。
— 相楽 (@sagara1) 2022年9月22日
よふかしのうた12話、パトカーのランプの赤がそのままスライドしてコウが逃れ潜む遊具を象る場面。つまり、誘うように魅力的な夜の青や紫が、探偵さんが唆し放った社会が睨み捕えようとする赤に逐(お)われ、その赤がコウを絡めとっている様子なんだろうな。巧い。
— 相楽 (@sagara1) 2022年9月22日
『よふかしのうた』12話終盤。
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月17日
パトカーのランプの赤がそのままスライドしてコウが逃れ潜む遊具を象る場面。 pic.twitter.com/dSGwESgz2Q
ちなみに原作にはないアニメオリジナルの演出。
— 相楽 (@sagara1) 2022年9月22日
基本モノクロな漫画(原作)に対する、カラーなアニメならではの見せ方ということでもあるね。https://t.co/nIFW5w5Vnk
あと漫画のキャラクターは紙の上で沢城みゆきさんの声で喋ってくれたりしないし……。いや、立ち位置的にもその登場によりこれまでと(コウにとっての)作中世界を一変させるキャラクターだからそれで大正解過ぎるんだけど、それにしてもなんというか沢城バフ、強力過ぎない?https://t.co/vByJKJgJs6
— 相楽 (@sagara1) 2022年9月22日
『よふかしのうた』1話/13話の自販機での出会いの反転しての再現、https://t.co/7RFUmLXOQD
— 相楽 (@sagara1) 2022年9月29日
原作でも明らかに意識した画になっている絶対拾わなきゃいけない所をしっかり拾って。かつ、いい闇の色をつけていて良かった。ちなみにここのコウ君、どことなく『第三の男』っぽくもある(そうか?)。 pic.twitter.com/42IZyZxDgd
『よふかしのうた』1話/13話、自販機前の出会いの逆転。まず、1話。 pic.twitter.com/X6hBpwr7dW
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月17日
ついで、13話。 pic.twitter.com/bq1ka0JKIV
— 相楽 (@sagara1) 2022年12月17日
よふかしのうた13話、描かれ続けてきたその「夜」がアジールhttps://t.co/vH35mF8prA
— 相楽 (@sagara1) 2022年9月29日
であること……ではなにからの避難、自由なのかという輪郭をハツカとの会話で割と直截に語ってた感じもする。
男と女だから「こうだ」とか恋愛とはこう、好きとはこう、人間と吸血鬼とはこう、
本当はもっと理解し難い、単純に型にはめ込んで決め得ないものを決めつけられて押し込められたりそれに従わないことからの。
— 相楽 (@sagara1) 2022年9月29日
で、なにも知らないコウを「夜」というアジールに誘ったナズナも「夜の遊び方なんて本当は全然知らないもんな」となによりまず自分に白状した上で、
簡単にわからないものはすぐに形を定めず「2人でずっと新しいこと探せばいいんだよ」と二人なら、二人だから一緒に楽しく、退屈せず探っていけるんだと避難所、聖域への逃げ込みから、旅立ちへとシフトさせたのかなー、という。
— 相楽 (@sagara1) 2022年9月29日
しかし『よふかしのうた』、そのアジールとしての「夜」https://t.co/41Y6AZ1PQN
— 相楽 (@sagara1) 2022年9月29日
に一気に外界を持ち込んで崩した、13話でコウが「通報され僕はまんまと"夜"から遠ざかった。「楽しくない夜」を作られてしまった」と述懐することになる11話https://t.co/SENN1ZUZZ5
と、
12話の沢城みゆきの探偵さん、https://t.co/nIFW5w5Vnk
— 相楽 (@sagara1) 2022年9月29日
演技の凄まじさ映像演出の見事さも相まってそこが作中で一番圧倒的だった印象もある。
本当は「夜」の魅力が上回らないといけなかったような……。
沢城バフ、強すぎるのも考えものなのかもしれないとちょっと思う。https://t.co/ytzchQaSKL
11~:『スローループ』『ラブライブ!スーパースター!!』2期『Engage Kiss』『錆喰いビスコ』『ヴァニタスの手記』2期『であいもん』『ダンス・ダンス・ダンスール』『その着せ替え人形は恋をする』『異世界おじさん』『怪人開発部の黒井津さん』『アークナイツ [黎明前奏]』『転生したら剣でした』『阿波連さんははかれない』『ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION』他
