映画

ポセイドン〜是非とも、IMAXで観よう。そうすれば、オープニングの迫力で全てを許せてしまう。

是非とも、IMAXで観よう!! 映画館で------それも、強く強く品川プリンスホテル付属のIMAXシアターで観る事をお勧めしたい作品。 DVDは勿論、他の映画館で観てもあまり意味がないかと……。 IMAXで観ればもう、理屈も説明も要らない。最初の3分弱のカットで映…

『幸せになるためのイタリア語講座』〜手法と内容とが実にうまく結びついた「ドグマ95」作品。

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』などで知られる、ラース・フォン・トリアーらが提唱した「ドグマ95」という10個の主要な規則を定めた、映画製作の自主ルールに従って作られた作品。 トリアー監督作品『ドッグヴィル』を観て、「ドグマ95」に興味を惹かれて借…

『ドッグヴィル』〜ドストエフスキー「大審問官」(『カラマーゾフの兄弟』)の一種の翻案?

ドッグヴィル スタンダード・エディション [DVD]出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント発売日: 2006/03/24メディア: DVD クリック: 84回この商品を含むブログ (84件) を見る大胆な演出やキャストの演技には興味を惹かれたものの、キリスト教と深く…

ナバロンの要塞〜素晴らしいエンターテイメント性と、一貫したテーマの描写が見事。

ナバロンの要塞 コレクターズ・エディション [DVD]出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント発売日: 2005/12/16メディア: DVDこの商品を含むブログ (1件) を見る時は第二次世界大戦中。 エーゲ海周辺地域へのナチス・ドイツの大侵攻を前に、…

『アルゴ探検隊の大冒険』〜巨大な神様だの石像だのが大暴れ。それでも逆らいまくるど根性な人たちの姿もまた良し。これぞ特撮の聖典。

アルゴ探検隊の大冒険 [DVD]出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント発売日: 2003/12/19メディア: DVD クリック: 19回この商品を含むブログ (22件) を見る1963年に製作された、古き良き時代の特撮映画の聖典の一つ(らしい)。 「大魔神」…

『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』〜品良く明るいユーモア。そして、声優陣の人選が偉いッ!!

とにもかくにも、グルミットがいいなぁ。 誰もが挙げる場面だと思うけど、やっぱり自分で育てた巨大瓜を撫でる表情、そして、それを囮につかうことを決心するところがたまらなくいい。それに次ぐものとしては、Dog Fight(!)は全て名場面だけど、やっぱり…

サイト「それいけ!日常茶飯事」より、「俳優今昔物語」〜的確な写真の選択とコメントが絶妙。ついでに、傑作『チャーリーとチョコレート工場』の感想を少し。

ネットで見つけた「俳優今昔物語」という記事の、写真の選択と短いコメントが絶妙。 中でもクリスチャン・ベール、《『リベリオン』の人》というくらいにしか知らなかったんだけど(おぃ)、熱い役者魂と見事な天然っぷりを兼ね備えた素敵な役者バカだったん…

フィラデルフィア物語〜名匠ジョージ・キューカーと愉快な名優たち

映画を観る前に持っていた基礎知識 キャサリン・ヘップバーンが女優生命を賭けて取り組み、大成功を収めた舞台の映画化です。 ヘップバーンの友人でもあった名映画監督ジョージ・キューカーが監督、ケーリー・グラント、ジェームズ・スチュアートという豪華…

『キス・ミー・ケイト』〜コール・ポーターの復活、ボブ・フォッシーの台頭

観る前に持っていた基礎知識 シェイクスピア『じゃじゃ馬ならし』を原作に、コール・ポーターの華麗で優雅な音楽で送るミュージカル映画。 長らく不調が続いていたコール・ポーターが、映画に先立つこの作品のミュージカル版の大ヒットで再び昔日の栄光を取…

東京大学物語〜最後の10分の怒涛の《四重オチ》は笑える。

なんだか色々と事情もあるし、前売り券も貰ったし……ということで、なんとなく観にいった作品。 で、この映画は、原作の江川達也が自ら監督したわけだが、その真価(?)が十全に発揮されるのは、ラスト10分に入ってから。この映画を観る人は、その時までは、…

『マイ・フェア・レディ』DVD特典映像集〜なんなんだ、この刺々しさ!

