2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『THE 有頂天ホテル』〜面白いけど、中途半端。《映画》が《映画》であるがゆえに持つべき面白さについて。

品川プリンスシネマのレイトショーで、三谷幸喜『THE 有頂天ホテル』を観る。 手際よく複雑な物語を処理する手腕と、しかし、余りにも《映画的でない》フィナーレの処理 作中で明示されている通り、正にいわゆる"グランドホテル形式"の、ドラマ性をちょっと…

映画『THE 有頂天ホテル』、風太郎『戦中派動乱日記』ほか。

故J・H・ワトスン博士著/ニコラス・メイヤー編『シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険』(田中融二/訳)読了。 このホームズパスティーシュ最大の傑作についての感想は明日以降に。

『さよなら子供たち』『ビヨンド・サイレンス』〜最後の一言、冒頭の一場面

『さよなら子供たち』〜最後の一言に全てがある。 かなり昔にビデオで観た作品。 その時、ある人に、最後の最も重要な台詞は字幕では表示されないことを聞き、それが何を言っていたのかということが余りにも印象深かった。その言葉があるからこそ、の映画だ…

『マルコヴィッチの穴』『アダプテーション』〜その大仕掛けを理解できるか否か。

スパイク・ジョーンズ監督、チャーリー・カウフマン脚本のコンビによるこの二作品は、共に大きな仕掛けのある映画で、それが理解できるか出来ないかで楽しめる割合が全く違ってしまうと思う。 『マルコヴィッチの穴』〜予想を裏切られる驚きと快感! 『マル…

『フィニアンの虹』〜69歳のアステアの不可思議な優雅さ。

コッポラが監督し、老年のアステアが最後に主演したミュージカル映画、『フィニアンの虹』を観る。 69歳のアステアの不可思議な優雅さ------ほとんどもう、人間じゃないな、あれは。アステアが踊れば、空気も踊り、画面も踊る。特に中盤の待ちに待った何度目…

映画短評五本『フィニアンの虹』『マルコヴィッチの穴』ほか。

会社の事情で、「今後入ってくる社員の研修プログラムを身をもって検討する」ということで5時間半、汐留の某ビルにある、某社東京支社でのコミュニケーションスキル研修とやらに参加する破目になる。結論。ひたすら馬鹿馬鹿しかった。入室手続きから資料配布…

紺野キタ『知る辺の道』谷地恵美子『明日の王様(1)』、雑誌『Bstreet』。

紺野キタ『知る辺の道』、谷地恵美子『明日の王様(1)』を読了。amazonのリコメンドで出てきて、表紙と紹介文から取りあえず買ってみたのだが、両方、結構好きな作品。特に『知る辺の道』。これ、初出が『スピカ』や『Bstreet』か…。 『スピカ』の方は船戸…

三谷幸喜『ラヂオの時間』〜「テレビの脚本家」が作った映画

テレビ放送された三谷幸喜『ラヂオの時間』を観る。 ……ともかく笑える。面白い。面白いんだけれど------この終わり方って、テレビの二時間ドラマの終わり方であって、映画の終わり方ではない。フィナーレの華やかさに余りに欠ける。ひとことでいえば、極めて…

椎名高志『絶対可憐チルドレン』〜あの椎名高志が完全復活。

椎名高志『絶対可憐チルドレン』(1)〜(3)読了。まず、主要人物の名前が面白すぎる…。 主役になる強力な10歳のエスパー少女三人の名前が、それぞれ「明石薫」「野上葵」「三宮紫穂」で、それを指揮する20歳の天才学者が「皆本光一」。エスパーの特務機…

PJ版『キングコング』〜徹頭徹尾、"男の子の夢"を描ききった大傑作

我がままを通しぬいたピーター・ジャクソンはスゴイ。 今更でなんだが、この映画は誰がなんと言おうと大傑作だ。 たとえ興行的にはその常識外れの制作費を回収できないまま終わったとしても、それで湯水のようにつぎ込んだ私財を失っても、あれだけ思うがま…

プライドと偏見〜最高!完璧!満点!!

感想も何もない、もう、この映画の全てが好きだ。もう、完璧!満点! ポランスキー『オリバー・ツイスト』だと、いろいろ注釈がついてしまうんだけど、これは何の留保もなし!! 例えば『オリバー・ツイスト』が、「あー、それはもう、オリバー役の子供は評…

東野圭吾『容疑者Xの献身』を今更になってようやく読み始める。

・・・湯川の初登場の場面までの流れ、即ちチェスの片方の盤面に並んだ駒の配置とその指し手を描き出す(多分、そういうことだろう)手際の余りの見事さに唖然。何で評判になってすぐ読まなかったんだ!まだ1/4程度読んだだけだけど、これは凄い作品だなぁ・…

映画『プライドと偏見』は最高!!

・品川プリンスシネマのレイトショーで『プライドと偏見』を観る。 最高!キャストも脚本も音楽も、そして何よりカメラワークがいい!!!!