2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『回転木馬』〜まあ、音楽はロジャース&ハマースタインⅡ世なので……

かつては回転木馬の呼び込みで働き、今は天国で"星磨き"をしているビリーは、地上に残した妻子の危難を聞き、一日だけ下界に降りて来る-----そんな筋立ての正にお伽話のような、メルヘン映画。 ……であるのだが、物語としての面白みや演技については、ほとん…

トム・ゴドウィン他『冷たい方程式』〜表題作がほぼ完璧な作品。

トム・ゴドウィン他『冷たい方程式 SFマガジン・ベスト 1』(伊藤典夫・浅倉久志編)収録作品は以下の通り。●接触汚染(キャサリン・マクレイン) ●大いなる祖先(F・L・ウォーレス) ●過去へ来た男(ポール・アンダースン) ●祈り(アルフレッド・ベスター…

MOA美術館に行く。ブラッドベリ『何かが道をやってくる』ほか。

熱海のMOA美術館に行き、期間限定展示の尾形光琳「紅白梅図屏風」や、レンブラント「自画像」、モネ「睡蓮」等々を観る。 美術館の建築も、庭園も、そこからの眺望も全て驚異的にいい(ただ、入り口までの階段&エスカレーターの通路だけは、無駄に新興宗教…

日日日『ちーちゃんは悠久の向こう』〜直球で瑞々しい《反世界》もの。

各種ライトノベル系の新人賞を幾つも受賞し、大きな注目を集める現役高校生作家のデビュー作。 瑞々しい直球の《反世界》もの。ただ、このジャンルの作品は瑞々しいというのは、大概浅さに直結せざるを得ないものでもあり、この作品も例外ではないと思う。 …

何とはなしに、「現代において噺家であること」が何を意味するかを想像してみる。

それにしても、ちょっと想像するだけでも------談志師匠の『現代落語論』を読むまでもなく------「今、噺家であるということ」というのは、まったくもって大変なことだろうと思う。 例えば、二十年、三十年と落語を聴き続け、支え続けてきているような玄人筋…

文鳥舎寄席【サンタローdeナイト・フィーバー! vol.4】〜三太楼師匠の『崇徳院』についての感想を中心に。

三鷹の「文鳥舎」という、毎週さまざまな企画・イベントを行っている喫茶店&居酒屋でのイベント。店のスペースをぎっしり埋めた40人程度の椅子席がほぼ満席という盛況(三太楼師匠の最初のまくらや、後で第四回目を迎えたこの企画に何度か足を運んだとい…

文鳥舎寄席【サンタローdeナイト・フィーバー! vol.4】

日日日『ちーちゃんは悠久の向こう』読了。 文鳥舎寄席【サンタローdeナイト・フィーバー! vol.4】へ行く。三太楼師匠は『崇徳院』『茶の湯』の二席。ゲストに講釈師の神田ひまわり師匠。 帰宅後、参考にそれぞれのDVD全集で、米朝・枝雀の『崇徳院』を聴…

(山田風太郎『あと千回の晩飯』ほか)

山田風太郎『あと千回の晩飯』読了。 DVD『天国から来たチャンピオン』、柳家小さんDVD全集より「試し酒」「粗忽長屋」を観る。 時間の関係で、感想後日。

塚本邦雄『十二神将変』〜際どく捻れ歪みつつも傲岸に整った、噎せるような腥さい血潮の匂いを感じさせる《反世界》

容赦なく押し迫ってくる鮮やかな腥(なまぐさ)さ。付いて来れない者を容赦なく無視する突き放した態度。中学の頃、旧仮名遣いの岩波文庫版『ローマ帝国衰亡史』(村山勇三訳。あとで中野好夫訳の新版でも読み直した)を無理やり背伸びして読み進めた時のこ…

塚本邦雄『十二神将変』

塚本邦雄『十二神将変』読了。 ただ、多忙(会社の新人歓迎会及び、仕事上の要緊急対応案件発生による、明日の早朝出勤)のため、感想明日以降に。 ※以下、3/3に追加。

『会議は踊る』〜「ただ一度だけ」

北村薫『リセット』において、この映画とそのテーマ曲『ただ一度だけ』は------『スキップ』におけるバルザック『谷間の百合』、『ターン』におけるカミーユ・クローデルの生涯と同様に-----主人公の境遇とその想いに深く繋がった作品である。従って、私にと…

DVD『会議は踊る』

DVD『会議は踊る』を観る。 塚本邦雄『十二神将変』を苦労しながら読み進める。