思い返せば、『雨に唄えば』『イースター・パレード』『アニーよ銃をとれ』などのDVD特典は、実に明るく輝きに満ちたものとして編集された愉しい映像集だった。 ……しかし、なぜか『マイ・フェア・レディ』の特典映像はそれらとは随分趣きが異なるようだ。 まず…

「じゃじゃ馬ならし」〜《演技》による世界の反転を描いた作品。

フランコ・ゼッフィレッリ監督で音楽はニーノ・ロータ、そしてエリザベス・テイラー&リチャード・バートンという当時のハリウッドを代表する名物カップルが主役を演じた、1967年作のシェイクスピア映画。まず、初めに書いておきたいのは、この映画の幕切れ…

『巨星ジーグフェルド』〜ともかく、このスケールの馬鹿でかさを楽しまなくちゃ。

なんといっても、この映画最大のみどころは、「ジーグフェルド・フォリーズ」の再現部分になる。ウェディングケーキを象った巨大な舞台装置の回転に合わせ、幾十人も並んだ美女達の群れが次々に現れる。そして、階段状に並ぶ美女の列の終点、ケーキの頂上には…

『クラッシュ』〜優等生的によく出来た映画。

人物の交錯を手際よく描き、冒頭とラストが綺麗に繋がる。そして、その物語全体のイメージがオープニングの象徴的な光の明滅に収斂していく構成の巧さ。バランスの取れた作品としての主張。良くも悪くも、実に《優等生的》な出来の良さを誇る映画だと思える…

『ALWAYS 三丁目の夕日』〜どこまでもベタな展開も、ここまで突き詰めれば……

この映画には、深遠な思想や文学的・哲学的な深さなどは無い。言い換えれば、観る人によってあまり感想の種類が変わらず、そのイメージのディティールこそ違え、誰もが似たようなものを作品の中に見出すだろうとも思う。 しかし、この作品は、「で、それがど…

『マイ・フェア・レディ』〜ああ、もう、本当にいい映画だなぁ、チクショウ!!

ストーリーは最高、キャスト文句のつけようが無し、カメラワークも万全、ファッションは高雅……そして音楽は名曲揃い------というより、傑作でない曲が一つもない。 ミュージカルの一つの理想を極めた『雨に唄えば』には一歩譲っても、『イースター・パレード…

『ナルニア国物語』〜肝心な部分を落とし続けている映画。脚本も悪い。

脚本がいちいちうるさ過ぎて、その鬱陶しさのせいで面白みが損なわれている。 予告篇だけ観ておくだけの方が良かったかもしれない。 原作は小学生の頃に読んだか読まないか曖昧なくらいでよく知らないので、それとの比較は出来ないが、幕開けから長く続く兄…

『回転木馬』〜まあ、音楽はロジャース&ハマースタインⅡ世なので……

かつては回転木馬の呼び込みで働き、今は天国で"星磨き"をしているビリーは、地上に残した妻子の危難を聞き、一日だけ下界に降りて来る-----そんな筋立ての正にお伽話のような、メルヘン映画。 ……であるのだが、物語としての面白みや演技については、ほとん…

『会議は踊る』〜「ただ一度だけ」

北村薫『リセット』において、この映画とそのテーマ曲『ただ一度だけ』は------『スキップ』におけるバルザック『谷間の百合』、『ターン』におけるカミーユ・クローデルの生涯と同様に-----主人公の境遇とその想いに深く繋がった作品である。従って、私にと…

スピルバーグ『ミュンヘン』〜《ギリギリの生存を賭けた者同士の間での《妥協点》を見出すための戦い》の苦しさを、末端から描く。

この映画は、『シンドラーのリスト』や『プライベート・ライアン』とは比べ物にならないくらい出来のいい、スピルバーグの傑作だと思う。 《正義》という虚構を綺麗に保っていられない状況で、その《前線》に放り込まれる人間の苦悩を、一方の側に傾いた強烈…

『PROMISE』〜いけいけ、ぼくらのコスプレ公爵!!