2022年も前項までで挙げた他にも、こうしてざっと並べるだけでも他にも面白いTVアニメが幾つもあって。
例えば『スローループ』は地味ながらも堅実に原作漫画と向き合って描かれた佳作として、原作とアニメの描写を比較しつつ毎週とても楽しみに観ていた。
『ラブライブ!スーパースター!!』2期は最終話の前までは時折引っかかるところはありつつ、なんだかんだ楽しく観ていた。
3期(以降)の制作公表も前提だったろうとはいえ、一応の結末を迎える2期最終話で澁谷かのんの留学話をほぼ茶番とも思える(詳細は宙吊りとなっているけど)扱いにしたのはなぜだろう。疑問でならない。
『Engage Kiss』は序盤は自分を含むきっと多くの人に「ああ、アクション作画とかが売りの、話はしょうもないやつかな」と思い込ませながら、徐々に記憶と契約を巡る見事な構成と仕掛けを見せつけていき。
全体を観ればボンクラで始まりそしてボンクラで終わるために必要な手続きをしっかり組み上げて踏んでいったという、ふざけるためにすごく真面目な良い作品だった。
『錆喰いビスコ』は原作1巻を1クールかけてじっくり描く中でのビスコとミロ、主役コンビが世界を駆け抜ける圧倒的な魅力に惹かれ、
錆喰いビスコ、終盤の鬼気迫る相棒同士、敵同士等々のやりとり、駆け引き、対決ももちろん良かった上で、5話そして6話あたりのhttps://t.co/THs0kjFieC
— 相楽 (@sagara1) 2022年3月28日
キャラクターの貌もだんだん色濃く見え始めてきて、旅の楽しさに溢れてもいた空気が、振り返ってみれば一番好きだったな。 pic.twitter.com/1THhtaFPkI
原作小説既刊8巻も手に取り、読み進めることになった(面白かった。下記ツイートから原作小説感想連投)。
『錆喰いビスコ』、原作既刊8巻読んでみた。
— 相楽 (@sagara1) 2022年6月29日
終始、勢いがあり楽しくていい。ビスコとミロは世界を貫き揺るがし創る一本の矢、どこまでも飛んでいく。
アニメは1巻を1クールかけてやっていて。そこで原作の大体の魅力はきっちり提示されてたなーと思う。
なお、3巻あとがきに
『ヴァニタスの手記』2期は画もアクションも構図も、必要な時に必要なだけ美しく華麗で、また、力強くもあった。
例えば19話。
ヴァニタスの手記19話、まさにそこで欲しいという場面で圧巻の顔の良さをぶつけてくることができる、強いアニメ。 pic.twitter.com/tJf2lweSlE
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月25日
ヴァニタスの手記19話、ローランの言動、表情、描かれ方はいつも面白い。正しさ、その力、その扱いについてノエに語るヴァニタス、それを背中で聞く場面は特に好き。
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月25日
あくまで自分の捉えた正義、思いのままに動くけど、その前に非常によく状況を人を観察し捉え、関わり動かす様子が毎回楽しい。 pic.twitter.com/wQvZzctOZW
岡村天斎さんが1期2期を通じて6話分絵コンテを担当、勿論アクション面でもその力を見せつけつつ。11話&20話でヴァニタス&ジャンヌのデート回をめちゃくちゃかわいく楽しく描いてみせたのも見どころだった。
『ヴァニタスの手記』20話「Mal d'amour―不治の病―」。ヴァニタスとジャンヌの病状進行とその自覚が周囲を振り回す。めちゃくちゃかわいい。あ、これはデート回だった11話と同じく……https://t.co/ZNMpD3Iacg
— 相楽 (@sagara1) 2022年3月4日
と思ったらやはり岡村天斎絵コンテだった。
また8、15、19、22話で絵コンテを担当した大ベテラン、望月智充さん絵コンテ回のキャラクターたちが激しく動く前の空間の提示の仕方がいつも際立って美しくもあった。
ヴァニタスの手記、望月智充さん絵コンテ回(過去は8話、15話)https://t.co/FPiOkkvVGR
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月25日
はキャラクターたちが動く構図の見せ方その中での動き方、あとコメディとシリアルの往還の描写がいつも好きだった所、19話も特に花畑での各々のやりとりの所とか、やっぱり素晴らしかった。
※上記tweetの中で「シリアス」を「シリアル」と誤タイプしている……。