真田広之?チャン・ドンゴン?セシリア・チョン? ……ああ、まあ、確かにそんな人も出てたみたいだ、うん。 でも、そんなことはどうでもいいじゃないか!!さあ、ただただ、ニコラス・ツェー様を讃えよう! あぁ、もう、どうしようもなく最高、あの 怪人二十面…

『リオ・ブラボー』〜余りにも傑作であり過ぎて、何も特別に書くことが無い

……余りにも傑作であり過ぎて、感想もどうしようもなくありがちなものになってしまう。 物語の幕開けを告げる冒頭の唐突な殺人、後に明らかになる、その前のジョン・ウェインの行動の意味、納屋から突き出る馬の顔、酒場での犯人探しと発見、鉢植え投げからの…

『THE 有頂天ホテル』〜面白いけど、中途半端。《映画》が《映画》であるがゆえに持つべき面白さについて。

品川プリンスシネマのレイトショーで、三谷幸喜『THE 有頂天ホテル』を観る。 手際よく複雑な物語を処理する手腕と、しかし、余りにも《映画的でない》フィナーレの処理 作中で明示されている通り、正にいわゆる"グランドホテル形式"の、ドラマ性をちょっと…

『さよなら子供たち』『ビヨンド・サイレンス』〜最後の一言、冒頭の一場面

『さよなら子供たち』〜最後の一言に全てがある。 かなり昔にビデオで観た作品。 その時、ある人に、最後の最も重要な台詞は字幕では表示されないことを聞き、それが何を言っていたのかということが余りにも印象深かった。その言葉があるからこそ、の映画だ…

『マルコヴィッチの穴』『アダプテーション』〜その大仕掛けを理解できるか否か。

スパイク・ジョーンズ監督、チャーリー・カウフマン脚本のコンビによるこの二作品は、共に大きな仕掛けのある映画で、それが理解できるか出来ないかで楽しめる割合が全く違ってしまうと思う。 『マルコヴィッチの穴』〜予想を裏切られる驚きと快感! 『マル…

『フィニアンの虹』〜69歳のアステアの不可思議な優雅さ。

コッポラが監督し、老年のアステアが最後に主演したミュージカル映画、『フィニアンの虹』を観る。 69歳のアステアの不可思議な優雅さ------ほとんどもう、人間じゃないな、あれは。アステアが踊れば、空気も踊り、画面も踊る。特に中盤の待ちに待った何度目…

三谷幸喜『ラヂオの時間』〜「テレビの脚本家」が作った映画

テレビ放送された三谷幸喜『ラヂオの時間』を観る。 ……ともかく笑える。面白い。面白いんだけれど------この終わり方って、テレビの二時間ドラマの終わり方であって、映画の終わり方ではない。フィナーレの華やかさに余りに欠ける。ひとことでいえば、極めて…

PJ版『キングコング』〜徹頭徹尾、"男の子の夢"を描ききった大傑作

我がままを通しぬいたピーター・ジャクソンはスゴイ。 今更でなんだが、この映画は誰がなんと言おうと大傑作だ。 たとえ興行的にはその常識外れの制作費を回収できないまま終わったとしても、それで湯水のようにつぎ込んだ私財を失っても、あれだけ思うがま…

プライドと偏見〜最高!完璧!満点!!

感想も何もない、もう、この映画の全てが好きだ。もう、完璧!満点! ポランスキー『オリバー・ツイスト』だと、いろいろ注釈がついてしまうんだけど、これは何の留保もなし!! 例えば『オリバー・ツイスト』が、「あー、それはもう、オリバー役の子供は評…

『レジェンド・オブ・ゾロ』〜ゾロ万歳!貸切上映万歳!

仕事をちょっと早めに切り上げて品川プリンスシネマ『レジェンド・オブ・ゾロ』を観た。 …プレミアム上映だからレイトショーでも安くならなかったけどね。。。 ……だが、映画が始まって数分でもう大満足。ゾロ、格好いいぜ、ゾロ! 最高だぜ、やっほう! しか…