老舗の和菓子屋を舞台に京都の四季に折々の和菓子を添え、移ろう季節と変わりゆく人の心、繋がれていく縁、繋ぎ直されてゆく縁をゆったり描いた愛すべき佳作『であいもん』。ここでも望月智充さん絵コンテ回で描き出される空間はとても綺麗だった。
であいもん9話、まず空間の様子を(風景だけのカットもしばしば挟みつつ)随所ですっと綺麗に出すことで、その中で動くキャラクターの存在感というかそこに息づいている様子が良く出てた印象。望月智充さん絵コンテ回、ヴァニタスの手記の時とhttps://t.co/FPiOkkO4UZ
— 相楽 (@sagara1) 2022年6月1日
作品のイメージだいぶ違うけど、 pic.twitter.com/elXVph4Zpk
『ダンス・ダンス・ダンスール』の魅力はまずなんといっても圧巻のバレエ描写。
ダンス・ダンス・ダンスール、踊り合戦とかなると各々が何ができていてできていないか描き分けかつそれが作中の解説通りだと視聴者にも感じさせないといけないし、体型や立ち姿等もモブに至るまで皆バレエダンサー(の卵)として常に描かないとだし、観てるだけであまりに大変そうですごいな……。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月20日
勿論、原作由来のドラマ部分も良い味が出ていた。
ダンス・ダンス・ダンスール、数日前にためしに原作漫画読んでみたら面白すぎて止まらなくなって、結局最新の23巻まで読んだりした。潤平を巡る多くの先生、師の描き方が特にすごい。止むを得ずそれぞれの下を去る際の弟子の側のやむを得なさも、送り出す側の各々の立派さありがたさも描き方がいい。
— 相楽 (@sagara1) 2022年5月13日
それとバレエを踊る、その踊りを見つめる視線を媒介に主観視点から主観視点へとゴリゴリ繋いでいくOP映像も圧巻であると共にまさにこの作品に相応しいものでもあった。
『その着せ替え人形は恋をする』は原作からして派手な衣装、装飾で飾られつつ、自分の好きなもの、他人の好きに向き合うというまっすぐな上にもまっすぐな主題を貫く話であるところ。
アニメ版も非常に充実した映像で楽しげに賑やかに彩られつつ、あくまでまっすぐな「好き」に向き合う物語が綴られていた。
時折「喜多川海夢は「オタクに優しいギャル」」だなどと言われているのも目にしたけれど。
あえていうならば喜多川海夢は「オタクに優しいギャル」でなくこちらがオタクの方で、五条若菜は「理解のある彼くん」でなく幼い頃に決めた生き方を理解されないトラウマを抱える彼の「理解のある彼女さん」が喜多川海夢だろう。
ただ、こうして定型をひねった(逆にした)類型を提示しておいて、早速それを自己否定する話をすることになり、なんなのだけど。
喜多川海夢は「理解のある彼女さん」でなく喜多川海夢で、五条若菜は「オタクに優しい彼くん」でなく五条若菜で。そう言えるに十分な在り方を描かれているかと思う。
キャラクターが類型的でしかないのか、観る側がそういう枠にはめてしか観れていないだけなのか、というのは気にするべき問いのようにも思う。
「〇〇に都合が良過ぎるキャラクター」という話もそう見るよりも。多種多様な人間がいる中、各々が自然に振舞うことがお互いにとってだけは限りなく都合が良いというか、他の誰にもおよそ期待できない文字通り「有り難い」ものである、そういう組み合わせの奇跡がオタクだとか陰キャだとかギャルだとか理解ある優しい彼くんとか、まあなんでもいいけど……喜多川海夢や五条若菜がそうであるように通り一遍の類型なんかに簡単に収まらない、自分にもどうにもし難いどうしたってこうある自分、みたいなのを持っているというか手放しようがない人にとってはある種の夢とか希望とか祈りとかに成り得たりもするのかな、それはごく素直に素晴らしいイメージではと。
そこまでのユニークさみたいなのとは良くも悪くも縁遠い身としては思えもする。
好きな話数、場面は数多いけど一つ挙げるなら、例えば11話のここ。
着せ恋11話で終始良かったラブホ入ってからの画面、https://t.co/fCZaQMmx1J
— 相楽 (@sagara1) 2022年3月19日
2回に渡る"はしゃぐ喜多川さん"が場面としても画としても流れの中でのアクセントとしても特に好きだったのだけど、これ、原作確認してみたらはしゃぐ場面全体がアニメオリジナルの挿入なようで。いい仕事するなー。 pic.twitter.com/TJev2sQ1vp
絵コンテ・演出の山本ゆうすけさんは(同じくCloverWorks制作でアニメーションプロデューサーを梅原翔太さんが務める)『ぼっち・ざ・ろっく!』では副監督として全体を支えつつ、3話絵コンテ・演出も手掛けている。
『異世界おじさん』は画、構図、劇伴、演技を中心に手堅く常に良い感じの愉しい作品。
異世界おじさん2話。生活ぶりを推し量る目の遣り方から。誰もいないことを前提に、床に落ちたたかふみ以外の痕跡を物語る長髪に目を光らせ、しずしずと部屋を横切り、繊細な作画でマフラーを解く……その背後でおじさんが飛んでいて、入り込んでくる……そして遭遇。空間と空気の描写がすごい。 pic.twitter.com/RXHxznNgJU
— 相楽 (@sagara1) 2022年7月13日
『異世界おじさん』、劇伴止めて概ね環境音だけにする時には足音とか風の音とか諸々の効果音繊細に気を使うべきだし、キャラだけでなく背景や場面転換等もその分雄弁に語って欲しいし、声の演技も皆図抜けて優れてないとキツい、でもこうしてそこらへんはまると本当に良いといったことも教えてくれる。
— 相楽 (@sagara1) 2022年7月13日
そして悠木碧さん演じるメイベルがすさまじく良いキャラクターで、かわいい。
異世界おじさん5話、「何すか」の後の汚い笑い、演技が少しずつ変化してく「断ったよね」の二回目(3枚目字幕の最後)の「断ったよね?」の声あたり特に、悠木碧さんだなーという感じで楽しい。 pic.twitter.com/COpP7pUf4R
— 相楽 (@sagara1) 2022年8月17日
異世界おじさん8話。調子に乗り切ったり、一転して慌て怯え、更にはエロかったり、照れまくったりするメイベルさん……CV=悠木碧くらい観て聴いて愉しいものはなかなか無い。そんな大事なことをじっくり教えてくれる良い作品だ。
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月25日
あと萌えキャラに振り切った演技の豊崎愛生のアリシアさんもいい。 pic.twitter.com/WBOR82GHf5
『怪人開発部の黒井津さん』は土曜深夜、『その着せかえ人形は恋をする』『明日ちゃんのセーラー服』と続いていた誰の目にも明らかな質の高い映像とフェチと諸々の性癖に溢れかえったCloverWorksアワーの後、深夜3時前に毎週配給されてきてくれていた一服の清涼剤(?)。
黒井津さん、毎回いろんな要素を律儀に真面目に詰め込むよなー。魔法少女の変身場面とか、まっとうに作り込んでくる。そしてどのキャラクターも必死に生きてる様が愛おしいな。ついこんな時間まで待って配信後すぐ観たくなる。
— 相楽 (@sagara1) 2022年1月29日
黒井津さんはなんというかこう、「テレビアニメとは思えないクオリティが~」系の迂遠な褒めかたをしなくていい、テレビアニメの楽しさってこういうのだよなと確認できるタイプの楽しさで好き(そういう意味ではファ美肉とかリアデイルも好き)
— みやも(大阪府) (@miyamo_7) 2022年2月6日
怪人開発部の黒井津さん4話。
— 相楽 (@sagara1) 2022年2月5日
ドヤ井津さんも、姉井津さんも、悪井津さんも、いろんな黒井津さんのすべてがいい。
いつも楽しそうなアカシック閣下が出てくると、観ていても楽しい。 pic.twitter.com/OosHmJqR05
フェチと諸々の性癖に溢れかえったCloverWorksアワーの後に黒井津さんの水着回みると、なんか妙に落ち着いた寛ぎのようなものを感じるな……とか思ってたら引退からだいぶ経った魔女っ子の変身シーンとか観ることになった。深夜3時前に。どんな気持ちで就寝すればいいんだ。なんてことしやがる。
— 相楽 (@sagara1) 2022年3月12日
黒井津さん、資本力、そしてお金の力で揃えた一定水準の物量等よりも、柔軟さや現場の熱量、創意工夫、個性、連携、etc,etcでこそなし得ることが……といった主人公側組織他の主張が直接的には特に後半話数の弾力性?や揺らぎ?に満ちた作画、ひいては業界の現状とも相まって……(やめよう)
— 相楽 (@sagara1) 2022年4月2日
『アークナイツ [黎明前奏]』はあまりにも厳しい世界で理想の灯火を掲げ歩むアーミヤさんと、支えあい共に歩むドクターの姿がゲームをやっていない自分から見ても非常に魅力的だった。
全8話を概ね陰鬱でつらく悲しいことばかりの空気で満たしつつ"しかし、だからこそその中で理想と希望を掲げ歩む魂が輝くのだ"と言わんばかりに描きぬいた気合と迫力が見事だったと思う。
アニメ続編制作も最終話放送直後に発表。楽しみに待ちたい。
『転生したら剣でした』は毎週確実に愉しませてくれた、安心感のある良い作品。
主人公の進化を目指す黒猫族のフランさんがひたすらにかわいく、戦闘場面のアクションも(中でも攻撃を回避し反撃する動きと流れが特に)毎回愉しい。
いやあ、転生したら剣でした6話、アクションはいつも以上に良い感じで楽しかったですし、いつも通りにフランさんは色々かわいいし(4枚目のその悪い表情とかも)で、https://t.co/D66ft1Tk4J
— 相楽 (@sagara1) 2022年11月3日
今週も良かったですね。 pic.twitter.com/NRisMTwzSU
なろう系小説らしく(?)色々チート気味、成長もイケイケドンドンで進むのだけど。フランさんの性格が極めて強気で前のめり、貪欲で誇り高く、責任感も強い良い子で、進化を成し得ておらず差別されている種族の宿願を自ら抱え込んだりと積極的に危機に踏み込んでいくのでダレずに楽しく観ていけるのが原作からの特徴でもある。
また現代人がファンタジーない世界に意思ある魔剣として転生し、いろいろあってフランに拾われ彼女の成長を支えて生きることに決めた「師匠」の目線でフランを見つめるという視聴者の視点もはっきりと定めやすい、もてなしに満ちた佳作だったと思う。
『阿波連さんははかれない』は11話まで主人公二人を見守ってきた視聴者に対して、そうしてきて良かったと心から思わせてくれる素晴らしい最終回を見せてくれた佳作だった。
阿波連さん、素晴らしく最終回らしい、いい最終回だった、まだAパート終わったところだけど……という流れから、皆に見守られていたのが自分で招くようにもなり、これまでが決算された上でこれからということにもなり、なんとも良かった。
— 相楽 (@sagara1) 2022年6月17日
阿波連さん12話前半で告白会の答え合わせと結論を出して後半どうするんだと思ったけど、続く日常を描きながら恋愛方面だけじゃなくて距離感がはかれない不安に対して友情で上手くやっていけると締めていて丁寧にまとめていて良かったな……
— 人間が大好き (@hito_horobe) 2022年6月17日
恋愛方面の話題だけで終わってるとライドウくん頼みになってまた対人関係で失敗することへの不安が残ってしまうんだけど、各話でだんだん広がってきた人間関係を意識してうまくやれそうと締める開かれたエンディングにしたのがコミュニケーションのアニメとして誠実で大変よかったね
— 人間が大好き (@hito_horobe) 2022年6月17日
『ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION』はグリフィスとガッツの関係性について、原作を読んだときとはだいぶ違う印象に思えてきて(改めて原作を読み返してみても、やはりこのアニメ版とは大きく違う印象になる。こちらでも明記しておくけど、原作でのグリフィスのガッツへ向ける思いについては下記リンク先で書いている話とは(今も)だいぶ異なる)、そんなところも面白かった。
■2:今年の劇場アニメ&web配信限定で面白かったアニメ&OVA他
※下記、赤字で記した作品についてはリンク先記事に感想も。
○劇場(アニメ)
THE FIRST SLAM DUNK
すずめの戸締まり
GレコⅣ
犬王
ぼくらのよあけ
かぐや様は告らせたい ファーストキッスは終わらない
マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!
GレコⅤ
からかい上手の高木さん
鹿の王
ククルス・ドアンの島
私に天使が舞い降りた!
かがみの孤城
グッバイ、ドン・グリーズ!
ゆるキャン△
君を愛したひとりの僕へ
僕が愛したすべての君へ
オッドタクシー イン・ザ・ウッズ
○配信(アニメ)
漁港の肉子ちゃん
地球外少年少女
ARIA The CREPUSCOLO
ストライクウィッチーズ 劇場版
GレコⅠ
GレコⅡ
GレコⅢ
コードギアス 反逆のルルーシュI 興道
コードギアス 反逆のルルーシュII 叛道
コードギアス 反逆のルルーシュIII 皇道
コードギアス 復活のルルーシュ
雨を告げる漂流団地
バブル
海辺のエトランゼ
思い、思われ、ふり、ふられ
○今年これから観る予定(12/22時点)
アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
他
〇OVA/ネット配信/ドラマ等
サイバーパンク: エッジランナーズ
ウェンズデー
戦闘妖精雪風
スプリガン
ヴァンパイア・イン・ザ・ガーデン
スーパー・クルックス
Tekken: Bloodline
TIGER & BUNNY: TIGER & BUNNY 2:
BASTARD!! ー暗黒の破壊神ー
戦闘妖精少女 たすけて!メイヴちゃん